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狭間06エピソード集

狭間グルメ奇譚『スッポンウナギ①』


目次


登場人物

緋昏歩
アネモネラウンジの店主。記録屋。
獅子王
モノノケ商店街の住人。鵺。

本文

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[arca] #アネモネラウンジ

    歩:(壁に絵画『モナリザ』のレプリカを飾る)
    歩:「これで水平かな?微妙に傾いてる気がして落ち着かないわ……」

[arca] #くいっくいっと微調整

    歩:「んー……きりがないわ。これでOKってことにしよ」

[arca] #一旦離れて、後ろ髪惹かれつつもカウンターへ移動する

    獅子王:「たのもー」
    歩:「あ、いらっしゃい獅子王君」
    獅子王:「……なんだこの不気味な絵は。どこかで見た事あるな」
    歩:「モナ・リザっていう絵画のレプリカなの。多分世界で1番有名な絵画だと思うわ?」
    獅子王:「むぬ、通りでどっかで見覚えがある訳だな」
    獅子王:「で、なんでまた突然こんなものを飾ったのだ?」
    歩:「昔この絵が展示されている美術館から盗まれる事件があって、それが調度今日と同じ日付なの」
    獅子王:「なるほどー……」
    歩:「それから二年後に返ってきたらしいけど、その間に贋作が大量に作られたとか、本物とすり替わってるとかウワサがあるのよね」
    歩:「だから、そんなロマンに思いを馳せてみようって感じかな。じつはこれもレプリカとは言え、その盗難事件が起きた時代に作られたものなのよ?」
    歩:「だから、もしかしたら本物のモナ・リザかもしれない……なんてね」
    獅子王:「むぬー、絵一枚にもそんなドラマがあるのだな」
    歩:「ちょっとロマンチックよね」

[arca] #獅子王にお冷やをだしつつ、モナ・リザを見る

    獅子王:「ろまんちっくかどうかは俺にはわからん」
    歩:「そっか、ちょっと子供にはわからないかな?」(微笑み)
    獅子王:「むぬ!?俺は子供ではないぞ!うん百歳だぞ!」
    歩:「そうだったわね、ごめんなさい」(うふふ)
    獅子王:「むぬー……。まあいい、俺は大人故寛大なのだ」

[arca] #水をごくりと飲干す

    獅子王:「さて、焼きそば作れるか?」
    歩:「んーと……、ええできるわ」
    獅子王:「じゃあ焼きそば大盛りで頼む。それと一つ相談事があるぞ」
    歩:「かしこまりました……相談事?」
    獅子王:「むぬ。後で良いから聞いてくれ」
    歩:「わかったわ。それじゃ、ちょっと待っててね」

[arca] #しばらくして、ソースが香ばしい焼きそばができる

    獅子王:「おお…甘酸っぱい、脂身も調度良い具合だ」
    歩:「バラ肉の脂身からとったラードで仕上げてみたの」
    獅子王:「なるほど、一口の満足感の正体はそれだな」
    歩:「そうねー、家庭じゃあんまり使わないしね」

[arca] #しばし焼きそばを堪能する獅子王

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    獅子王:「ふう……ごちそうさま」
    歩:「はい、おそまつさま……」
    獅子王:(満足して寛いでいる)
    歩:「……何か相談があったんじゃない?」
    獅子王:「むぬ、相談?……お、そうだった!忘れてた」
    歩:「いいかげんね」(苦笑)
    獅子王:「すまんすまん、それほど重要な事でもなかったからな。正確には俺にとってはだが」
    歩:「それで?どんな内容なの」
    獅子王:「むぬ、凧田のことなんだが」
    歩:「凧田さん?」

[arca] #凧田。モノノケ商店街の組合長兼町内会長。里妖怪の便宜的頭領でもある
[arca] #長齢のぬらりひょんで、モノノケ商店街では呉服屋を営んでいる

    獅子王:「あやつ、年甲斐もなく無理したらしくてな。夏バテになったのだ」
    獅子王:「俺の様に若さを保つたいぷではないというのに」
    歩:「夏バテか…ひどいの?」
    獅子王:「むぬ、床にこもる程度じゃな。日には当たりたくないらしい」
    獅子王:「食欲もないもんだから毎日ひやむぎをすすってるぞ」
    歩:「良くないわね……。むりはだめけど、それじゃ返って元気がなくなっちゃうわ」
    獅子王:「そうなのだ。そこで、医者にかかるようなことになる前にどうにかしたいらしい」
    歩:「そこで……私なの?」
    獅子王:「むぬ。歩は最近食べ物の事を調べて回っていると聞いたからな」
    獅子王:「そこで、夏バテを解消できるようなものを作ってはくれないかと。言付けを受けた」
    歩:「なるほど…妖怪の夏バテか」
    獅子王:「ありきたりなものでなく珍しいものが良いとも言ってたな」
    歩:「結構わがままなのね」(微笑み)
    獅子王:「まったくだ。とりあえず、伝えたぞ」
    歩:(少し考え)「わかったわ、なんとか探してみるって伝えて」
    獅子王:「むぬ、わかった」

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[arca] #獅子王が帰ってから、凧田の要望にかないそうな情報を探る歩

    歩:「サッパリしたものは結構あるわね…問題はスタミナを取り戻す材料ね」
    歩:「夏場でスタミナと言えば普通ウナギとか、スッポンかしら」
    歩:「スッポン…ウナギ…スッポン……スッポンウナギ……」
    歩:「何このキメラ……」

[arca] #情報の中にスッポンの身体にウナギのような長い首と頭をもつ生物があった

    歩:「食べれるのかしらこれ……異界の門の付近にのみ生息し、妖怪の間では稀に食用される……」
    歩:「スッポンウナギを使ったスープは弱った妖怪の滋養強壮に最適。これは願ったり叶ったりね」
    歩:「ただ、異界の門の付近って言うのは気がかりね。危なそうだわ」
    歩:「一緒に行ってくれる人が居ると心強いんだけど……獅子王君に頼んでみようかしら」

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時系列

2013年8月22日

解説

凧田さんの夏バテを解消するミッション。

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