狭間06エピソード集

エピソード『モノノケ商店街のクリスマス。』

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目次

• エピソード『モノノケ商店街のクリスマス。』
  
  
  
  • 登場人物
    
  • クリスマスってなんですか
    
  • フナブ・クにて
    
  • 勘違い妖怪たち
    
  • アネモネラウンジ
    
  • 時系列
    
  • 解説
    
  
  

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エピソード『モノノケ商店街のクリスマス。』

登場人物

緋昏歩

アネモネラウンジの店主。商店街では希少な人類。

パッハロ・K・U

三姉妹の長女。

ラガルティッハ・K・U

三姉妹の二女。

クリスマスってなんですか

[arca] ＃モノノケ商店街
[arca] ＃組合会館

歩

「クリスマスキャンペーンですか？」

凧田

「うむ。ハイカラな妖怪も増えているし、我が商店街にも新しい風が吹いていきている」

凧田

「一つここでそう言った催しがあっても良いと思ってのう」

[arca] ＃定例集会での一幕。凧田の一声でクリスマスに向けて何かしようと言う事になった
[arca] ＃イヴまで十日という短い期間だが、ささやかなながら何かできないかと模索する一同

小豆洗い

「年末の準備は前々から進めてるから、そこから出し物は選り出しましょうぜ」

凧田

「そこまで力を入れる必要はないぞ、なにぶん急な話だ。ちょいとせれっぽい物を飾ってくれればそれで良い」

妖怪

「ちょいとねぇ、そもそもそのクルシミマスってぇのはなにするんだい？客の首締めるのかい？」

妖怪

「コロシマスだろ」

歩

「ク、クリスマスです！」

妖怪一同

（びくっ）「…お、おう」

歩

「…元々は西洋のある神様の誕生祭なんだけど、日本じゃなんとなくめでたい日ぐらいの意味かな」

妖怪

「なに、めでてぇのか。なら祝わねぇとな」

妖怪２

「せやな」

妖怪３

「せやせや」

歩

「…（なんとか趣旨は伝わったみたい」

妖怪

「なら神輿も出すか？」

妖怪３

「つってもうちらの神様の誕生日って訳でもねぇだろ」

妖怪

「別に良いだろ、ご神体乗せ変えようぜ」

歩

「え、いいのかなそれ…」

妖怪２

「ワイもどうかと思うで」

妖怪

「そうか？良いアイディアだと思ったんだが」（うぬー

歩

「繁華街とかだったら話は別ですけど、大体ささやかな物ですよ」

妖怪３

「嬢ちゃん詳しかろう、ちょっと俺らに教えてもらえんか。フナブ・クの子らも多少は知っとろう」

歩

「え、私ですか？」

妖怪３

「おう」

凧田

「儂からもたのもうか。年をくっても中々西洋のことは頭に入ってこんでな」

歩

「はあ…そこまで言うなら。私も詳しいという訳ではないですし、ちょっと飾るくらいで」

凧田

「うむ、それで構わん」

妖怪２

「たのんだで」

凧田

「フナブ・クの三娘にも伝えておいてくれ」

歩

「はい」

フナブ・クにて

歩

「ーーーと言うことなんだけど、手伝ってくれる？」

パッハロ

「道理で…例年、この商店街にはクリスマス商戦というものが存在しないのが不思議でした…、お手伝いはしましょう。」

歩

「時間もないから簡単な物になると思うけど……それよりもまったくクリスマスのこと知らない人もいるのが心配ね」

[arca] ＃ラガルの頭撫でつつ

ラガル

（がぶぅ）　「ほほのれんひゅう、あはまふるいひ」

歩

「いたた…集まってた人もクルシミマスとかコロシマスとか言ってたわ」（指をふーふー

パッハロ

「縁遠い方ばかりですから……、とりあえずはイルミネーション等の飾り付けの道具の購入、勉強会等する必要がありそうですね」

歩

「結構大掛かりになりそうね、夜の宴会…じゃなかった、定例集会にちょっと時間もらえないか聞いてみる」

[arca] ＃噛まれない様にじゃれつつ

歩

「飾りは予算出してくれるって言ってたわ」

パッハロ

「初めての…それも時期遅れになりますから、あまり派手なものではなく練習する程度で進めていきましょう」

歩

「うん」

[arca] ＃商店街の人は「なんかめでたいらしい」くらいしかわかってない
[arca] ＃ツリーとか飾るとかサンタのことは知らない

パッハロ

「ナマハゲならまだしも、赤くて煌びやかなものならなんでも良いと思われると何が出てくるか解りません」

[utako] ＃赤い竜の灯篭飾りとか、獅子舞とか
[utako] ＃商店街のメインストリートがカオスになってしまう

歩

「ご神体乗せ変えて神輿担ごうって言う案もでてたわね…無いとは言えないかも」

[arca] ＃十字か乗った神輿がソイヤソイヤ
[utako] ＃ハリボテのトナカイが神輿をひいていく
[utako] ＃ライオン丸が赤く塗られて子供が悲鳴

パッハロ

「お店側で何かやっても…クリスマスセール、ぐらいですが…これはお店ごとに任せましょう」

[arca] ＃褌姿の白髭
[utako] ＃あか褌に白髭、紅白ちょーめでたい

歩

「うん、なんか変な物作りそうになったら教えてあげたりとか」

