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狭間06エピソード集 私立探偵部の日常

エピソード『理想の行方』


目次


エピソード『理想の行方』

登場人物

鏡阿光
私立探偵部部長。ハードボイルドな私立探偵を目指していたが……
カウラアード・シルフィ・ルートスペード
私立探偵部副部長。吸血鬼の真祖として力をつける事を目的としていたが……
佐藤火星
私立探偵部の後輩。今回は脇役。

阿光のクッション

火星
(定期依頼も休みでカウラにトレーニングに付き合って貰おうと思っていたが、部室に居らずに暇を持て余す)
火星
「たまに時間が空くと……、何かしたほうが良いのかなぁってそわそわしちゃうなぁ……」
火星
(ソファーにおいてあったクッション(?)を拾って、頬で肌触りを確認)「たまに置いてあるけど誰のなんだろ。これ……」

[utako] #マックロクロスケ、黒い毬藻、そんな形のクッションを抱き抱えてもふもふーと感触楽しむ。

阿光
(がらがら)「強いて言うなら俺のだ」
火星
「あ……、部長のだったんですか」
火星
(意外そうな顔をして、クッションだと思っている毬藻カウラをすりすり撫でる)
阿光
「おう、やらんぞ」
火星
「ちょっと欲しいですけど……残念です。どこで買ったんですか?」
阿光
「ええと、カウラに貰った。かな」
火星
「カウラ先輩に……、今度聞いてみようかな」(ぷすぷすと弾力を確かめる様に指で突き刺し
クッション
(火星から見えない場所に、ピコンと耳が立った)
阿光
「とりあえず、それは返してもらえるか?」
火星
(名残惜しそうに阿光に渡しつつ)「また今度、借りても良いですか?」
阿光
「あー、残念だが。こればっかりは他の相手に預けたく無くてな」
火星
「そんなに大事な物なら……仕方ないですね。諦めます。」(微笑みながら残念そうに頷き
阿光
「おう。割と命の次くらいに大事だ」
火星
「(……何でソファーに置いてたんだろう)」(ちょっと苦笑い
阿光
「ははは。とりあえずこれは返してもらって行くぞ」(と、受け取って外に)
クッション
(眼が覚めたのか、きょろきょろしつつ脚をパタパタさせてる)
火星
「はい。……あれ」

[TK-Leana] # 慌てて部室の外にー

火星
(手を振りつつ、何かの見間違いだったかなぁと見送る)

理想の行方

阿光
(人気のない所でカウラを置く)
カウラ@蝙蝠
(小さな口を目一杯に広げて欠伸してる)
カウラ@蝙蝠
「……何かしら、こんな所に連れだして」(寝ぼけ
阿光
「部室で気を抜き過ぎだ。火星にもふられてたぞ、お前」
カウラ
「あの子は毎度、もふってくるわね……、別に珍しい事でもないわよ……知らずに背中に敷いてる子だって居るわ」(ぼふん、と元に戻り、背筋を伸ばす)
阿光
「火星なら女同士だしまだしも。他の連中に好きにされるのは少し気にくわんのだが……」
カウラ
「他意がないのだから気にする程でもないと思うのだけれど……、貴女の椅子で寝ていれば良いかしら? ……部長のクッションを借りて枕にする子は居ないでしょ」(ふあふぁと欠伸をして
阿光
「……む、じゃあそれでいい」
カウラ
「……問題な子は多いのだけれど、きっと大丈夫よ」
阿光
「いかんなあ、独占欲が」
カウラ
「あら……、自覚はあったのね」
阿光
「そりゃ、まあな」
カウラ
「私は構わないわよ。それぐらい……、まだ嬉しい範囲だわ」
阿光
「お前も嫉妬とかしてくれて構わないんだぞ」
カウラ
「その実直な想いには応えてあげたい所なのだけれど……、誰に嫉妬するのよ」
阿光
「む……」
カウラ
「妹さんと仲良くしてても寧ろ、褒めるべきよね。十天王の女子と仲良くしていても……まぁ、それは付き合いが長い上に共に戦った仲なら仕方ないわ。誇るべき戦友よ」
阿光
「考えたことは無かったが……カウラに比べて俺のモテ度は低い!?」

