エピソード『では、都々逸でも一つ』

目次

• エピソード『では、都々逸でも一つ』
  • 登場人物
  • 本文
  • 時系列
  • 解説

エピソード『では、都々逸でも一つ』

登場人物

無戸室近衛

ハーレム一代男。

無戸室ロザリンデ花梨

近衛の妻。浮気な夫を持つと苦労します。

本文

ローザ

(和装で三味線を弾いてる)

近衛

「珍しいさなぁ。んな物を出して」

[utako] ＃どの子の皮をなめして作ったのか……ｇｋｂｒ

ローザ

「卒業してから時間ができたので、小唄のお稽古事を始めたんです」

近衛

「また豪い渋いもんを……」

ローザ

「この国に来て長いですが、こういう日本の古い文化は未だ新鮮に映ります」

近衛

「価値観の異なる文化ってのは自分の中で新しい風が吹くからな。……歌や踊りはガキの頃さんざさせられたが、未だに新興の舞踊何かは面白ぇもんがあるさな」

ローザ

「新しい風が吹くというのは、良い表現ですね。というか、近衛さんが歌や踊りに通じていたとは初耳でした」

近衛

「婆ちゃんがやってたんだよ、日本舞踊やら民謡やらと。俺は直接習ったわけじゃねぇが、習い事としてお弟子さんに仕込まれてな。これでもそれなりにでかい舞台に一人で立たされた事はあったが……、ありゃ、ひとつの黒歴史だな」

ローザ

「ぜひ一度見て見たかったものですわ」(くすくす)

近衛

「家に帰れば撮影した物が残ってるかもしれねぇが……今は、いつかやるだろうローザの舞台を楽しみにしてねぇさなぁ」

ローザ

「まあ、舞台に立つほどのつもりはありませんが。こういうのは趣味で終わっても良いのです」

近衛

「教室の方で交流会や公民館で小さいお披露目会ぐれぇはやらねぇか？　全員で見に行くんだがなぁ……」

ローザ

「ふふ、聞きたいなら居間でも閨でも、好きな所で披露しますから勘弁してくださいまし」

近衛

「それはそれで魅力だな……、酒の飲みてぇ夜にでも、一曲願いてぇもんさなぁ」

SE

テンテンシャン

[TK-Leana] # 三味線を鳴らす

ローザ

「では、都々逸でも一つ」

近衛

（ゆったりと座り、微笑みながら耳を澄ませる）

ローザ

「二世も～、三世も～、添おうと、言わぬ♪」

SE

テテン

ローザ

「この世で添えさえすれば良い～♪」

近衛

「三味線の音と一緒だと、さくさくと来るな……」

ローザ

「お前～、死んでも、寺へは～やらぬ♪」

ローザ

「焼いて～、粉にして～、酒で呑む。ハ～コリャコリャ♪」

[TK-Leana] # 都々逸は割と情念が渦巻いて怖いのが

近衛

「枕元で聞くには悪い夢を見そうな気もするが……、中々良いさなぁ」

ローザ

「ふふふ」

[TK-Leana] # 楽しそうに笑う

ローザ

「都々逸は花街でよく唄われたものらしいですから。こういう情念の籠ったものは結構多いですね」

近衛

「女は怖いとは、言ったんだろうなぁ……」（茶を啜りつつ

ローザ

「聞くと身につまされる物が多いんじゃないかしら」

近衛

「……ぼちぼちと言ったところで」

ローザ

「近衛さんの気性は十分承知してますけど、程々になさってくださいね、本当に」（はぁ

SE

テンテテンテンシャン

ローザ

「逢えば泣く～♪」

ローザ

「逢わにゃ、なお泣く～。泣かせる人に、なんで泣くほど、逢いたかろ～♪」

ローザ

「……そのうち刺されますわよ」

近衛

「……」（汗

時系列

解説

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