[arca] ＃すでに一部の妖怪が不穏な動きを見せている

パッハロ

「出品、企画についてはある程度報告してもらい分担して監査しましょうか」

歩

「うん、…集会に出てた人でちょっと怪しい人いたから、早めに回った方が良いかも…」

＃中華屋

「フィナーレはこの爆竹だな」

歩

「ラガルちゃんもお願いね」

ラガル

「ラガルは冬の間オフだしー、気が向いたらー」

歩

「そうだったわね、半冬眠？」

ラガル

「んー」　（間延びした声で毛布に包まってる

歩

「これ、もし外に出るなら使って」（手編みマフラー

ラガル

「あじゃす」　（毛布の中に引き込んでもぞもぞ

歩

「なんか食べられたみたい」（するする引き込まれていくマフラーを見つつ

パッハロ

「ラガル、もう３階で寝て来て良いですよ」

ラガル

「やじゃぶー」

歩

「ぶー？」

パッハロ

「おネムなんですよ。」　（胡坐をかくように座って、脚の床をぽんぽん、と叩く

ラガル

（毛布に包まったまま、もぞもぞとパッハロの脚の間に収まり丸くなる）

歩

「かわいい…」

パッハロ

「寝ぼけて元に姿に戻られた時が大変ですが、昔はこうして、フェロの上で寝たものです。」

歩

「フェロちゃんが1番下だったのね。1番大きいって言ってたし」

パッハロ

「少し固めのベッドでしたが」　（くすりと笑って

歩

「三段重ね…」（想像して同じ様に微笑んだ

歩

「近衛もそこに居たの？」

パッハロ

「はい。私が成熟してからは良く布団代わりにされましたね」

歩

「羽毛は温かいし、体温も高いもんね」

歩

「私も同じことすると思うわ」

パッハロ

「再会して…久し振りにまた一緒にお休みできるかと思っていましたが、機会に恵まれずにいます…」

歩

「そうね…人間の姿だと色々問題ありそうだし…ラガルちゃんはギリギリ大丈夫かな？」

歩

「それに…」

パッハロ

「それに？」

歩

「ローザちゃんとか、子供達も居るから…、機会作るのは大変よ…」

パッハロ

「マスターローザとチルドレンについては、考慮済みです」　（ウインクして、涼やかに微笑む

歩

「ま、マスターローザ？」

[TK-Leana] # なんかマスターアジア見たいだな
[utako] ＃門音が師匠って呼んでるからパッハロもマスターと呼ぶようにしてたり
[utako] ＃大体マスターアジアだから間違ってないネ

歩

「……考慮済みなら、いいのかな？よくわかんないけど…」

歩

「…………」

パッハロ

「機会を逃さないように、気をつけます」　（にこっと笑う

歩

「うん…」

歩

「私も添い寝したいなー……」（はふー

パッハロ

「…………一応、注釈ですが私の行為に性的な物は含まれませんよ？」

歩

「わ、わかってるわよ！」

パッハロ

「一応です、一応」　（くすくすと笑って

歩

「むー…」（赤くなる

歩

「そ、そう言えばフェロさんは配達？」

パッハロ

「フェロなら午前中は配達でしたが……今頃はバイク仲間の所ですね」

歩

「走りや集団とか？」

パッハロ

「そう言うのではないですよ。詳しくは知りませんが、キッズバイクが堂とか言ってましたね」

歩

「キッズバイク？…ふーん、今度聞いてみようかな」

歩

「フェロさん、今夜暇かな？一緒にお風呂入ろうと思ったんだけど」

パッハロ

「夜には戻ると思いますので、伝えておきましょうか？」

歩

「うん、おねがいします」（微笑む

歩

「もしOKだったら電話してって」

パッハロ

「はい。」　（涼やかに微笑んで

勘違い妖怪たち

妖怪

「え？獅子舞はダメ？」

歩

「はい、そう言う物はクリスマスでは使わないんです」

妖怪

「赤いし、帽子被せれば良いんじゃなイカ」

歩

「確かに赤いですけど…」

妖怪

「まー、こだわってる訳でもないから。だめって言うんならあきらめるよ」

歩

「すいません…。かわりに、ちゃんとした飾り方を教えますので」

妖怪

「よろしくたのむよ」

歩

「ふう…案の定皆クリスマスのことなんにも知らないのね」

歩

「しかも、獅子舞やら歌舞伎やら神輿やら、知らない所で用意してるし」

歩

「お祭り好きなのね…」

歩

「次ぎは、金物屋さんね」

[arca] ＃金物屋さんの前に到着

歩

「ごめんください」

なまはげ

「ふんがー！」

歩

「ひぃ！？」

なまはげ

「オマエは悪い子か！？」

歩

「ち、ちがいます〜っ」（しゃがみ込む

なまはげ

「…なんだ、そんなに怖がられるとは思わなかったな」

[arca] ＃恐ろしいお面を外し、微笑みかける金物屋店主

歩

「び、びっくりした…」

金物屋

「くりすますとやらの出し物にしようと思ってな。驚かすのは大好きだ」

歩

「あう…またか」

金物屋

「？」

アネモネラウンジ

歩

「はふう…つかれた」

[arca] ＃妙に手のこんだ間違ったクリスマスの数々と格闘した歩

歩

「明日と月曜日でとりあえず説明は終わらせたいなー」

時系列

2012年12月

解説

商店街の妖怪たちのためにクリスマスを説明する歩。驚きの世間知らずである。

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