[utako] #やだ、私の年収って……のアレか

カウラ
「どうなのかしら、3年生にもなれば同級生や2年生には貴方の事を結構知っている子も居るでしょうけれど……」
阿光
「くっ……い、いや。バレンタインには結構チョコを貰ったし、義理だと思ってたがもしかするとあの中に本命があったかもしれん」
カウラ
「曰く、彼女が居る男子は狙われ難いものの、彼氏が居る女子はまだ狙われる、らしいわよ」
阿光
「くっ、不公平な……」
カウラ
「それだけ男子の方が感情的に動くと言う事なのだけれど……、貴方、モテたいの?」
阿光
「……いや、それほどでは」
カウラ
「なら気にしなくて良いじゃない」
阿光
「むう。そりゃ確かにそうなんだが……」
カウラ
「……別に彼女が居ても、モテたいと思うのは悪いことではないわよ。浮気をする気でなければ」
阿光
「まあ、確かにお前以外に手を出したいなんて気持ちは無いが……」
阿光
「こう、なんというか負けてるみたいで悔しいだろ」
カウラ
「悔しいと思う時点で負けているのだと思うのだけれど、大丈夫よ。最低限、私にはモテているのだから安心しなさい」
阿光
「くっ……まあ、モテる彼女がいて嬉しいと思えるくらいの度量を持てるようにしよう。ハードボイルドとして」
カウラ
「若干アットホーム臭漂うハードボイルドになってきたわね……」
阿光
「む……女の火遊びは気にしないと言うほどハードボイルドにはなれん」
カウラ
「私のモテる方向性と言うのは……そういう火遊びしそうな方向ではないと思うわよ。と言うか、火遊びしそうに見えるのかしら」
阿光
「見えんし、その辺は疑った事もない。が、まあそのくらいじゃないとハードボイルドと言えないんじゃないだろうかという、苦悩がな……」
カウラ
「悩みすぎよ……ハードボイルドシンドロームとでも名付けてあげたくなるわね」
阿光
「自分でもちょっと問題かと思うんだけどな」
カウラ
「あまり執着しすぎるのも良くない気がするわよ」
阿光
「俺は、自分の理想像をハードボイルドに求めていたんだが……ここに至ってそれが理想と少しずれ始めている気がする」
カウラ
「そうねぇ……、将来はああいう風になりたい、と柔らかいものならまだしも、構え過ぎてるせいでズレたときに自分に落胆しているのではないかしら」
阿光
「そうかもしれんな……もう少し気楽にいけると良いんだが」
カウラ
「構えない事よ。構えても、気負い過ぎたりしない事。力を抜く事をまず目指しなさい」

[utako] #こうしてノーガードスタイルを布教していく

阿光
「そうだな」
カウラ
「私も最近、理想のスタイルと現状の成長具合にズレを感じているのだけれど……まぁ、気のせいよね」

[utako] #気のせい気のせい

阿光
「最近吸血鬼のままだから成長しないのは当然じゃ」
カウラ
「もしかしたら吸血鬼の状態でも成長するかもしれないわ。という試験なの。テストなの。引きずり回すわよ」
阿光
「なんでだよ。試験の結果ダメだったってだけだろ? 吸血鬼やめてた時はそれなりの速度で成長してたじゃないか」
カウラ
「テストの結果不具合が出て不満がないわけではないのよ……、なぜか最近、人間の状態で過ごしてもあまり変わらないのじゃないかしら……という不安が過ぎるわ……」

[utako] #空にうっすら見える22歳カウラ、中学生の時から変化なしバージョン

阿光
「俺からしたら、小さいままでも十分可愛いと思うけどな」(上から撫でる)
カウラ
「貴方がハードボイルドを目指す様に、私はその横に立っても釣り合いの取れる女性を目指しているのよ。」
阿光
「……そうか、俺も背が低いままだと焦ってたかもな。確かに、可愛いだけじゃ格好は付かない」
カウラ
「せめて後5cmぐらいは……欲を言えば10cmぐらいは欲しい所だわ、と考えても……背が伸びるわけではないわ。私も地道に目指すべきかしらね」

