ど素人から職業クリエーターまで、TRPGと創作で架空世界を楽しむコミュニティ。TRPG+PBW+キャラチャ+創作。


狭間06エピソード集

エピソード『依頼』




目次





エピソード『依頼』


登場人物



秋葉山小鉄

タクトレ同好会

藍染秋音

タクトレ同好会

渡部祢黒

探偵部

佐和山伊織

元射撃部


閑話



小鉄

(両足を開いた片手腕立て伏せをしながら、ランク昇格のメールを見てニヤニヤしている)

伊織

(小鉄の背中に腰を下ろし、頬杖をついてため息混じりにその様子を眺める)

伊織

「アンタももう少し頑張れば……Dと行かなくてもEかFまでは行けたと思うんだケドー?」

小鉄

「ふっ……くっ……、俺1人でGッスよ! G! 裏の仕事で、一歩進めて……へっへっへっへ……」

伊織

「(体作るの優先してきたケド……、観察力とかそっちのほうも訓練しとかないといけなかったかニャー)」

小鉄

「よっ、と……(腕を入れ替えて)……次はF、そしてE、Dで上がって行くンで……大丈夫ッスよ! 先輩!」

伊織

「まー、小鉄なら普通に上がって行けるっしょ」

小鉄

「オッス! ……聞いた事なかったンスけど、先輩達は幾つ位なんスか……?」

伊織

「私はB、御所ヶ谷と三城岳がC、兄貴と愉夢オネーちゃんはAで……(秋音がDなのは内緒にしておこっと……)」

小鉄

「……A。佐和山先輩達、流石ッス……」

伊織

「兄貴の方は中学上がる前からヤッてたからランクは元々高かったケド……愉夢オネーチャンと組み始めてからはトントン拍子で上行っちゃって、チョームカツいた」

小鉄

「伊織先輩も十分高いと思うンスけど……」

伊織

「私? 才能あったし、中学上がった頃には大体完成してたし? ……ちょっとPTSDってた頃もあったケド、訓練してソコソコ元に戻ったし」

伊織

「御所ヶ谷達と組み始めてからはもー敵なしヨ。敵なし。あいつ等、頭おかしーケド実力は私と変わんないからさ」

小鉄

「同じでランクC何スか?」

伊織

「あいつらも私の付き合いでやってるよーなもんだしね。任務中に美学に反するだのアニメが始まる時間だのって途中で放りだすからランクもDに落ちたりBまであがったり、ウロウロしてンのよ」

小鉄

「……俺も頑張りまッス」

伊織

「部活の方も頑張りなよ。秋音ぷんすかしてたし、お詫びのひとつぐらい用意しておいたほうがイイんじゃない?」

小鉄

「ウッス」


見学



[utako] #ウル中放課後



小鉄

(HRが終わった後、直ぐには席を立たずに携帯端末とノートを交互に見ながら何やら考え事)

秋音

(後ろから見てる

小鉄

(思いついてはメモを取り、+1P、+2P、+1P……1ランクアップ、といくつ任務をこなせば次のランクか、どの任務を受ければ効率良く上げられるか、と悩んでる)

祢黒

「何かのゲーム?」

小鉄

「いや、バイトの成績の予想……」

祢黒

「ゲームみたいなバイトね……というか、中学生でバイト?」

小鉄

「先生には黙ってろよ。……藍染も」

秋音

「条件次第かナ」(ゲス顔

祢黒

「吹聴する気は無いけれど、何かお金が必要な理由でもあるのかしら」

小鉄

(口止め料の消しゴムの角をちぎって秋音に渡しながら)「お金はまー欲しいケド……何つーか、色々挑戦してみてー年頃なンだよ」

祢黒

「挑戦は良い事だわ」

秋音

「何これゴミじゃん!」

祢黒

「どういうバイトなのかしら」

小鉄

「消しゴムで一番大事な部分をやったっつーのに……強欲な女だな。(練り練りとカスを練って固まりにしたのも渡して) 派遣みてーなヤツ。運び屋から始末屋まで、色々」

小鉄

「(荷物の配達ぐらいしかまだ一人でやってねーけど……)」

祢黒

「日本でもあるのね、そういうの」

秋音

「ネリネリしてなんか香ばしくなった塊渡さないでよ」

小鉄

「バイト代入ったらパフェぐらい奢ってやるから勘弁しろよ」

小鉄

(携帯端末を弄りながら、幾つかポイントの高い仕事を申請し……念じる。祈り始める)

秋音

「部活は?」

小鉄

「後2つぐらいランク……成績上がったら戻る」

秋音

(むすり

小鉄

(ピロリンと、申請却下のメールが幾つか来てヘニャリと机に垂れた)

