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狭間06エピソード集

エピソード『2013年夏、豪華クルージングの旅日記』




目次





エピソード『2013年夏、豪華クルージングの旅日記』


登場人物



無戸室近衛

無戸室家次期当主

無戸室ロザリンデ花梨

無戸室家関係者

西月加代子

スポンサー

東堂幹也

スポンサー関係者

高天原貴弦

無戸室家関係者

天之磐弥斗星

無戸室家関係者

天之磐貴斗

無戸室家関係者

赫焔丸竜

無戸室家関係者

影蜥蜴

無戸室家関係者

マナ

無戸室家関係者

ラビ

無戸室家関係者

四皇子ヶ峰横臥

無戸室家関係者

カウラアード・シルフィ・ルートスペード

無戸室家関係者

アーデルハイト・ノーム・ジェネシスクラブ

無戸室家関係者

マティニエント・サルマ・バースダイヤ

無戸室家関係者

鏡阿光

私立探偵部部長

月裏ルナ

私立探偵部部長

国東ジャン

私立探偵部関係者

佐藤火星

私立探偵部関係者

リュドミラ・新間

私立探偵部関係者

渡部祢黒

私立探偵部関係者

マフメロ

私立探偵部関係者

リディア・フォン・シュタイナー

赫焔丸竜の姉弟子

アンディ・キラス

影蜥蜴の使い魔


暑過ぎてパンツ



近衛

「ホランドが言ってたんだ……、男は家じゃパンツ一枚なのが当然だろうって」

ローザ

「年頃の娘の教育によろしくありませんわ。そういうだらしない様子だと『お父さんのパンツと一緒に洗わないで』とか言われる事になります」

ルナ

「むしろ今の今まで言われてないことが不思議」

近衛

「通った後にファブリーズ吹かれたりとかな……、まぁ都市伝説だと信じてるさな!」

ローザ

「……そ、そうですわね」

近衛

「考え方を変えてみようじゃねぇかい。良い面もあるだろう……洗物が減るとか、洗剤の消費が減るとか」

ローザ

「そもそもだらしが無いです」

近衛

「……もしかしてとんでもなく不評か?このクールビズスタイルは」(何の自信があって不評ではないと思っていたのか)

ローザ

「レディーの前に出る格好ではありませんね」

近衛

「……うちにはレデーが多いさな」(潔く断念してエプロン装着

ルナ

「服を着なさい服を」

近衛

「この蒸す時期に服を着てるとどうもなぁ……、これからまた蒸してくるかもしれねぇと思うと……海やらプールに行きてぇ。入り浸りてぇ……」(ちゃんと断念して服着はじめた

ローザ

「どこか避暑に行きます?」

近衛

「良いねぇ……、どこか良い所あるか?」

ローザ

「そうですね、スイスの……いえ、なんでもありませんわ」



[TK-Leana] はたと、無理ぽいなと思いいたって辞めた



ルナ

「……さすが城持ち」

近衛

「……ルナは何か良い所知ってねぇか」

ルナ

「んー、私は特に。そうだ、幹也なら知ってるかも」

近衛

「幹也がか?」(寝転がって携帯をカチカチと操作



[utako] #『避暑 行こう 良いとこ 教えて』
[SAIRU] #しばらくして返信が



幹也

『親戚に当たってみる。……この借りはデカいぞ』



[SAIRU] #メールから伝わる物々しい雰囲気



近衛

「さんきゅー、っと……何かデカい借り作っちまったんだが」



[utako] #雰囲気にたじたじ



ルナ

「なになに……。あぁ、幹也って親戚から嫌われてるみたいだから。祖母の加代子さんには気に入られてるみたいだけど」

近衛

「なるほどねぇ……、若ぇうちにちゃんと親戚とのつながりはしっかりしといた方が良いとは思うが……それよりどうやって返させられるのか楽しみさなぁ。秘密にしてぇ性癖に関わりそうな服作ったりとかなら、幾らでも作ってやんだがなぁ……」

