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狭間06エピソード集
私立探偵部の日常

エピソード『冬の夜空』




目次





エピソード『冬の夜空』


登場人物



カウラアード・シルフィ・ルートスペード
主導権は持っておきたいタイプ。
鏡阿光
未だ将来の見通しが持てない中学二年の冬。

本文



阿光
「この時期、夜晴れると星がきれいだなあ」
カウラ
「工房で、研究が遅くなった時にたまに観るのだけれど。日を越した後はもっとよく見えるわよ」
阿光
「工房の辺りだと街灯も少ないし、大分綺麗に見えるだろ。いや、吸血鬼の視力だとそれでなくてもはっきり見えるのかな」
カウラ
「吸血鬼にも寄りけりかしら。私は眼を凝らしても望遠鏡の様な精度は無いし、星に振るエーテルが薄らオーロラの様に見える時があるのだけれど、ただの人間の眼で見える星の素朴さも好きよ」
阿光
「面白いもんだよな。同じ場所で、同じ夜空を眺めても、見えてるものは違うのか」
カウラ
「それはそうよ。貴方と私で種族も体質も違うのだから」
阿光
「それでも、同じ時間を共有することは出来るよな」
カウラ
「時間も空間も、私の重力だって共有させてあげるわよ」 (ぶら下がる様に腕を組んで体重をかける
阿光
「嬉しい事を言ってくれるな、男冥利に尽きる」
カウラ
「男冥利なんて言葉、顔に皺が出来るようになってから使いなさいよ」 (くすくすと笑って
阿光
「そうか、じゃあ皺ができた頃にもまた言おう」
カウラ
「20年後に同じようなシチュエーションで言えたら90点をあげても良いわね。洒落て、夜景の見えるレストランだったりしたら、50点ぐらいかしら」
阿光
「レストランだと点数が下がるのか」
カウラ
「その歳になって見ないと解らないのだけれど、ワイン片手にお洒落に、なんて。土台、貴方には似合いそうにないもの。そんなのよりは、寒空の下で手を握ってくれたりして…『あの頃と同じだな…』みたいにきめる方が、多分格好良いわ」
阿光
「ワインは兎も角、スコッチが似合う男にはなりたいと思ってるんだがなあ」
カウラ
「スコッチなら、断然隠れバーね。でも……星を見ながら、バー…展望レストランみたいなバーだったら…99点をあげても良いかもしれないわ」
阿光
「そこはお前の予想を越えて120点取れるように頑張りたいところだ」
カウラ
「過ぎたるは、なお及ばざるが如し。予想を超えすぎて変な趣向にひた走らないで頂戴よ?」
阿光
「でもお前、俺が予想通りすぎるのもつまらんのだろ」
カウラ
「予想通りだと可愛いわね。でも可愛いだけじゃつまらないのよ。予想外過ぎても疲れるわ。疲れるのはつまらないもの。難しい加減よね」
阿光
「全く、面倒くさい奴だ」(ちょっと嬉しげに


[TK-Leana] # 楽しげに かな



カウラ
「失礼ね、全く」 (あは、と笑って


[utako] #かける体重を増やした



阿光
「そういえば、お前今年も年末はドイツか?」
カウラ
「ドイツね。もう毎年行くんじゃないかしら」
阿光
「そうか……冬休みの半分会えないのは寂しいが、初詣は一緒に行けるよな」
カウラ
「どうかしらね…、今年は去年の里帰りとは少し違うから、正月明けまで帰らないかもしれないわ」
阿光
「むう……そうか」


