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狭間06エピソード集 私立探偵部の日常

エピソード『夏のライダー』


目次


エピソード『夏のライダー』

登場人物

鏡阿光
仮面ライダーオセは悪魔使いである。なんだかんだでバトル好き。
カウラアード・シルフィ・ルートスペード
阿光の恋人。ほんと勝負事大好き。

本文

阿光
「熱いからって油断してると、気付いたらえらい体温下がってるので困る」
阿光
「おなか冷えるんだよなあ、この時期……」
カウラ
「何だか緩々に過ごしているわね」
阿光
「暑い外からクーラーのある部室に戻るとな。ちょっと体温調整が心配になった」
カウラ
「クーラーが強すぎるんじゃないかしら」
阿光
「少し温度を下げるか」
カウラ
「他の提案としては、クーラーを使わずにもっと涼しくする工夫をして、クーラーの使用を一番暑い時間に限定するのはどうかしら」
阿光
「家ではあんまり使わないんだけどな、俺は……とは言えカウラ、お前この暑さで部室のクーラー切って窓開けたら、怒らないか?」
カウラ
「それが工夫と言うなら怒る所なのだけれど、部室の窓に着ける簾と壁掛け扇風機の申請をしてくれれば怒らないわよ」
阿光
「扇風機か……用務員の坂巻さんが、確か昔使ってたのが余ってるって言ってたな」
カウラ
「早めに借りておかなければ他の部に取られてしまうわよ。……暑すぎたり寒すぎたりで一番に被害を受けるのは人間組の貴方達なのだから、代表の部長が色々と準備を進めておきなさい」
阿光
「心配しなくても、わざわざクーラーを排して扇風機を使おうなんて部はめったにないさ。それじゃあ、まあきちんと申請した上で1台借りて来るか」
カウラ
「部屋を締め切って作業のできない部活には割と必須じゃないかしら……簾のほうは私が手配しておいてあげるわ。あと……あると良い物って何かあるかしら?」
阿光
「うん、そうだな……風鈴作りに行こうぜ」
カウラ
「作りに?」
阿光
「おう。幡多町の方にあるガラス工房で、期間限定の体験教室やってるって話を工作部で聞いた」
カウラ
「そう言うの好きねぇ……別に良いわよ。少し面白そうだわ」
阿光
「他人事みたいに言ってるけど、お前も好きだろこういうの」
カウラ
「好きと言えば好きなのだけれど、オルゴールや金細工に比べればそれほど強い興味はないわよ?」
阿光
「ふうん、あの二つが特別好きってだけだったのか」
カウラ
「そうね。創作活動全般が好きと言える程、私は手広くやっていないもの」
阿光
「逆に俺は色々やり過ぎか……昔からよく言われるんだけどなあ、器用貧乏って」
カウラ
「長く続けている一つの事って何かないの?」
阿光
「……うん、これと言って思い浮かばんな。強いて言うなら家事全般とか」
カウラ
「……まぁ、良いんじゃないかしら。家事全般。家庭的で」

[utako] #少し言葉に詰まった

阿光
「我が事ながら、少々情けない気がして来た」
カウラ
「色々と興味を持つ事自体は悪い事ではないわよ」
阿光
「まあ、それはそうかもしれんが……」
カウラ
「その内、気づけば長く続けている事がふっと見つかるわよ。大抵の人はそんな感じじゃないかしら」
阿光
「とは言え、お前は結構既に将来見据えてるだろ」
カウラ
「買い被り過ぎじゃないかしら。将来を見据えて行動しているなら、私立探偵部には居ないわよ」
カウラ
「私立探偵部どころか、この学校にすら来ていないわね」
阿光
「そういや、お前はなんで学校に来ることにしたんだ?」
カウラ
「吸血鬼の少ない学校に行きたかった……と言うだけだったかしら」
阿光
「逆に、吸血鬼の多い学校なんかもあるのか」
カウラ
「血族や氏族で上位の者が通っていると護衛等で他に吸血鬼が潜伏してても不思議ではないわよ」
阿光
「で、そういうしがらみに囚われるのは嫌だったと」
カウラ
「今ならそう言う事を意識していたかもしれないのだけれど、当時は私が至高で私が絶対だと思っていたからそんな些事は気にしていなかったわ」
阿光
「……今、さらりとものすごい事言ったな」
カウラ
「今は、多少は変わっているわよ」
阿光
「そうか……初めてあった頃はそんな事考えてたんだな。道理で……」
カウラ
「道理で……、何かしら」
阿光
「いや、初めて教室で話した頃はぼっち感が半端無かったなあと」
カウラ
「孤高なる存在感が滲み出ていたのね……、他の生徒を威圧してしまって申し訳なかったかしら」 (ふふん、と得意げに
阿光
「物は言いようだな」
カウラ
「そう言う貴方の浮き方は秀逸だったわよ」
阿光
「まあ、言わんとする事は分からんでもない。あの頃から俺は仮面ライダーだったからな」
カウラ
「最近のライダーも歴代ライダーに比べて浮いてるわよね。魔術師だったりピチョン君だったりして」
阿光
「あれはなあ……まあ、ライダーも時々色モノに走るから」
カウラ
「貴方がどちらに属するかは……永遠の課題にしておきましょうか」
阿光
「まあ、変身手段が悪魔って時点で……いや、ライダーとしては真っ当であるつもりだぞ」
カウラ
「チャリンコライダーはギリでアウトな気がするわよ」
阿光
「1年後には原付ライダーには進化してるさ、多分」
カウラ
「吸血鬼がテーマの色モノ仮面ライダーキバでさえ、バイクに乗っていたと言うのに……」
阿光
「仕方ないだろう、道路交通法的に考えて!」
カウラ
「これを教訓にするように部活動日誌の表紙裏に書いておきましょうか。ライダーは16歳まで我慢すべしって」
阿光
「勘弁してくれ。最近、ようやくライダーとしての後輩も出来たのに……」