ルナ

「幹也に殺されるわよ」

ローザ

「考えが近衛さん基準ですわね」

近衛

「頼まれごと何か滅多にねぇから楽しみなんだよ。返しがいも出てくるもんさ。……今から用意しとくか、夏パターンで2、3着試用を作っとくか」

ルナ

「その気持ちは分からなくもないわねぇ」

ローザ

「なるほど」

近衛

「子供からの頼まれごとがお小遣いを上げてくれとか髪を切れだとか、もう少ししっかりしなさいとかでも……頼まれ事は楽しいもんさなぁ」(遠い目

ローザ

「子供に言われるまでもなくしゃんとなさってください」

ルナ

「同感ね」

近衛

「パンツ一丁でうろうろしてんのは流石に反省するが……、寧ろ二人はダラける事がねぇのかと気になるさなぁ」

ルナ

「ダラけるにしても恥ずかしくない程度に」

ローザ

「最低限の礼節を心得ているだけです」

近衛

「……例えばどんな感じだよ」

ルナ

「そうねぇ、今の時期ならこういう風に」



[SAIRU] #人魚を呼び出して座るように中に浸かる



ルナ

「冷たくて気持ちいーのよ」

近衛

「そんな特有のダラけ方されるとは……思っちゃいたが、真似できねぇだろう」

ローザ

「わたくしの場合は、風鈴でも飾りますかね」

ルナ

「良いわねぇ。日本の夏」

近衛

「ダラけるって何だったか忘れそうになるが……、日本人らしくダラけてやろうじゃあねぇかい」(すくっと立ち上がり



[utako] #自室に戻って浴衣に着替えてきた



ルナ

「ほほぅ。なかなか良いじゃない」

ローザ

「近衛さん、こういう格好似合いますわよね」

近衛

「もう少し恰幅が良けりゃもっと様になるんだがな。布一枚しか着てねぇのに好評を得られる上、好感度も上がる優れもの……着物様様さな」

ルナ

「その言い方はやめなさい」

ローザ

「そんな事言いだせば、人の顔なんて皮一枚ですわよ」

近衛

「顔の皮は分厚いからましなんじゃねぇか? ……って俺が言うと、怒られそうさな」



[utako] #顔の皮の厚いやつ



近衛

「見方を変えりゃ、普通の服はボディラインの出る薄い布生地。好感度で言えば俺の中じゃ断然そっちのほうが高ぇが……脚が出せるのは楽で良いさなぁ」(壁に寄り掛かり、胡坐をかいてダラり

ルナ

「そういうのは様になるわね」

ローザ

「この中でこういう格好が一番似合わないのはわたくしですわね」(ため息

近衛

「柄だろうな。ローザは大人しい葡萄やらが好きかもしれねぇが、髪の色に合わせて異彩な沖縄着物にすると、割と合うとは思うさな」

ローザ

「ええ、あまり派手なのは……」

ルナ

「美人なのにもったいないことよねぇ」

近衛

「全くだ。それに着てぇものを着るのが一番とは言いてぇが、バイエルンの民族衣装なんかは涼しく良さそうな気がするさな」

ローザ

「ああ、近衛さんもああいう格好お好きですの?」

近衛

「好きさな。実際に見たことはあんまりねぇが、ローザには良く似合うと思うな」



[utako] #民族衣装とか大好き



ローザ

「まあ、ああいうのはわたくしも好きですけど……折角日本に居るんですから、日本のトラディショナルな衣装を着こなしたいです」

ルナ

「日本らしくて涼しい格好……。何かあるかしら?」

近衛

「そうさなぁ……着た事のねぇ女性用の甚平を着てみるとか、浴衣でも白っぽいものを選ぶとか、色々あるにはあるが……民族衣装ってのは民族に合わせて作ってある分、体型が違うとどうしても不具合が出てくるもんだ」

近衛

「詰め物をすれば幾分か大丈夫にはなるが……つまりは、問題は……胸だ」

ローザ

「そうですわねえ。私だと、大きすぎてつぶさない事には不格好になってしまいます」

ルナ

「……正直羨ましい」

近衛

「甚平だとその点はあまり気にする事はねぇが、そこはまぁ、好みだな」(内輪でぱたぱたと仰ぎ

ローザ

「隣の芝生は青い、ですね」

近衛

「俺だって身長高い奴は羨ましいと思うが……流石に25を迎えて諦めたな」

ルナ

「私なんて両方ないわよ」

ローザ

「女の子は身長が低い方が愛嬌があるとも言いますわ」



[TK-Leana] # ローザは高めなのでやはり羨ましい



近衛

「ない事にもある事にも同じく美はあるもんだが、……解っちゃいても欲しいもんは欲しいよなぁ」

ローザ

「ええ。無い物ねだりですわね」

近衛

(内輪を仰ぎながら、身長の低いロリローザと身長の高いアダルトルナを想像して、暑さを忘れる)

