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狭間06エピソード集
私立探偵部の日常

エピソード『カウラと祢黒』




目次





エピソード『カウラと祢黒』


登場人物



渡部祢黒
幼きドルイド。世界が狭い。

カウラアード・シルフィ・ルートスペード
学校の先輩でSRAのメンバー。


本文



祢黒
「お初にお目にかかります、星剣殿。私はヤドリギの君に仕えるドルイドにして、渡部の養い子、渡部祢黒。SRAではクックレイヴンのあざなを頂いております」

カウラ
「御機嫌よう、クックレイヴン。潤野学舎中学校担当、星剣ことカウラアード・シルフィ・ルートスペードよ。祢黒と呼んでも良いかしら?」

祢黒
「お好きなように、私は元々ヤドリギの方々に仕える巫女ですから」



[TK-Leana] # 人の血を吸って永らえる吸血鬼をヤドリギと同一視して神聖視するドルイドの一派がいるという事を知っていても知らなくてもよい感じの



カウラ
「では祢黒。まずは入学おめでとうと言っておくわ」

祢黒
「ありがとうございます。ルートスペード先輩とお呼びしても?」

カウラ
「構わないのだけれど、SRAでは貴女の方が先輩なのだから、気軽にカウラでも良いのよ」

祢黒
「学校ではルートスペード先輩の方が先輩です。それに、あなた方は私たちにとっては神聖な存在ですから」

カウラ
「律儀で良い子ね。私は貴女達の教義からは少し外れる気もするのだけれど……、まぁ良いわ。小学校などは普通に通っていたのかしら?」

祢黒
「はい。途中からですが」

カウラ
「それなら、生徒や教師との付き合い方についてはそこまで心配する事もないわよね」

祢黒
「……ルートスペード先輩は、このような都市での生活を退屈に思う事はありますか?」

カウラ
「当然あるわよ」

祢黒
「その感情に、どのように妥協していますか?」

カウラ
「そうね、私の人生において退屈、暇、つまらないと言う言葉を使わない様にする為に色々しているわよ。時には代替を持って妥協する事もあるのだけれど、それでも楽しく学園生活を満喫出来るように過ごしているかしら」

祢黒
「楽しいですか……」

カウラ
「楽しみ方は人それぞれでも、貴女も3年間を無駄に過ごすより自分のために有意義に使いなさい」

祢黒
「……有意義にですか」

祢黒
「どうもピンときません」

カウラ
「貴女、やりたい事がないの?」

祢黒
「私はずっと森と共に過ごしてきました。それで満ち足りていましたから、それ以外の事を学べと言われても、今一つ必要性を感じないのです」

カウラ
「では、将来はどうしたいのかしら?」

祢黒
「森に入って己の本分を全うするつもりです」

カウラ
「それなら、森の為に森以外の世界の事を学べば良いのではないかしら」

祢黒
「学ぶほどに人の勝手さが嫌になります」

カウラ
「他には何も見てこなかったの?」

祢黒
「他にですか……」

カウラ
「人の歴史を学べば身勝手なんて嫌程解るわ。嫌に嫌を積み重ねて森に戻って為になるのなら良いのだけれど、あまり効果を期待できるものではない気がするわよ」

祢黒
「つまり私は、嫌なものから目をそむけているだけだと」

カウラ
「逆じゃないかしら、嫌なものばかり見過ぎなのよ」

祢黒
「ルートスペード先輩の目は、その中にある良い物も映せるのですね」

カウラ
「良しも悪しも一緒に、よ。偉そうな事を言って申し訳ないわね。大きな問題を起こさなければ潤野学舎中学校担当としては干渉する事はないから、好きに過ごしなさい」

祢黒
「いいえ、ご忠告ありがとうございます」(ぺこり

カウラ
「先輩、後輩としてはいつでも相談なりのってあげるから、何かあったら気軽に声をかけなさいよ」

祢黒
「はい。その時はよろしくお願いします」



[TK-Leana] 目上の人には丁寧
[utako] 礼儀は正しい子

時系列


2013年4月

解説


潤野学舎中学校に入学し、先輩となるカウラの元へあいさつに訪れる祢黒。

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月影れあな

ログ切り人。IRCでのNickはTK-Leana。 思いつきでキャラメイクしては一発ネタで終わることが多いため、参加者ページのキャラクターリストは出オチキャラの墓場になっている。
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