[utako] #ため息ついて

阿光
「身長を伸ばす方法か……何か上手いものがあるかな」
カウラ
「私の場合は人間状態の維持に尽きるかしら……」
阿光
「まあ、そうだな。やる気はあるのか?」
カウラ
「それはあるのだけれど、色々と予定を合わせるのが難しいのよ」
阿光
「ああ……用事もあるもんな」
阿光
「あ、そうか……ちょっと分かった」
カウラ
「何が分かったのよ」
阿光
「大人が……この場合ローザさんが、お前の工房維持やSRAでのバイトについて、あんまり良い顔しない理由。つまり、子供のうちは余計なことを考えずにすくすく育てって事なのかなと」
カウラ
「これでも、この2年間で精神面は飛躍的に成長したと思っているわ。それも部活、研究、仕事があったからなのだから、貴方の理解は少し外れてるわ」
阿光
「身体面がおろそかになってて頭を抱えてるんだろう。バランスも大事だ」
阿光
「まあ、とは言え。カウラの場合成長期を後に持ってきたり出来るわけだからそう深刻でもないのか」
カウラ
「それもあるのだけれど、身体面はそもそも蛇足なのよ。本性である吸血鬼の特性から考えれば、少しでも成長した事自体喜ばしい事なのだから」
阿光
「(蛇足の割にはこだわってるよなあ)」
カウラ
「……何か言いたげな顔をしているのだけれど、私は割りと何でも欲しいタイプよ。釣り合う程度、と妥協はしても貴方が不釣合いだと思われる程だと目標を定めれば、私は何が何でも勝ちに行くわよ」

[utako] #ふん、と鼻を鳴らして

阿光
「そりゃ知ってるさ……試験の点数勝負だって、未だ勝たせてくれないからなあお前」
カウラ
「3年間首席維持は私の目標だもの。越えさせないわよ」
阿光
「そう言われると一敗地に塗れさせたくなるんだよな」
カウラ
「一生呪うかしら。そんな事したら。それでも勝ちたいなら勝っていきない」(ふふん、と髪払って
阿光
「それはポジティブに考えると一生そばにいてくれるもんだと解釈して良いんだろうか」
カウラ
「具体的に隣を歩く時は3歩ぐらい離れて歩いて、2回に1回は手を払う程度の呪いかしら」
阿光
「それはちょっと勘弁だな」
カウラ
「一週間4回は一人で外で食べて来なさいと告げるし、その間子供には、お父さんは仕事が忙しいのよ、なんて言う呪いも着けようかしら。3年生になったから」

[utako] #精神攻撃

阿光
「そこまで言われると勝ちを狙いに行けないじゃないか、ひきょう者め」
カウラ
「勝負は既に始まっているのよ。」(オホホ
阿光
「お前時々そういう事言いだすけど。逆に聞くが、カウラは俺と過ごす時間がそんな感じになっちゃって平気なのか? 毎度ちょっと気になるというか傷つくというか」
カウラ
「それを言ったら精神攻撃かけてる意味がなくなるじゃない、内緒よ。内緒」
阿光
「割とストレスなんだぞ、それ……前一度喧嘩になったけど」
カウラ
「でも言っておいた方が良いでしょ。この事に関しては、呪うのは冗談だとしても私はそれなりに根に持つわよ」
阿光
「むう。前はやれるもんならやってみなさい見たいな態度だったのに……危機感を持たせるくらい肉迫したと思って満足すべきか」
カウラ
「1年生の頃から何度も危険な事はあったのだけれど……、そんな所かしら」
阿光
「まあ、そういうことなら対抗するのはやめておこう」
阿光
(ふっ)「勝手に転んで逆恨みしないように祈って置く」
カウラ
「そんなミス、この後に及んでやってしまうほど軽い気持ちではないわよ」(ふん、と鼻を鳴らして

[utako] もう引けない3年目
[TK-Leana] カウラさん詰めが甘い所あるからなあ
[utako] 割と何でもしたいという欲求があるから注意散漫になっていたところも一意専心すればなんとか

時系列

2013年4月

解説

出会って2年。そのころに抱いていた理想の自分と、今の自分。ずれを感じる阿光とカウラ。
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月影れあな

月影れあな

ログ切り人。IRCでのNickはTK-Leana。 思いつきでキャラメイクしては一発ネタで終わることが多いため、参加者ページのキャラクターリストは出オチキャラの墓場になっている。
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