ルナ

「難儀ねぇ」(そんなことも知らずに

ローザ

「本当に」



[TK-Leana] # 頷く



ローザ

「所で近衛さん。いやらしい事を想像してるでしょう?」

近衛

(トリップから戻ってきた)「……やらしくねぇよ?」(慈しむような顔で

ローザ

「何を想像してましたの?」(にっこり

近衛

「ない事とある事の美について、少し」(慈しむ顔を濃くしながら

ルナ

「それってどこが有ってどこが無いの?」

近衛

「細かく言えなくもねぇが言うと言うだけ株が下がるのでコメントを控えさせていただきます」(内輪パタパタ

ローザ

「既に下がってますわねその発言」

近衛

「なん、だと……」(内輪ぽとり

ルナ

「語るに落ちたわね」

近衛

「どうやってまた上げようか……、ふむ」(内輪拾って誤魔化せた気になってる

ローザ

「むしろ、上がった事ってありました?」

近衛

「え!? あっただろ!? ……あ、あったよな?」

ルナ

「……どーかしら」

近衛

「……羊羹とお饅頭ををあげよう」(そそそ、と謙譲

ルナ

「物で釣るとは……」

ローザ

「涙ぐましいですわね」

近衛

「何と言われようと俺は水羊羹と酒饅頭に賭けていくんだ……」(おいしいよ、とメモも添える努力



[utako] #もはや小さ過ぎてあってもなくても美にならない



ルナ

「やめなさいよ。悲しすぎるわ」

近衛

「引き所が解らなくなりそうだから止めとく……」(体操座りしながらもしゃもしゃと羊羹齧る

ルナ

「そうしなさい」

近衛

(珍しく落ち込みモードで出した饅頭までもしゃもしゃ食べてしまった)

ローザ

「もう、つまらない事で落ち込まないでください」

近衛

「家族サービスに努めたりもしてきたが……何だか自信が、な……禿そう……」

ローザ

「(本人自身があるつもりだったのかとちょっと驚きつつ口に出しては言わない)」

ルナ

「ほらほら、しゃんとしなさい」



[SAIRU] #近衛の背中をポンポン、と



近衛

「……半分饅頭やろう」(パカッと割って

近衛

「もう株なんか気にせず、好きなだけ服創りも妄想もしてやる……って、今まで通りな気もするが……気のせいだろうな」

ルナ

「ありがと。って、なんだ、分かってるじゃない」

近衛

「パンツ作ってもこれで怒られねぇかな……」

ルナ

「どうしてそういう結論になるんだか……」

ローザ

「わたくしにも分かりませんわ」

近衛

「流れに乗せようと思ったが、ちょいとしくじったな」(立ち直りの早さ

ルナ

「懲りないわねぇ」



[SAIRU] #やれやれ、と



近衛

「暫くは男物の下着デザインの方に手を出してみるつもりだ。またおいそれ着てくれとは頼まねぇさな」

ルナ

「どうだかねぇ」

ローザ

「つまり、佐上さんや幹也さんに着せるんですね」

近衛

「何故バレたのか……しかしあいつらは被害者ではなく協力者枠なんです。……それでも時々は期待に応えてたまには頼む事にするか」

ルナ

「やっぱりそうなるのね」

近衛

「男物の合間に……4割ぐらいは女性物続けねぇと、モチベーションがなくなっちまうからな。必要行為なのさ」

ルナ

「よくやるわねぇ」



[SAIRU] #呆れる



近衛

「拘りがある内は退屈しねぇからな。大切だぞ、そう言うのは」

ルナ

「分からなくはないけど、程々にね」


幹也の憂鬱



幹也

「……やっぱり嫌だ」



[SAIRU] #スマホを握ってワナワナと



横臥

「断れば良いのに、……幹也も律儀だよな」

幹也

「避暑自体は嫌じゃないからな。ただ、そういう場所を知ってるのは俺が知っている限り親戚ぐらいなんだ」

横臥

「この先ずっと苦手なままで居れるわけじゃねぇんだから、嫌われてる事なんか気にすんなって。相談に乗ってもらったお礼に贈り物したり、お歳暮贈ったりで歩み寄りしていけば、その内仲良くなれると思うぜ」(ガッツ、とポーズとって

