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現代ファンタジー : 狭間さまよえるもの達

狭間とは何か

 正式名称は狭間さまよえるもの達といいまして、狭間とはその正式な略称となっています。現代オカルトものの世界でして、とりあえずムーに書いてある事がすべて真実である世界だと思ってください。
 そう、ヒマラヤの奥地には雪男が住み、ネス湖には太古の首長竜ネッシーが生息し、アメリカ政府は遭難した宇宙人と密約を結んで UFOを製造しており、東京には天海僧正の結界が張りめぐらされており、ヒトラーは実は南極の秘密基地で生き延びていて、大西洋にはアトランティス大陸が沈んでおり、日本人はムー大陸の子孫である。そんな世界なのです。
 その手の本を読めば分かりますように、幾多の相反する事実が共存していますが、その不確定性こそがこの世界狭間における真実なのです。真のオカルトは唯一無二の真実の存在を押し付けるようなものではないのです。
 対立する情報はどれもが真実でありうるのです。

 日常から垣間見る非日常に脅える普通の人がいます。日常の非日常の狭間をさまよう超人もいます……異常が日常と化してしまった神人さえも狭間には存在します。非日常にたいする立場はそれぞれですが、皆狭間さまよえるもの達なのです。
 ところで、こんな世界だとテレビや新聞で恐怖の真実が明かされてしまい、みんな本当の事に気付いてしまい、現代とは似てもにつかぬ世界になるように思われるかもしれませんね。しかし、問題はありません。我々の住む現実世界においてもその手の情報は大量に流布していますが、それで日常が大きく変化するようなことはごくまれでしょう? 狭間世界においても一般の人々は、非日常的な真実を目の当たりにしても映画の撮影だとかただの偶然だとか錯覚だとか気の迷いだとか考えて、信じないので問題ないのです。
 たとえば、光をまとって飛ぶ天狗などもUFOと勘違いされて(いや、原義の意味での未確認飛行物体ではあるわけですが)しまって、 大きな問題にならないのです。

 とはいえ、普通でない能力を持つ人はそれなりに慎重になった方が賢明である事は確かです。人間がほんの少し違うだけの相手に、どれだけ惨い仕打ちをすることができるかは、苛めや人種差別、魔女狩りで良く御存じの事と思います。あまりにやりすぎて、普通の人があなたが異常である事を真実であると認識してしまったら、ひどい目に会わされる事は必然でしょう。(もっとも技能値が20以上あるような超人ならば、社会を敵にまわしても何とかなる可能性もありますけど……あまり期待しないほうがいいでしょう)
 また、社会の秩序と安寧を守るべく、もしくは成果の覇権を握るべく、暗躍している各種の組織の存在を忘れてはなりません。だれしも、米空軍の秘密地下研究所で解剖されたりしたくは無いでしょう?

 さて、現代オカルト物ともうしましても、ホラー物とはどの様に違うのかと(ホラー物としては名作「クトゥルフの呼び声」をはじめとして幾つかのルールがありますよね)おっしゃる方もございましょう。
 確かに狭間もホラー物も日常では推し量れない存在に遭遇する話です。しかし、狭間には「世界観に救いがある」のです。これが大きな違いです。
 どんな危機があっても、努力の能力、運と意志によって、最終的には何とかなる事が多いわけです。

(狭間による語り部スターティングガイドより引用)

 詳細に設定してしまえば、冗談っぽいものから産まれたものでもそれなりにまじめそうにみえてしまうというのは、SFマニアなら良くご存じかと。
 やはり「大きな嘘はつくがディテールでは嘘をつかない」「大きな嘘をたくさんの真実で補強してしまう」というSFのテクニックをうまく使うようにしましょう。

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りこりす

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