[TK-Leana] # と、ソファーで眠りこけてる祢黒に目をやる

カウラ
「……彼女、自転車には乗れるの?」
阿光
「……いや、乗ってるの見た事無いな」
カウラ
「……最悪、補助輪ライダーか……キックボードライダー……の線があるわよ」
阿光
「参ったなあ。アマゾンですらジャングラーに乗るのに」
カウラ
「過ちは繰り返されるのね……」
阿光
「まあ。バイクは無くても心がライダーなら問題無い」
阿光
「少年仮面ライダー隊は自転車だった訳だし」
カウラ
「……ちょっとコメントに困る心意気に、言葉ではなく拍手を送るわ」(ぱち……ぱち……ぱち……

[utako] #疎ら

阿光
「これほど嬉しくない拍手は初めてだ」
カウラ
「一応聞いておいた方が良いとは思うのだけれど……、何故彼女がライダーになったのかしら」
阿光
「いや、なんかよくわからんが映研の短編映画を見て感銘を受けたとか」
カウラ
「……そんな所だとは思ったわ」
阿光
「ライダーって言うか、パッと見怪人だけど。まあ、ライダーも元々怪人なわけだし」
カウラ
「元が同じなだけでどちらになるかは選択って言う話ね……、例えバイクに乗れなくとも、自転車にすら乗れなくても……」
阿光
「うむ……」
カウラ
「ライダーになりたいって言う事は怪人側である私に敵対するって言う意思の現れかしら……、今度聞いてみたいわね」
阿光
「俺だって別にお前と敵対してる訳じゃないんだし、そういうつもりはないんじゃないか?」
カウラ
「その方が面白そうな時には私は敵対ぐらいするわよ。」
阿光
「知ってるけど。お前勝負事好きだしなあ」
カウラ
「彼女が仮面ライダーを本気で目指す様だったら、卒業までには一度本気でぶつかってみたいわね。面白い能力も持っているみたいだから……」
阿光
「そうか。まあそれならそれで良いんじゃないか?」
カウラ
「えぇ。もう少し育てたら……火星とも一度ぶつかってみたいわね」
阿光
「程々にしてやれよ」
カウラ
「わかってるわよ」(ふふ、と笑って
阿光
「卒業までには、もう一回くらいお前とぶつかっとくのもいいかもな」
カウラ
「当然、やるつもりよ。中学校生活最後の戦いは……そうね。人目を気にしないで良いところで、伸び伸びと思い切りやりたいものだわ」
阿光
「……つまり採石場か」
カウラ
「……今から私に負けフラグを建てるつもりね。牽制かしら」
阿光
「そんなつもりもなかったが。分かった、場所はお前が自由に選ぶと良い」
カウラ
「良いわ。大体もう決めてあるから、その時を楽しみにしておきましょ」
阿光
「おう。今度も負けるつもりはない」
カウラ
「私だって、次も負けるつもりはないわ」

[utako] #デートの約束を楽しみにしている様に笑う
[TK-Leana] 阿光もなんだかんだ言って、そういうの好き。男の子だもんね
[utako] カウラ は 相手が熟す の を 待つ と 言うこと を 覚えた
[TK-Leana] 育てて収穫
[utako] 吸血鬼のグループを作ったら何かそう言う方向の組織になりそうな
[TK-Leana] バトル好きだなあ
[utako] 影蜥蜴や近衛もバトルマニア臭い所あるけど、前者は精神鍛錬、後者は嫉妬や執念で、カウラは純粋に愉悦部さん
[TK-Leana] 戦うのは楽しい系
[TK-Leana] ローザもそういうところあるしなあ
[utako] 全力で競う事であれば勉強でも戦闘でも本気でやっちゃう系
[TK-Leana] まあ、健全だと思う
[TK-Leana] 近衛さんよりは少なくとも
[utako] 近衛の方が目的がはっきりしていて! 健……建設的(?)!
[TK-Leana] 不健全だ

時系列

2013年7月

解説

思い切りぶつかりあうのが楽しい。そう思う時もある。
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月影れあな

月影れあな

ログ切り人。IRCでのNickはTK-Leana。 思いつきでキャラメイクしては一発ネタで終わることが多いため、参加者ページのキャラクターリストは出オチキャラの墓場になっている。
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