幹也

「そう単純じゃないんだよ。あの親戚は」



[SAIRU] #はぁ、と



横臥

「難しい事を難しく考えても煮詰まるだけだ。(えいえいと髪をくしゃくしゃに撫でて) 話の通じねぇ親戚じゃないんだろ?」

幹也

「……どうだろうな。俺の生まれに関係してる事だし」

横臥

「生まれは変えられねぇだろ、変えられねぇものを気にすんな。気にしすぎて身動き取れなくなっちまうのもキツいだろ。ネガティブ執事め!」(ぐしゃぐしゃー

幹也

「うわっ! 分かっちゃいるけど、血の問題っていうのはそう簡単にはいかないんだよ」

横臥

「絶対それだけじゃねえからな! 血の問題とか親戚云々抜いても根暗無愛想なガキだって思われて絶対損してんだからな、幹也は!」

幹也

「どうだかな」

横臥

「実際どうかなんか解らねえけどさ。心の持ちようだろ? それに……避暑地の相談するぐらいなんだから、そう構え過ぎるなって、な?」

幹也

「まぁ、とりあえずはばあさん辺りにでも当たってみる」

横臥

「おう! 何かあっても加代子婆ちゃんのトラの子の一声でパァッと何とかなりそうな気も……ちょっとしてくるぜ」

幹也

「なると思うけどな。だから頼りたくないってのもあるが」

横臥

「デッカイ借りが出来ても、返済手伝ってやーんよ」(にっ、と笑って

幹也

「ありがとな」(横臥の頭をわしわし、と

横臥

(頭撫でられて嬉しそうに笑って)「ま、夏休みに避暑地行けるなんて俺も楽しみだし……家族旅行みたいになりそうなのは、ちょっと惜しいけどよ」(ぼそっと

幹也

「ん? 何か言ったか」

横臥

「なーんもねえよ。」(ぷいっ

幹也

「?? そうか」

横臥

(旅行でどう惜しませてやるか考えつつ、とりあえず一緒に行ける事を楽しみにして微笑む)


突撃隣の加代子さん



[SAIRU] #ある日の昼下がりに近衛家の家のチャイムが



SE

ピンポーン

近衛

「あいよあいよっと……どちらさんですか?」(覗き穴確認せずにガチャっと扉開ける

加代子

「イェーィ!! お元気ですかー?!」



[SAIRU] #ビシィ! と親指立てて



近衛

「……」(眉を上げてきょとんとしていたが、次第に眉間を抑えながらそっと扉を閉めようとする)

加代子

「わー! 待って待って! 私だよ、加代子」

近衛

「どうも……お久しぶりです。加代子さん。変わらず自慢の御髪が派手さなぁ」

加代子

「そりゃどうも。話は変わりますが近衛さん、大事なお知らせがあります」

近衛

「その歳になって子供が出来たとか今度結婚しますとか、そんな話は幹也に聞いてねぇがなぁ……」(大事な話? と首を傾げ

加代子;「ふっふっふ、聞いて腰を抜かすなよー? なんと! 貴方達を豪華クルージングの旅にごしょーーたーーいっ!!」
近衛

(やっぱり閉めようとする)

加代子

「なんで閉めるの!」

#ガシィッ!
近衛

「金髪美女の甘い言葉に乗ると尻の毛まで抜かれるってのがうちの家訓で……」

加代子

「幹也に避暑地の斡旋頼んだでしょ。それだよ、それ」

近衛

「あ、あぁ……なるほど。そりゃどうもわざわざ。どうぞどうぞ上がってくれ。」(掌を返す様に丁重に

加代子

「解れば宜しい」

#ふふん、と中へ
近衛

「しかしまぁ……場所をどっかねぇかと頼んだが、クルージングでしかも加代子さんが来るってのは、こりゃまた一体どう言う趣だ?」

加代子

「そりゃあ私が所有する船で行くからだよ。海の上をぐるっと二泊三日、爽やかな海風に吹かれようじゃあないか」

近衛

「さらっと言ってくれるさなぁ……セレブ怖ぇ」

加代子

「まぁそんな訳だから。それなりに広い船だし、子供達の友達とかも一緒に呼んだらどうだい?」

近衛

「そりゃ嬉しい話さな。動物奇想天外でシンガポールだかマレーシアまでの豪華クルーズを応募していた俺の子供時代を振り返れば、今の子供にも良い思い出になるだろうなぁ……」

