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狭間06エピソード集

エピソード『狼の系譜』




目次





エピソード『狼の系譜』


登場人物



エヴァ・ライスティール・ホワイトハンド

最近人狼化した少女。先祖由来の変化らしいが……


祖父と孫



[utako] #吹利大学イズナゼミ
[utako] #診察室のような部屋で老人はカルテに目を通し、老人の眼前には金髪の少女



老人

「……治まらず、か……あの方は喜びそうだが、支障がある。お前はどうしたい……と、聞くのも意味はないか」

エヴァ

(暇そうに窓の外を見てる)



[utako] #社会的・日常的な問題はあっても本人が引きこもりな上、作業ができれば人生問題なし



老人

「……しかし私の元に来た以上は人間寄りという事か。……抑制剤は投与しておく、変化には激痛を伴う事があるが……薬は出して置こう」

エヴァ

「……うん」



[utako] #その後少しの間、毛や形状の検査をして



エヴァ

「……グランパ、も……生える……の?」

老人

「……私の場合は、お前とは逆で元が妖魔の類だ。今は人間に化けている」

エヴァ

「……パパ、と……ママ……も?」

老人

「……私の血筋を継いでいたのは、母方の方だったが先祖帰りの症例は聞いていない。本人も知らなかっただろう」

エヴァ

「……そう」

老人

「……あの方の血が入らなければお前にも症状は出なかっただろうな」

エヴァ

「……見たい」

老人

「……」



[utako] #暫く無言で向き合った後に
[utako] #耳の皮が盛り上がり、日焼けした皮のように剥げると下から白髪交じりの銀毛の耳が伸びて、毛の重さに耐えられずしなりと下がった。
[utako] #ケモじじいの出来上がり



老人

(耳の皮を取って袋に入れ)「……満足か」

エヴァ

「……少し……、変」

老人

「……色彩の違いは、地方による変化だろう。隔世遺伝も人間の遺伝子の影響を……」

エヴァ

「……そう、じゃなくて……キモ、い?」

老人

「……」



[utako] #毛がぽろぽろと抜け、外耳は干からびて落ち、下から人間の耳が出てくる。



エヴァ

「……」

老人

「……若者言葉は私の前では控えろ。」

エヴァ

「……うん」



[utako] #ごめんなさい、と小声で言って顎を引き



老人

「……」

エヴァ

「……」



[utako] #あまり会話はなく、淡々と処置は終了した。


キモい老人



老人

「……キモい、か」

青年

(飲んでたお茶を噴出しそうになった)

青年

「どうしたんですか? 先生。また……急に」

老人

「……君は使うかね。キモいという言葉を」

青年

「え? えぇ、でも……あまり公の場では使いませんね。プライベートな時間で、特に友人や親しい間柄の人との会話では使いますね」

老人

「……ふむ」

青年

「生徒に言われたんですか?」

老人

「……違う、いや……そうだが、忘れてくれ」

青年

「(確かに先生はあまり喋らないから……怖いって言うか陰湿そうでキモいと思われても仕方ないかなぁ)」

老人

「……あの件だが、少し期日を早めて貰えるかね」

青年

「えぇ!?」

老人

「……やれ」

青年

「……はい」


時系列


2013年1月

解説


イズナゼミの老教授に対して、あまりにもストレートすぎるエヴァの発言。

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