[TK-Leana] # しょぼん



カウラ
(むふ、と嬉しそうな顔になった) 「ちゃんと電話もメールもしてあげるわよ」
阿光
「メールはともかく国際電話は大変だろ」
カウラ
「どうせ娘と電話するためにお城に専用の黒電話みたいなものの一つや二つあるんだから、孫のお願い攻撃で使わせてもらうわよ」
阿光
「さらっとお城とか出て来る辺り、そういやローザさんお姫様だったな……」
カウラ
「縦ロールは伊達じゃないのよ」
阿光
「まあ、うん。時差を考えて負担にならない程度に、心待ちにしてる」
カウラ
「私が居ないからって去年みたいに首なしライダー追いかけないでよ」
阿光
「お前が居たら一緒に追いかけたさ」
カウラ
「居なかったら一人でも追いかけるじゃない。無理はしても死なないでよ」
阿光
「そう簡単に死にはしないさ。仮面ライダーだからな」
カウラ
「……帰ってきたら本物の改造人間になっていたらどうしようかしら」
阿光
「平成ライダーは改造しない方向で行ってるらしいから、大丈夫だろ」
カウラ
「変質してるライダーならちらほら居るわよ」
阿光
「俺も既に小指一本人間じゃないのは確かだが」
カウラ
「あら、平成ライダーの条件満たしてるわね。鏡阿光は小指だけ人間ではないのである。……」


[utako] #激しい出オチ臭



阿光
「流石に小指だけじゃ出オチだがな」
カウラ
「そして、彼女は吸血鬼である。……ラノベみたいになるわね」
阿光
「結婚したら『おくさまは吸血鬼』になるんだな」
カウラ
「完全に私が主人公で貴方がヒロインじゃない」
阿光
「じゃ、旦那さまは仮面ライダー。か」
カウラ
「プロポーズされるときに……職業仮面ライダーだったら…どうしようかしら。考えるわね」
阿光
「仮面ライダーは職業じゃない、生き方の問題だ」
カウラ
「その生き方・仮面ライダーの彼氏は、職業は何なのかしら」
阿光
「さて、10年後俺は何をしてるんだろうな」
カウラ
「平成ライダー一作目のクウガはフリーターだったわね」
阿光
「昭和ライダー一作目の一号は科学者だぞ」
カウラ
「ラインバレルの作者にインセクター扱いされてた戦後ライダーとしか知らないわね」
阿光
「V3改造したのは一号と二号だ。まあ、定職には付くつもりでいるさ」
カウラ
「高校、大学出る頃には何になりそうか見えてくるでしょうし、今は精一杯仮面ライダーやっておきなさい」
阿光
「おう……そういうお前は、真祖として生きるにしても職はどうするつもりなんだ? 専業主婦か?」
カウラ
「そんなわけないでしょ。私だって仕事するわよ」
阿光
「良いと思うんだがなあ、専業主婦も」
カウラ
「その時になってみないと解らないのだけれど、今のところは就職希望よ」
阿光
「永久就職?」
カウラ
「就職先に次第かしら」


[utako] 就職先次第



阿光
「こりゃ愛想つかされない就職先にならないとな」
カウラ
「頑張りましょ。次第によっては、貴方が永久就職するかもしれないのだから」


[utako] #アットホームライダー



阿光
「え、俺主夫か?」


[TK-Leana] # 確かに現状カウラより主夫力高いのである



カウラ
「それはそれで…結構似合いそうね」
阿光
「むう、嫌とは言わんがな」
カウラ
「それも、その時が来ないと解らないわよ。やっぱり」
阿光
「確かに。まあ、状況次第だな」
阿光
「さて……現状で既に大分酷いのでこの上改造人間にされても大したもんじゃない事が判明した訳だが」
阿光
「よく考えたら別に正月過ぎてから初もうでに行っても罰は当たらないよな」
カウラ
「十日恵比寿が初詣、と言う人も居るから良いわよ」
阿光
「おう。お前の振り袖姿を今年は見れないっていうのは哀しいからな」
カウラ
「着付けて貰うの結構大変なのよ?」
阿光
「年に何回も斬るもんじゃないんだろ。折角なんだし着てきてくれよ。今年は折角かわいい格好なのに、なんかお前すごい不機嫌で割と大無しだったからな」
カウラ
「あら、そうだったかしら」 (すまし顔で
阿光
「そうだよ……アレは少し俺も傷ついたぞ」
カウラ
(何があったかしら、と考え…そう原因は確かラビお姉様と影お姉様…) 「………、ま、まぁ?レアな振袖姿だったと思いなさい」
阿光
「今年はもう少し楽しくやりたいもんだ」