加代子

「中々可愛いことするね。本当なら世界一周とか行きたかったんだがねぇ、うちのがうるさいから」

近衛

「うるさいのに感謝しねぇとな。流石に一周はやり過ぎさな……加代子さんの船って事ぁ、加代子さんも一緒に行くのかい?」

加代子

「まぁね。バカ幹也とも色々話しておきたいし」

近衛

「……そろそろ実家に帰って来い、みてぇな話は含まれてたりはすんのかい?」

加代子

「むしろ逆だね。あの子はどうやったってうちの一族には受け入れられないよ」

近衛

「そりゃ良かった。幹也がどう思うかは知らねぇが、もう暫くは娘も幹也も吹利に居て暇な時にゃ親父と遊んで貰いてぇもんさな。歳はそう違わねぇが」(にかりと笑って

加代子

「良いお義父さんだねぇ。なんであの子の周りはこんなに良い人揃いなんだろうねぇ」

近衛

「俺が良い人なのかは悩ましい所だが、幹也に至っては人徳ってやつだろうさ。」

加代子

「あの子に人徳なんて言葉が使われるとわね。世の中分からないもんだ」

近衛

「分からねぇ事だらけだと、身に染みるさなぁ。……あぁ、ところで」

加代子

「ん? なんだい?」

近衛

「その二泊三日の旅行中……、船内プールとかで加代子さんも水着になって泳いだり、子供達と戯れたりする予定かい?」(真剣な面持ちで

加代子

「君は本当に自分に正直な男だね」

近衛

「保護者としての責任もあるが俺の夏休みでもあるんだ。楽しまねぇわけもねぇさな」

加代子

「幹也もそれぐらい素直なら良いんだがねぇ。一応その予定だよ。こっちも楽しみたいしねぇ」

近衛

「旅への期待に胸を膨らませて水着を作る楽しみが増えるさなぁ。(楽しそうに笑って) 幹也の素直さか。確かに遠慮がちだったりな感じはするが……あれはあれで、勤勉で堅実な風で良いんじゃねぇかとも思うがなぁ」

加代子

「私としてはもう少し暴れて欲しいんだがね。あの子の暴れっぷりは見ていて気持ちが良い」

近衛

「30までは可能性もあるさ。俺なんて25になったかと思うともう、遊んでられねぇなぁ……なんて焦りとも言えない何かを後ろに感じちまう……」(ブルブル

加代子

「分からないでもないがね。さてさて、私は旅行の段取りを取らないといけないからそろそろお暇するよ。そっちも準備忘れないようにね」

近衛

「あぁ。わざわざ来てもらって……ビビらせてくれて感謝するさな」(苦笑

加代子

「いい刺激になったろう? そんじゃまたねー」


コモリー4の旅行準備1



[utako] #8月某日。吹利市内の大型ショッピングモール内。



マティ

(モール内に浮かんでいるイベント広告用の小型バルーンを見上げるやる気のない顔の金髪碧眼の少年)

ハイディ

(その隣で持ち運びに便利でいつでもどこでも刺繍の出来るステッチセットをひざの上に広げて、黙々と趣味の時間に没頭する小麦色の肌をした黒髪の女性)

マナ

(さらにその向かいで、お風呂の携帯ゲーム機に夢中になっている振りをして早く帰りたいと小声で呟いている暗そうなベリーショートの女の子)


(最後に赤い髪をドレッドヘアーに纏め上げた、いかにもその筋の者と誤解されそうなほど人相の悪い顔をさらに険悪にしている男性)



[utako] #ひきこもり4人衆であった。




「……すでに1時間が経過している。……俺は、早々に目的のものを購入し、帰宅したいのだが」

マナ

「……」(こくこく、と頷く)

マティ

「つってもよぉ、兄貴。水着だ私服なんてそもそも必要ねぇわけだろ? 金の無駄、時間の無駄、俺なんか山猫の格好でいるつもりなんだからよ。一抜けで休憩してんの」

ハイディ

「同じく。私は仕事で使っている衣類がありますしそれが公共の場で支障のない事は確認済みです。それに、泳ぐ気はありません」


「……俺はそれで構わんが、4人でリストにあるものを購入する事を俺は任されている。」

マナ

「……」「こくこく」

マティ

「親父みてぇにダセェフリーサイズを人数分買って来いよ。何でも良いって言ってんだろ。仲良く4人で買い物しろなんて言われてねぇの」

ハイディ

「父上の意向にはそのような事も含まれているとは思いますが、『シンボル』であるならまだしも……、貴方方のような粗忽者とは仲良くできるとは思えません」

マナ

「……」(粗忽物は竜だけ、と言う視線をちらっと向ける)


(何だか2年ほど前の自分を見ている様で辛くなってきた)


「(いっその事噛み付いてでも引き摺って行きたいが……、この双子をどうしろと言うのだ)」



[utako] #ため息を漏らして、また振り出しに戻る。


心配性な父、近衛



近衛

(離れた場所からやっぱり見てるパパ)



