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狭間06エピソード集

エピソード『バイト帰りにやくざに襲われたでござるの巻』




目次





エピソード『バイト帰りにやくざに襲われたでござるの巻』


登場人物



赫焔丸竜
最近バイトを始めた元ひきこもりドラゴン。

櫛觸一神
竜のバイト先のボス。大分ガラが悪い。


監視者


[utako] #studioCitrus、制作室



一神
(明らかに苛立たしげなオーラを振りまきながら、窓際で仁王立ちしている)

「……どうかしたの、……ですか。櫛觸、さん」

一神
「おぅ。竜……あれ見てみろ」



[utako] #くいっと顎で外を指して



「……」(隣に立って下を見てみる



[utako] #いつもは交通量のかなり少ない道路で車を見るのも珍しいが、反対車線に黒い車が停まっていた。



一神
「どこの組の野郎か知らねぇが……、事務所でもねぇのに張りやがって……こっちが一昨年問題起こしたの知って、手ぇ出せねぇと思ってやがる……」(窓を破って机を落としそうな視線で車を見下ろし、こめかみに青筋浮かべた

(組は暴力団関係の言葉だとはわかるが、制作室も事務所だろう……と的外れな事を思いつつ、一応、用心棒として車を観察しておく)

一神
「こっちから壊すな、消すな。覚えとけ」(竜の背中を叩き、鼻息荒くおさげを揺らして仕事に戻る

「……了解した」



[utako] #車の中の数人の人間が同じようにこちらを観察していたため、全員の特徴を頭に入れるまで観察していたが、これがいけなかった。

襲撃


[utako] #仕事が終わり、帰宅途中
[utako] #用心棒兼全部署雑用係+用務員の仕事には未だ慣れない。



(ため息も文句もたいして漏らすことはないが、時折武芸の役に立つのか否か、と考えて無駄な考えだと思っていた)

「(……役には立たんが、遊びのように……必要なのだ)」



[utako] #そう思えば気も楽になるが、やってる事は同じに見えても詳細全く違う人種を相手にするのは疲れるものだった。
[utako] #忘れないように取ったメモを見つつ、夕暮れの中歩いていると、後方で車の停まる音がする。



「(……電話対応、カット整理、参考資料整理、湯飲みの選別……湯飲みの絵柄については、帰宅後に主に確認を取るか……女の絵ばかり、区別がつかん……)」

SE
ゴッ

(鈍い音が脳を揺らし、始めは熱、次に痛みを感じて……ゆっくりと振り返る)



[utako] #奥から金属バッド、ナックル、そして一番間近の鉄パイプで後頭部に一撃を入れて平気な顔をしている自分を見て驚いている見た事のある顔が3つ、車に乗っていた人間達。



(メモを鞄に仕舞い、首の後ろを触るとぬるりと液体の感触がした)

「(……出血はしているが、打点を外している。数cmずれていたら致命傷だったが……ふむ)」



[utako] #用心棒の業務内容については聞いているが、それを行使すべきか悩んだ。
[utako] #はじめに敵として捉えて排除すべきなのかもしれないが、素手で凶悪な姉のほうが余程敵らしく思えた。



「(……殲滅対象としての認識はない。これは……)」



[utako] #次は腕を殴りつけてきたがそれは流石に防御して、何となく答えを出す。



「……帰宅の邪魔だ、人間。進行を妨害する気ならば……排除する」



[utako] #腰を落として構え、スイッチを切り替える。



「(……とは、いえ……焼くわけにはいかん。相手の実力も解らんが、無防備に対して奇襲に失敗する程度……これは、殴っても大丈夫なのか)」



[utako] #悩み、顔を顰めて悪人面になりつつ、じり……と少しずつ間合いを近づけると、それぞれ、同じだけ下がった。



「(……生命に問題はない手足で試してみるか)」



[utako] #2足で間合いを詰めながら、渾身の力を持って、スイングする。



SE
メキッ



[utako] #既に退散の姿勢にあった一人の肩を掠めて、拳は壁に当たった。
[utako] #コンクリートと拳、両方に皹が入ったが音は壁から。表面の塗装と薄壁がぽろぽろと剥げた。