[utako] #新春胸騒動
[TK-Leana] # あの件に関しては阿光には全く罪が無かった



カウラ
「大丈夫よ。1年経てば私もそれなりに大人よ。大人」
阿光
「ちょっとは成長してるしな」(胸も)
カウラ
「そろそろタオル巻かないとだめかもしれないわね。」 (ふふん、と


[utako] #胸がある人はお腹にタオル巻かないと着物のスタイル良くならないっていう



阿光
「お、おう」
カウラ
「…歯切れが悪いわね」 (腕にぶら下がったまま、肘で脇を突き
阿光
「冷静につっこんで良いのか?」
カウラ
「この腕がどうなっても良いなら軽快にツッコミなさい」
阿光
「自覚あるならわざわざつっこまれるような事言うなよ」
カウラ
「それでも言わないといけないのよ…、厳しい道だわ」
阿光
「いや……いやいや」
カウラ
「…何よ。どっちにしたって、私は細いんだからタオル巻いたりしないといけないのよ」 (ガスガス


[utako] #脇肘



阿光
「ならいらん見栄張るなよ。いたいいたい」
カウラ
「それぐらいの見栄っぱり、可愛いものじゃない。」
阿光
「お前の場合時々本気で行ってるんじゃないか心配になるんだよ。前にゃんこ先生の甘言に乗せられかけて、影さんに本気で止められてたろ」


[TK-Leana] # 「『巨乳のつもり』という狂気に陥らせてあげる」って言ったアレ



カウラ
「今では良い思い出よね。あの頃の私は若かったわ…」
阿光
「まだ一年も経ってねえよ……」
カウラ
「べ、別に良いでしょ。あの誘惑もにゃんこ先生の能力よ、きっと。流石魔神ね」
阿光
「そんな職能はない」
カウラ
「あるのよ!そんな意外な一面も!」
阿光
「はいはい……ほんと、そんな気にしなくても俺はありのままのお前で良いのに」
カウラ
「それはそれ、これはこれ、よ」
阿光
「そういえば、あの時結局確かめて証明してなかったな」
カウラ
「何をよ」
阿光
「ほら、今年の正月も、似たような事言った時「後でちゃんと確かめて言え」ってお前」
カウラ
「…あ、あれは売り言葉に買い言葉と言うか、……確かめたいの?」
阿光
「え、いやそれは。その……なあ」
カウラ
「別に、大して興味がないなら良いわよ。ありのままで良いんでしょうし」
阿光
「そりゃ興味あるよ! いやしかし、そんながっつくのも、なあ」
カウラ
「抵抗があるなら尚更ね。ありのまま主義を貫いていけば良いんだわ」
阿光
「む……い、良いっていうんなら確かめてみたい」
カウラ
「一度チャンスを逃したのだからまたの機会に期待しなさい」 (ふーん、と
阿光
「むぐ……」
阿光
「お、男にも見栄張る所ってあるんだよ、ふん」
カウラ
「……意外とチャンスの到来は早いかもしれないのだから、期待…してなさいよ」


[utako] #やや声を潜めて



阿光
「お、おう」


[TK-Leana] # ちょっと頬を赤らめる



カウラ
(流石にちょっと恥ずかしい宣言だったので、その後は言葉数少なく、帰宅してく)


[TK-Leana] # そんな感じでフィネストラまで送って幕


時系列


2012年12月

解説


お互いに割と見栄っ張りな所のある阿光とカウラの中学生カップル。

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月影れあな

ログ切り人。IRCでのNickはTK-Leana。 思いつきでキャラメイクしては一発ネタで終わることが多いため、参加者ページのキャラクターリストは出オチキャラの墓場になっている。
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