[utako] #誰から貰ったのか創造主と創造物の間での感知を遮断する効果のついたパーカーを着て、顔を隠すのに丸いサングラス。



近衛

「あるぇ、あいつらあんなに仲悪かったのか……? 普段飯食ってる時は普通に話ししてんのに……、親の前以外だと冷たい、そんな兄弟姉妹関係だったのかぁ……?」



[utako] #ガクガクブルブルしながら知りたくなかった事実を知っちゃった感



近衛

「歳が離れてんのが原因かねぇ……、いや、それでも影蜥蜴は上手く馴染んでるしなぁ。個人主義な性格かと思ったら……ただそんなに仲良くなかったとか……」

近衛

「パパ泣いちまうぞ……」



[utako] #変なオーラ飛ばしながら、しばらく観察。


コモリー4の旅行準備2



ハイディ

「私達が家を出た時から追尾している父上ですが、あのままで放置しておいても構わないのでしょうか」



[utako] #主従の感知がなくとも不審者の感知はできた。その正体が近衛だと知るのも割と早かった。



マティ

「ほっとけよ。いつもの親父の病気だろ」


「……阻害するものでもない。放っておけ」

マナ

(こくこく)


「……このままでは埒が明かない。俺とマナは必要な物を購入してくる。資金の半分とリストの書き写しを置いて行こう……好きに使え。」



[utako] #封筒とメモを置いて席を立つ。



マナ

「……」(座ったまま、動こうとしない)


「……行くぞ。」

マナ

「……」(若干、視線を泳がせてから……)

マナ

「……アーデルハイトと……マティニエント……連れて行かないと……竜の……監督責任」(小声で


「ぐ……」

マティ

(口笛を吹いて、にまぁと笑う)

ハイディ

「姉上の言う通りですが、私達は構いません。生活能力、労働能力、異能において……兄上にはその責任は重いでしょう」


(ピキッ)

マティ

「ニャッハッハッハ!! 言うなよ、ハイディ。兄貴は戦闘専門のごくつぶしでも、妹がそんな事言っちゃいけねぇだろ!」

ハイディ

「偽るつもりはありません。マティ……それに、戦闘専門だと言われても、兄上はただ派手なだけ。知っていますよ。父上のWhiteLineでは1日も持たなかったと」


(ピキピキッ)

マティ

「……弱」


(マティの決めの一言で、真っ赤に燃え上がりそうになる)

マナ

「ち、違う……竜は、弱いけど、違う……!!」



[utako] #ゲーム機を置いて、珍しくマナが声を張り上げた。
[utako] #初めてまともに聞く声に、双子と竜も驚く。



マナ

「竜は……大きい人が相手じゃないと……駄目だから……、小さいと、潰して、殺しちゃうから……大きい、リディアさん、みたいなのじゃないと……戦えないんだから……」

マティ

「……それってつまり、弱点って事だろ」

マナ

「だから頑張って……人間が相手でも、殺さないように戦える様に、努力してて……それは、強いって事なの! 生まれてから成長してない、二人より全然強いんだから!」



[utako] #最後は震えながら声を張り上げてから、ぷしゅぅ……と机に突っ伏す。
[utako] #一生分の声を出したような勢い。



ハイディ

「姉上、大丈夫ですか……」

マナ

(恥ずかしいのか顔を上げず、ふるふると顔を振る)

マティ

「……俺達がまるで成長してないって言い草も酷ぇよ。姉貴」

ハイディ

「確かに、私は他に比べて早々に安定した収入を得ていますし……、マティは例の喫茶店で人と触れ合っていますので、成長がないと言われるのは……心外ですね」


「……ならば、成長の状況を解り易く周囲へ伝えるためにも、普段と違う環境にあった対応力の成果として、この買い物を成功させるべきだろう。そうすれば、マナも貴様らが成長していると理解する」

マティ

「べっつに伝える必要も理解してもらう必要もねぇよ」

ハイディ

「同じく。日々の変化は日々の中でこそ伝わるものですが……」

マティ

「俺達が」

ハイディ

「私達が」

ハイディ&マティ

「『兄弟の中で優れている存在だと知らしめるには、良い機会』」

マティ

「だな」

ハイディ

「ですね」


「……フン。」

マナ

(うーん……)



[utako] #どうしようもない双子だな、とやや諦めた。



マティ

「俺が今ウケの服がどんなのか、兄貴に教えてやるよ」

ハイディ

「私は姉上に下品ではない夏モノの水着と、世に言う旅行の正装というものをお教えしましょう」


「……やっとやる気が出たか。ならば、行くぞ……」



[utako] #マナを起き上がらせて、ぞろぞろと異様な4人は『兄弟でお買い物』の任務達成のために動き始めた。


アロハ4



[utako] そして4人揃って店員の言われるままに、売れないド派手なアロハシャツとサングラス、ハーフパンツとおまけにハイビスカスの花飾りを買わされて帰ってくる。
[TK-Leana] ダメだったw
[arca] 土産物で買うような物を……
[utako] 店員がおばちゃんだと全員対応力0になるという