「(……姉や師姉に見られていなくて、と多少の安堵を感じたが……、効果は有り)」



[utako] #見た目と勢いでチンピラ稼業に身を投げた素人集団を追い払うには十分だったらしい。獲物を持ったまま、逃げていくのは早かったが、車の近くに居た最後の一人から閃光が見えた。
[utako] #同時に3人、紐で引かれたように盛大に転倒する。



(殴られた後頭部がまた僅かに痛み、咄嗟に身構えた)



[utako] #また閃光が見えたかと思えば、頭が後ろへ大きく仰け反る。



「―――!?」(首が飛びそうな勢いを殺し、気を失わない様に踏みとどまる。

「(……閃光、衝撃、ダメージ箇所は額……射撃、しかし、銃ではない……)」

?? 
「……お、結構頑丈ね」



[utako] #車から離れて歩き出した。
[utako] #一本にすらりと纏めた藍色の髪、黒のスーツと皮の手袋、杖のようなものを肩に担いだ中肉中背の女性。声は高く、離れていても耳に届いた。



(警戒レベルが上がる。先ほどの素人集団と比べて、嫌な気配がした)

?? 
「格好付けせて、一発仕事させて大人にしてやろうと思ったのに。駄目だわ。そいつら。スーツ分は稼げってね」



[utako] #杖をくるりと振ると、また閃光。



(膝を、衝撃が突き抜けた)



[utako] #体重を支えられずにがくんと倒れたかけたが、また踏みとどまり、顔面を守るように構える。



?? 
「前の兄さんはどうしたの? 中々強かったのに辞めちゃった?」

「……知らん」



[utako] #また杖が回ると、閃光。



(ガードの上、同時に、腹部にも同様に衝撃が着きぬける)

?? 
「櫛觸の所のボディーガード。……後任でも、何も知らないのか」

「……知らん、が……俺に何の用だ」

?? 
「田舎ヤクザに警護何かいたら、いざっていう時邪魔なんだって、いや……あれも守人って言えば、守人なんだろうけどねぇ」



[utako] #カツン、と杖で地面を叩いてから、くるくると杖を回し始める。



?? 
「そう言う話は良いか。関係ないし……、今は君を沈めよう」



[utako] #言葉が終わる前に、杖の動きに気をつけ、膝の痛みを堪えて走る。



(多少の攻撃ならば絶えられる。全力で拳は振るわず、近づいた所で捕まえ回避を封じれば……)

?? 
「猪突猛進。悪くはないよ、本当。そう言うの大好きだ」



[utako] #閃光が、同時に5つ煌いた。



(回、避……)



[utako] #肩膝の故障では避ける事はできず、額、人中、心臓、鳩尾、金的、正確に衝撃が突き抜けた。



(意識が飛ぶには十分だった。特に最後)

?? 
「……赤点だ。本当、つまらない……異能の片鱗も見せずに終わるなんて……、これに懲りたらあのヤクザから手を引きな。次はもう少し酷いよ」



[utako] #かつん、と杖を鳴らして、チンピラを置いて一人で帰っていく。



(女の残念そうな顔だけはしっかりと目に焼きつけように、意識が完全に途切れるまで観ていた)


治療



近衛
(顎を撫でながら、片眉を上げて、片目は瞑り、唇を尖らせて変な顔をしながら窓越しに日の沈む空を見ていたが……、ため息をついて頭を掻く)

近衛
「一神の所ぁ、そんなに……妙な状況だったかねぇ」(手を叩いて開き、現れたラビβを平たく伸ばしてタブレットに。画面を操作しβを元に戻して頭の上に置くと、また一つため息を漏らした)

近衛
「……いや、前々から妙な状況といえば、妙な状況か……運がねぇなぁ、あの社長は」



[utako] #肩を竦めて、死なない程度に治した息子の帰りを待つ。

時系列


2013年3月

解説


普通にバイトしてただけなのに何故かたこ殴りにされる竜カワイソス……

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