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[HA06P]狭間グルメ奇譚『空飛ぶ豚③』← →[HA06P]13th Bullet『秋音と嘉香』
投稿者: arca ( 狭間06エピソード集 : 2013-11-07 19:24:43 )
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[arca] #アネモネラウンジ
歩:(本を読みつつ紅茶を飲む
[arca] #雰囲気は完全にお客側だが、エプロンを見に付けている事で辛うじて『店主』であると認識されるレベル
リンダ:「……」
[arca] #店のマークが刺繍された紺色のエピロンを見に付けた女性がもう一人
[arca] 体育の休めの体勢ほどに足を開いて立ち、お盆を両手で抱えて店の入り口を見張っていた
歩(かけていたメガネを外して)「そんな身構えてなくても良いよ?どうせこの時間はほとんどお客さん来ないし」
リンダ:「分ってはいるけど…何だか落ち着かないのよね」
リンダ:「歩はなぜそんなに落ち着いていられる?いや、むしろ客としてくつろいでいるかの様なそのスタンス…」
歩:「ま、喫茶店に行く手間は省けるわよねー」(微笑み紅茶をすする
リンダ:「歩の持ち店なのだから文句は言えないんだが…そう言うベクトルの私物化はどうかと思うぞ?」
歩:「あら、どうして?空いた時間を時間を有効に使ってるだけよ」
リンダ:「席が空いていたら普通の店なら…そう、店の外に出て客寄せの一つでもするだろう」
歩:「よそはよそ、うちはうちです」
リンダ:「子供を諭すように面倒くさいと言うな」
歩:「本物のお母さんだってそんな気分でこう言う事言うのよ」
リンダ:「おま…世の中のお母さん一同の本音をそんなあっけらかんと」
歩:「良いじゃない。本当のこどもにはこんなこと言わないわ、こんな面白い解答が返って来る訳でもないし、かわいそうだし」
リンダ:「……」
歩:「怒った?」(ペロリと舌を出して微笑む
リンダ:「…少しな」(むすりと微笑みを返す
歩:「ごめんごめん。まだもう少し暇だと思うから、上でハクリンとフェイと一緒に休んでて良いよ」
リンダ:「いや、ここに居る。ここに居た方がだらけないで済む」
歩:「そう?」
[arca] #首を傾げつつ
歩:「ま、そう言うんなら一緒に紅茶でも飲みましょ」
[arca] #本を閉じてゆっくりと立ち上がる
リンダ:「歩はそのまま読書を続けてくれ。紅茶は私がいれる」
歩:「え?」
リンダ:「せめて、歩を客に見立てていないとまた棒立ちになるからな。接客の練習もできる」
歩:「じゃあ、お願いしようかな」
リンダ:「任せておけ」
歩:「だめだめ、私はお客さん」
リンダ:「あ、うむ……かしこまりました」
歩:「うんうん」(微笑み
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リンダ:「おまたせ…いたしました」
歩:「どもー」
[arca] #ゆっくりと、紅茶を歩の手元に置く
歩:「んー…いただきます」
[arca] #香りを楽しみ、一口
歩:「んー、私の淹れ方とはちょっとちがうみたいだけど。おいしいわ」
リンダ:「歩の味とは違うか…問題だな」
歩:「え?」
リンダ:「店の味と違うものを出しては、いくらおいしくてもダメだろう」
歩:「んー……そうねぇ」(考える
歩:「私は別に良いと思うわよ?」
リンダ:「なに?」
歩:「チェーン店とかで味が違ってたらまとまりないけど、うちはこじんまりしてるし」
リンダ:「しかし…」
歩:「もしかしたらその内、リンダのいれた紅茶が良いって言うお客さんもできるかもしれないじゃない?なんて言うか、そう言う斑を逆手にとてバリエーションにするのよ」
リンダ:「そういう考え方も……あるのか…」
[arca] #むむむ、と腕を組む
歩:「そういうものよ。さっきも言ったけどよそはよそ、うちはうち。アネモネラウンジならではの良さってものを出してかないとね」
リンダ:「ふむ…歩にものを教わるとはな」
歩:「なにそれ、失礼しちゃうわね」
リンダ:「誉めているんだ、喜んで良いぞ」
歩:「なんか偉そうね……」
リンダ:「歩が中学生の頃を思い出していただけだ」
歩:「やめてよ…リアルもこっちだった頃の話は…」
リンダ:「今も若干そのけがあるぞ。そのもこっちと言う喩えとか」
歩:「うぐ…い、良いじゃない、ラノベ読んだって、アニメ観たって!」
リンダ:「うむ構わん」
歩:「なんかそうするっと認められるのやだー…」
リンダ:「ワガママだな…」
歩:「んむー…」
リンダ:「わかった、わかったから機嫌を直せ」
歩:「はーい…」
リンダ:「…(こう言う所は昔からそのままだな。…いや、あのうつけと離れて以来少し退行したか……)」
歩:「…何か嫌な事考えてるでしょ」
リンダ:「そうだが、教えぬ」
歩:「良いわよ別に。主従の関係は生きてるとはいえ、自由意志は認めてるし。責任感もってね」
リンダ:「言われなくても分っているわ。人を常識のないように言うな」
歩:「わかってるならよろし……そろそろお客が来る頃かな。用意してくるね」
リンダ:「あい分かった」
リンダ:「……」
歩:「なぁに?じーっと見て」
リンダ:「いや、せいぜい客にうまいものを食わしてやれ」
歩:「もちろんよ」(微笑み)
リンダ:「…(いくら望まれようと、こればかりはどうしようもない。難儀)」
[arca] #歩の手際を感心しつつ、思い耽るリンダであった。
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日付
アネモネラウンジのお手伝いとして働くリンダと店主の歩。
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