リディア

「なんですそのイケてない格好」


「……フン。知らないのも無理はないかもしれないが……、リゾートでは流行っているらしいぞ」



[utako] #おばちゃんが言ってうた
[utako] #皆、アロハシャツが過去の遺物だとは知らない



リディア

「伝聞系ね。どう見てもヤクザの下っ端みたいよ」


「この様な格好の人間が集まっているのなら問題はないだろう……、心配するな。師姉の分も購入してある……思ったより安かったからな」

リディア

「私ほどの女なら、まあ着こなせますけど、決して流行りではありませんよこれ」


「おばちゃんは嘘をつかない生き物だと聞くが」

リディア

「おばちゃんにとっての本当が、真実とは限りません」

リディア

「おばちゃんのセンスが流行の最先端なら、街の若い子はみんなヒョウ柄の服着て闊歩してますよ」


「カウラが言うにはオオサカには居たらしいが……、吹利より都会なのだろう。おばちゃんのセンスとは……都会でも通用するものと言うことではないのか?」

リディア

「OSAKAは異国です」


「……なん、だと?」

リディア

「少なくとも日本の流行ではありませんね」


「……違うのか。いや、しかし……これは先取りなのかもしれない。流行の最先端のより、先を見た選択……という可能性は」

リディア

「ないです」


「そうか……、この事実は、ハイディ達には秘密にしてくれ……やや衝撃的だった……」

リディア

「誰ひとり疑問に思わなかったんですか…………」


「……俺も少し浮かれていたのかもしれん。大海と船と言うのは……初めてだ」

リディア

「いいものですよ、海も」


「……師姉は経験があるのか」

リディア

「そりゃ、海くらい言ったことありますよ。ああ、夏のアドリア海、白い月に光に映えるおねえさまのビキニ姿……」


「……それは、海の記憶ではなく水着の記憶ではないのか」

リディア

「似たようなものです」


「……そうか」



[utako] #9割水着で埋まってそうな師匠の思い出だった



リディア

「こ、今年は、太陽の下でおねえさまのやわ肌が見えるんですね。ふ、ふぉぉぉぉ! みなぎってまいりました!」


「……頼むから裸で走りまわるのはやめてくれ、師姉」



[utako] #いつかの恵方巻きの怪のように



リディア

「プライベートビーチでもない限りそんな事はしません、めったに」


「……ならば良いのだが」



[utako] #信頼しているけど所々信頼が抜け落ちてる師匠である



# まあ、羞恥心

ドラゴンレベルだし



[utako] #服なんて誤差の範囲



リディア

「まあ、竜の姿で泳ぐのはとても気持ちいいですよ。夜ならあまり見つかりませんし」


「それは……少し魅力的だ。許可が出れば……試してみよう」



[utako] #表情には出さないがワクワクしてる



リディア

「嬉しい時は笑っていいんですよ」



[TK-Leana] # にまにま意地悪げに




「……」(ひ、ひくっ、と笑う

リディア

「もう少し、笑い慣れた方がいいですわ」


(口元を手で隠して)「良い、要らん……」

リディア

「愛嬌があった方が可愛いのに」


「……そう言うものは、俺には合わん」

リディア

「そんな事無いと思いますけど」



[utako] #竜には絶望的に愛嬌が足りなかった……
[utako] #どこかの笑うと人が狂いそうな眼鏡よりはまだマシですが
[TK-Leana] 最近割と可愛いと思ってるリディア


加代子のお迎え



[SAIRU] 近衛家にバスでお出迎え
[utako] #お迎え時間前にぞろぞろとマンション前に待機で



近衛

「……また、デケェもんを」



[utako] #電車で移動ぐらいは考えてた庶民
[TK-Leana] # 参加するのってファミリー全員だっけ
[utako] #全員いきますね
[utako] #あとはカウラが私立探偵部の面子に声をかけたりしてる感じ



阿光

「思ったよりなんというか、本格的なんだな」

ローザ

「それでは、留守の間家の事よろしくお願いしますわ」(メイドたちに



[utako] 何人かはツアー会社のバスのような感覚で乗ってそうだけど、多分個人所有な予感



加代子

「みんなー、忘れ物ははないかーい?」



[utako] #「ありませーん」とそれぞれ声が上がる。学生率高いので若干修学旅行気分



近衛

「先生! 知恵と勇気を忘れてきました!」

加代子

「よーし、この子は置いていこう」

近衛

「……嘘です。ありません。連れてってください」

カウラ

「子供が見てる前で恥ずかしいコントしないでくれるかしら……」

加代子

「おや、お気に召さなかったかな」

カウラ

「友達や後輩が見ているのよ……!」(詰め寄って小声で

マフメロ

「まふ」(アレは残念なヤツだとゆびさす

リュドミラ

「見てはいけませんよ」

火星

(外国人みたいな人とどっかで見たことある眼鏡がコントしてるー、すごーいと、パチパチと拍手してる半宇宙人)