祢黒

「失敗したの?」

小鉄

「聞くな……察してくれ……、小遣い稼ぎみてーな仕事じゃなくて、もっとポンポーンと高く登れるヤツがイイんだケドよー……中々受けらンねーな」

秋音

「レベルが足りないんじゃないノ」

祢黒

「その考え方は危険よ」

小鉄

「……レベル……危険……」

祢黒

「未熟な戦士は、たいてい己の身の丈の合わない仕事を判別できないの」

祢黒

「小鉄、あなたは危険を危険と判別する事が出来る?」

小鉄

(酸っぱそうな顔しながらランクに見合った仕事を申請しつつ)「藍染と渡部は危険、俺の回りの女は皆危険、女、危険」

秋音

「全然できてないじゃン」

祢黒

「女を危険としか判別できないようではまだまだね」

秋音

「われわれこの世で一番あんぜんないきものだシ」

小鉄

「かなり真理に近づいてる解答だろ……」

祢黒

「まあ、手に負えないと判別する程度の理性は持っていると言う事ね。及第点を上げるわ」

秋音

「私は良いけどイオリン先輩は危険だから気を抜いたら駄目だヨ」

小鉄

「女子ってもうライオンとかと一緒だろ……余は生まれた時から獅子みてーな……あ、思い出した。結局この間の仕事も女が絡んで散々だったンだ……チビアサシンにマスクドシリに……俺の立ち回りが悪かったのもあるケド……」

祢黒

「情けない事を言うのね」

秋音

「お前一体何と戦ってるんだヨ」

小鉄

「……もう弱い者の味方なんかしねー、弱肉強食の世界に生きて俺もライオンサイドになってやる……」

秋音

「どうせ中途半端に良い格好しようとして転されたんじゃないノ?」

小鉄

「ヤッてる最中に良い格好する余裕なんかねーよ……」

小鉄

(不貞腐れるように椅子に持たれていると、ピピピッと特別なメッセージ音が鳴る)

小鉄

「お」

小鉄

(体を起こしてメールを確認し)「あれ? さっき申請したヤツじゃねーじゃん……」

小鉄

(メールを2、3度見直して、ガッツポーズを取りかけ……また見直して、渋い顔)

秋音

「降格でもしたの」

小鉄

「いや、……申請受諾メールじゃなくて仕事の依頼が来た」

祢黒

「良い話じゃないの」

小鉄

「危険の程度が解らねー仕事なンだよ。……19時に元町X-X-Xで待機。これ俺がGランクだって知って送ってきてンだろーな……」

祢黒

「断れば?」

秋音

(こっそり自分の黒端末をいじっている

小鉄

「ポイントが良い……」(受領の送信ボタンと拒否ボタンの上で指がウロウロ



[utako] #秋音の黒端末には特に連絡は来ていない。伊織が仕組んだ事ではなさそう。



祢黒

「リスクとリターンの管理を出来ない戦士は三流よ」

秋音

「世の中そんな美味しい話はないヨ。壷とか掛け軸とか大抵呪われてるヨ」

小鉄

「勝負ができねー男も三流なンだよ。……ギリギリFランクに上がれそうな感じだし、受けてから考えてみるだろ」

小鉄

(受領ボタンをポチっと)

祢黒

「そう……」

祢黒

「男の矜持を出されれば止めるのも無粋ね」

小鉄

(送信して数秒は目を閉じて後悔や何やらしてるような微妙な顔)

秋音

「今度リスクマネジメントについて今度特訓しないとネ」

小鉄

「……オッス」

祢黒

「暇だから私もついていって良いかしら」

小鉄

「……見学はイイかもしれねーケド、怪我しても責任取れねーからな」

祢黒

「そういう仕事なら慣れているわ」

秋音

「じゃあわたしもいくー」

小鉄

(女は来るなって言いたいけど、危なくなってもコイツラいたら大丈夫だしなー……とリスクマネイジメンツッしてる)

小鉄

「……見学だからな」

祢黒

「ええ」

小鉄

「……依頼まで時間あるし、指定場所のリサーチするから帰る準備終わったら行くぞ。」

祢黒

「いつでもいいわよ」

小鉄

(万が一と言う事もあるし、と若干不安そうにしつつ……何より自分より実力が上の女子二人に見学させて失敗したらどーしよとか思いつつ、下校して現地へ向かう)


任務開始



[utako] #吹利元町、メールに書いてあった場所は鬱蒼とした雑木林に囲まれた壊れた古い祠の前だった。



祢黒

「ここ?」

小鉄

「……良いか、お前ら……変なヤツはたいてい上から振ってきたり高い所を好むから、頭上には十分注意しろ……」



[utako] #中腰



秋音

「下にもいたりするよ」

小鉄

「変なヤツはどこにでも居やがるっつー事か……」(冷や汗をぬぐいながら

祢黒

(首をかしげる)

小鉄

「……待ち伏せとか罠はない、みてーだし……安全確認よし。よし、指定場所到着確認」



[utako] #指差し確認して、なるべく壊れた祠を見ないようにしてる



祢黒

(逆に祠を観察している)



