ど素人から職業クリエーターまで、TRPGと創作で架空世界を楽しむコミュニティ。TRPG+PBW+キャラチャ+創作。

狭間06エピソード集

狭間グルメ奇譚『邪仙の店』


目次


登場人物

緋昏歩
アネモネラウンジの店主。記録屋。
ほっかむりの女性
邪仙。未タメは妖艶な人間の女性。
妖怪の客
常連の妖怪。何の妖怪科は不明。

本文

----

[arca] #アネモネラウンジ

    歩:「パイン亀の反響、結構あるわね。どうやら九十九神の一種らしいけど。」
    歩:「吹利のお土地柄、まだまだ変わったのがいそうね。」

[arca] #続報情報を確認しつつ

    歩:「空飛ぶ包丁…本当だったら怖いわね。」

[arca] #画像付きだが明らかに合成写真なのでパス

    歩:「本物もいるかもしれないけど、これはパスね。」
    歩:「パイン蜥蜴…パインで被ってるわね。」
    歩:「パインアルマジロ…分らないでもないけど、なんでパインばっかなの?」

    SE:カチカチ

    歩:「ん?…。」

[arca] #流し読みし始めた所に、一つの情報が目に止まった

    歩:「幻の邪仙の名店復活…そうそうこう言うのよ。」
    歩:「なになに?江戸後期から続き、妖怪達の間で有名だった邪仙の郷土料理屋だったが40年前に突然の閉店……。」
    歩:「どうやら店主が山ごもりを始めたのが原因…そして今年七月、閉店の時と同じく突然の営業再開。」
    歩:「料理は一見面妖だが、味は抜群…ふーん…。」
    歩:「場所は、山の中腹…山姥が住んでいるのではと思わせる店構え。」
    歩:「ていうか山姥なんじゃないの?」
    歩:「……お店があるのは確定情報のみたい…行ってみようかしら。」

[arca] #ノートパソコンを閉じ、件の店に赴く準備を始める

---

[arca] #吹利県某所、山腹
[arca] #午前中から上り始め、調度昼時
[arca] #縮地で行こうとも思ったが、せっかくなのでピクニック気分

    歩:「この辺りね……この清流のすぐ近く。」

[arca] #近くにきれいな水が流れている。飲用可らしい

    歩:「おいしい水ね。喉が渇いていると甘く感じるわ。」

[arca] #のどを潤し、店を探す
[arca] #気配を探ると、さほど苦労なく見つける事が出来た

    歩:「山道からは少し離れてるわね…霊感が強くないと初めての人は辿り着けなさそうね。」

[arca] #昔話に出てきそうな茅葺き屋根の平屋
[arca] #山中にぽつんと何げなく建っているように見えたが、付近の地面はある程度平らにならされている
[arca] #竹筒のようなものが清流へ向かってのびている。水道の代わりのようだ

    歩:「苔むした感じがまた良いわね。山奥の家らしくて。」
    歩:「ワビサビってやつかしら?」

[arca] #店の外観を見ると、暖簾のようなものはかかっているが、看板はない

    歩:「おじゃましまーす…。」

[arca] #がらり、と少々立て付けの悪い戸を開いた

    女性の声:「いらっしゃい。」

[arca] #店の奥から声が聞こえた
[arca] #店内は古風な蕎麦屋のような印象だった
[arca] #テーブル席が三つ、残りはお座敷
[arca] #囲炉裏がある
[arca] #山中である事もあってか暑くはない。快適な温度
[arca] #ただ湿度は高く、全体的にしっとりとしている

    ほっかむりの女性:「おや……迷いこんだって訳じゃなさそうだね。」

[arca] #店の奥からほっかむりの、妖艶な印象の女性が現れた
[arca] #歩を見て、めずらしいものを見るように構えている

    歩:「はい、噂を聞いて。」
    ほっかむりの女性:「んじゃ、ここがどう言うトコかはある程度知ってる訳だ。」
    ほっかむりの女性:「ミーハーな客は好きじゃないけど、調度暇してるし。座敷に上がんな。」
    歩:「ありがとうございます(気難しい感じね……ま、私が場違いなのかな。」