[utako] #明らかに怨念的なものが溜まって決壊寸前



祢黒

「これは危険ね」

小鉄

「俺どっちかって言えば肉体派だろ……体力派だろ……、俺に来る依頼じゃねーじゃん、バイク便捕まらなかったから誰々さん家にニシンのパイでも届けて頂戴っていう任務が今の俺のランクに見合った任務じゃん……」



[utako] #とほほー、と首を傾げながら小言



小鉄

「……19時に待機予定だから、コレは俺の任務じゃねーかもしれねーンだケド……どーにかした方がイイと思うか? コレ」(祠を丸っと指で示して



[utako] #現在の時間を17時ぐらいとして、19時まで様子を見ていたら決壊してしまいそう



祢黒

「あなたはどうしたいの?」

小鉄

「俺は出来れば、コレがメガシンカする前にどうにかしときたい……何か肩重いし」(怨念的な何かが纏わり付いてきてる

祢黒

「あなた霊媒体質よね」

祢黒

「まあそれなら対処しましょう」

小鉄

「よっし……やるか。」



[utako] #ここから弱コロコロタイム



祢黒

「と言っても、出来るの? こういうの得意じゃ無かったでしょう」

小鉄

「為せば成る、っつーわけにもいかねーけど……少しぐらいなら俺にだって心得はあるっつーの」

小鉄

「(毎日ローチ君とはっつぁんにお供えしてるし)」(自信

祢黒

「じゃあ、見学させてもらうけど」



[TK-Leana] # まあ失敗するだろうなと思っている



小鉄

「……手伝ってくれても良いンスケド」

祢黒

「手伝ってほしいの?」

小鉄

「……解った、ヤバくなったら交替で」

祢黒

「仕方ないわね」



[utako] #除霊/難易度:3、清め/難易度:4、鎮魂/難易度:5、の数段階に分けて難易度ロール
[utako] #召還:11+神通力:3/除霊/難易度:3/目標値:11/ローチ君を召還して怨念を食わせて排除
[utako] 2d6
[Role] utako -> 2D6 = [1,4] = 5
[TK-Leana] 難易度低かった
[utako] #何せ学生の底辺バイト故に



小鉄

(ローチ君―――ゴキブリの使い魔、を召還して怨念を貪り食わせてる)

小鉄

「……よし」(緊張した面持ち



[utako] #無駄に



祢黒

「もっと力を抜いていきなさい」

小鉄

「ホラーは苦手なンだよ」



[utako] #使役:11+神通力:3/清め/難易度:4/目標値:10/弱まった怨念を使役して安定化させる
[utako] 2d6
[Role] utako -> 2D6 = [3,1] = 4



小鉄

(周囲の怨念の淀みがなくなり、決壊を防ぐ事に成功)



[utako] #難易度的にはこの段階でプロが行う仕事のレベル



祢黒

「手儀は環いいわね」



[TK-Leana] 手際は良い
[utako] #召還:11+神通力:3/鎮魂/難易度:5/目標値:9/怨念を新たな地祇に昇格させ、祠を持ち直させる
[utako] 2d6
[Role] utako -> 2D6 = [3,1] = 4
[utako] #浄化終了。



祢黒

「自信満々に言うだけの事はあるわね」

小鉄

(きょろきょろと周囲を見て、あれ? 成功? と確かめ……)

小鉄

「まーなー、GランクのGはゴーストバスターのGっつーか? グレートっつーか? ハハーン」

小鉄

(心の中でガッツポーズ)

祢黒

「綺麗に事を治めたものだわ」

小鉄

(天狗になっていたが、すすす……と鼻を引っ込めて)「……、ちょっと綺麗過ぎっつーか……簡単過ぎっつーか」

祢黒

「二段構えの罠である可能性は見送ったのね」

小鉄

「罠にかけてどーすンだよ。俺一人ならかかったかもしれねーケド、渡部と藍染が着いて来た時点でそう言う企ては失敗じゃねーか?」

小鉄

(注意しつつ壊れた祠をある程度直し……お供物として帰りに食べるつもりだったパンを置く)



[utako] #リサーチするために早く来たものの、任務の依頼時間は19時から
[utako] #祠の怨念は19時前には決壊して何らかの事態を引き起こすはずだった
[utako] #祠は何らかの要因により壊されていた



小鉄

(なむなむと手を合わせて)「……パンじゃなくて消しゴムやっときゃ良かったカモ」



[utako] #グー
[utako] #10分程して小鉄の端末に、任務終了とポイントの加算をつげるメールが入る。
[utako] #晴れて小鉄はFランクへと昇格し、任務への疑問を残すままその日は解散した。


時系列


2015年春

解説


Fランクに昇格した小鉄。しかし任務には奇妙な点が残る。

The following two tabs change content below.
アバター画像
とにかく、元気いっぱい!ぶらりんぱわーではぴはぴ! 常識的な子は少ないけど、それでもあまり修正しないところがはぴはぴ!Paとジト目担はこちらです
コメント一覧

コメントはありません。

この記事にコメント

*

*

トラックバックURL