[arca] #促され、座敷に上がる

    ほっかむりの女性:「これメニューね。突出しとかあるんだけど、いるかい?」
    歩:「はい、いただきます。」

[arca] #ほっかむりの女性。上は半纏のような和装だが、下はポケットの多いチノパンだった
[arca] #邪仙と聞いて、イメージしていた姿とは少し違った

    歩:(メニューを開く
    歩:「山菜のきんぴら、鮎の塩焼き…木霊の煮付け…。」

[arca] #普通そうなものと首をかしげるものが混ざっている

    歩:「河童の皿の素揚げ…え、これ大丈夫なの?」
    ほっかむりの女性:「ああ、ここで使ってるヤツはとっても生えて来るヤツのだから心配いらないよ。」
    歩:「そんな河童がいるのね…藤原さんとは大違い。」

[arca] #チャックのついた怪しい背中を想像しつつ

    歩:「色々あるわね…。」
    ほっかむりの女性の女性:「はい、油揚げとしめじの炒め物。」

[arca] #突出しが出てきた

    歩:「あ、どうも。」
    ほっかむりの女性の女性:「頼むものはきまったかい。」
    歩:「ごめんなさい、まだです。オススメとかあります?」
    ほっかむりの女性の女性:「日によって変わるからね。今日だすって決めたものは全部おすすめさ。まぁでも、今日はこれなんかは特に良いね。」

[arca] #メニューをぶっきらぼうに指差す

    歩:「えーと……鹿の…アレの焼き物?」
    ほっかむりの女性の女性:「精がつくよ。」
    歩:「いえ、その…相手がいないもので。」(苦笑
    ほっかむりの女性の女性:「なにぃ?もったいないねぇ…あたしなんかこの四十年毎日だって言うのに。」
    歩:「え?山に籠ってたって聞きましたけど。」
    ほっかむりの女性の女性:「あそれ、ただのウワサだから。本当は里の男と籍入れて暮らしてたんだよ。旦那が逝っちまったから戻ってきたけどね。」
    ほっかむりの女性の女性:「あ、これオフレコな。こう見えてあたし目当ての客が多いからね。」
    歩:「……(そうよね、仙人じゃなくて邪仙だものね…そう言う浮いた話もあるか。」
    ほっかむりの女性の女性:「まぁでも、今回も長くは営業しないかもね。もう次ぎのいい人見つけちまったから。」
    歩:「そうなんですか…(ずいぶんとアクティブ。」
    ほっかむりの女性の女性:「そうそう、やっぱ若いエキスは良いよね……っと、おすすめだっけ?これが駄目ならこっちはどうだい。」
    歩:「マムシの網焼き…。」
    ほっかむりの女性の女性:「この季節が1番攻撃的でね。精がつくよ。」
    歩:「え、その…いえ、それと山菜のきんぴらください。」
    ほっかむりの女性の女性:「あいよ。」

[arca] #料理の到着を待っている間に、一組の客がきた
[arca] #見た目からして妖怪で、歩を見るなりギョッとしている

    歩:「……(人間はほとんど来ないみたいね。」
    ほっかむりの女性の女性:「はいよ。」

[arca] #きんぴらと網焼き。二品が同時にきた

    歩:「きんぴらおいしそう。マムシの方は…思ったより不気味じゃないわね、むしろ上品な感じ…。」

[arca] #綺麗な白身で、想像していた臭みもない

    ほっかむりの女性の女性:「これはおまけな。」
    歩:「え?…っ。」(ビクっ

[arca] #コップに溜まった赤黒い液体。その中で何かがぴくぴくとうごめいていた

    ほっかむりの女性の女性:「マムシの心臓だ。精がつくよ。」
    歩:「え…生で?」
    ほっかむりの女性の女性:「それが一番効くからな。人間にはきつかったか?」
    歩:「人間でも食べる人は食べると思いますけど…私は、さすがに…。」
    妖怪の客:「なら、俺達にくれよ。」

[arca] #先程入ってきた妖怪の客がそばにきていた

    歩:「あ、どうぞ。」
    妖怪の客:「へへ…あんがとよ。」

[arca] #笑っているのかどうかは顔から判断しずらかったが、声は喜んでいた

    ほっかむりの女性の女性:「まぁすきにしな。」

[arca] #なんとなく残念そうな顔をしているほっかむり

    歩:「さて…(突出しもおいしかったけど、このきんぴらはどうかな?」
    歩:「おいしい。何の山菜かしら。」
    妖怪の客:「それはこの辺にしか生えてねえんだ。特に名前はついてねえんだけどよ。」
    歩:「へー…。詳しいんですね。」
    妖怪の客:「ああ、俺達常連だからな。」(突出しをつまみつつ
    歩:「そうなんですか?」
    妖怪の客:「おう、江戸時代からの付き合いだぜ。だから営業再開って聞いて最近は毎日きてるぜ。」
    歩:「おっと…思ったより古株の方だったんですね。」
    妖怪の客:「気にすんなよ。歳とってるだけでさほど偉くもねえ。」
    歩:「はい(何だか誰かに雰囲気が似てるわね。」
    歩:「さて…。」(マムシの網焼きと相対する
    歩:「…(普段爬虫類と仲良くしてるから別の意味で少し抵抗があるのよね)。」

    SE:ぱく

[arca] #それでも、箸をつけると躊躇いなく口に運んだ

    歩:「……おいしい。」
    歩:「鶏肉…いえもうちょっと優しいような。」

[arca] #ともあれ、食べた事のない味だった

    歩:「…(ハクリンのお肉もこんな感じなのかしら)。」
    妖怪の客:「クセがないだろ。けども精がつくぜ。」
    歩:「あはは…(妖怪って言うのはみんな精つけたがってるのかしら…。」
    ほっかむりの女性の女性:「汁ものとかもあるよ。猪汁だけど。」
    歩:「はい、あとご飯ありますか?」
    ほっかむりの女性の女性:「あるよ。まってな。」
    歩:「…(けっこうガッツリ食べちゃいそうね。」

---

    歩:「ごちそうさま……(ちょっと食べ過ぎちゃったかな。」
    妖怪の客:「あんた、とうとう酒飲まなかったね。ここの濁り酒は格別なんだが。」
    歩:「あ、私お酒飲めないんです……。」(微笑み
    妖怪の客:「へぇ、もったいないねえ。」
    歩:「ええ…(実は、最近は飲めるようになってきたんだけどね。ご飯と一緒にって言うのはまだまだね…。」
    歩:「それじゃあ、私はこれで。お勘定お願いします。」
    ほっかむりの女性の女性:「あいよ。里の金で問題ないよ。他のもんで払いたいってんなら別だけど。」
    歩:「あはは……現金で。」
    ほっかむりの女性の女性:「あい、えーと…2500円くらいかね。」
    歩:「はい(以外とするわね。ランチとしては少し高すぎだわ。」
    妖怪の客:「お、そうだ。人間の嬢ちゃん、これマムシのお礼だ。」

[arca] #料金を支払い、店を出ようとした所を呼び止められる

    歩:「串焼き?」
    妖怪の客:「鹿のアレの串焼きだ。精がつくよ。」
    歩:「……あ、ありがとうございます。」

[arca] #串焼きを受け取り、店を出た

    歩:「郷土料理って言うより、マタギ料理って感じね…。」(串焼きを見つつ

[arca] #串焼きをタッパーに入れ、帰路につく

----

時系列

8月19日

解説

情報を元に幻の名店へ赴く。以外と普通の店でした。

The following two tabs change content below.
コメント一覧

コメントはありません。

この記事にコメント

*

*

トラックバックURL