阿光

「近衛さんも相変わらずだなあ」

ルナ

「火星、あの二人は芸人じゃないわよ」

火星

「ツアーの催しの一環じゃないんだ……」(へー……と



[utako] #他の面子見る限り、国際的な交流ツアーだとか思ってる



ジャン

「さすがチンマリストン先輩の親類だなあ」

近衛

(どうもどうも、と照れながら)「じゃぁ、加代子さん続きを……」

リュドミラ

「……」



[utako] #邪魔を挟んで申し分けない、と退く



加代子

「よーしそれじゃー行くぞー」(GO! と指差して



[SAIRU] #乗り込めー! と



近衛

「お」(おー! と腕を上げかけて、咳払い。ワクワクしながら大人しく乗り込む) 

阿光

「じゃ、俺らも行くか」

カウラ

「大丈夫かしら……この旅行」



[utako] #多分大丈夫じゃないだろうと思いつつも、口には出さず乗り込む一堂



ローザ

「近衛さんったら、よっぽど楽しみだったんですね」

ルナ

「子供っぽさが際立つわねぇ」

ローザ

「可愛いじゃありません?」

ルナ

「ま、確かに」



[SAIRU] #そんなこんなで全員乗り込んで出発



幹也

「なんでこう、デカイものばかり用意するかねぇ」

カウラ

(本人が色々とデカイからじゃないかしら、とは言わない)

リュドミラ

「大は小を兼ねると言います」

加代子

「良いじゃないか。皆で楽しめるだろう」

近衛

「見てみろ! このバス便所ついてるさな!」(超楽しそう

マフメロ

(窓の外を見ている

ローザ

「大はしゃぎですわね、近衛さん」

ルナ

「静かにしなさいって」

ジャン

(zzz

火星

「(トイレ行くときは透明になってから行こう……)」(大抵の人にはバレるが

阿光

「カラオケとかありそうだよな」

横臥

(ここは中学2年生らしく大人しくしていようと思ったが、我慢できないお年頃。マイクを探してきて勝手に繋ぎ) 『一番! 四皇子ヶ峰横臥ァ! 俺の歌を聴けェェエ!!』

幹也

(ダメだこりゃ状態)

阿光

「カウラも何か歌うか?」

カウラ

(携帯に登録してる楽曲で何を歌うか探し始めてた)「え? え……まぁ、そうね……二番手というのは尺なのだけれど、何か歌おうかしら」

阿光

「聞くまでもなかったな」

貴弦

「……」(早速来た事を後悔してる最後列

リュドミラ

(騒ぎにはあまり興味はなく、マフメロの相手をしている

祢黒

「森の方が好きなのですけど」

ルナ

「海に行く前に疲れ果てそうね」



[utako] #元気だけは良かった



ジャン

「はっ、カブトムシとか居るかな」

ルナ

「海だって」

貴斗

「魚。いっぱい……見たい」(小さな鯨に変化してみんなの席の上を浮遊して泳いでいく

弥斗

「海に居るのはカブトガニッスよー」

マフメロ

「まふ!」(なんだあれ! と貴斗を指差している

影蜥蜴

「何時の時代の話だ……」

ジャン

「海しか無いって事も無いだろう。田舎だと特に」

マフメロ

(リュドミラの頭の上に乗って貴斗を捕まえようとぴょんぴょんしている

カウラ

『あら、どこに行くかは言っておいたつもりなのだけれど……、海と船しかないんじゃないかしら。豪華クルージングツアーよ。』(マイク回ってきて

ジャン

「俺しおりとか読まない主義だし」

火星

「人の話は聞かない主義の間違いじゃ……」

ルナ

「よくそれで荷物用意できるわね……」

火星

「しっかり用意させました!」(ハイッ! と検査済み

ルナ

「……もう結婚しなさいよ、貴方達」

火星

「結婚は、ちょっと……」(えへへへ……と照れながら

ジャン

「結婚したら寝る時間増えるかな」

リュドミラ

「これから現在以上に増える事はないと思われます」

ジャン

「一刻も早く冬眠できる生き物になりたい」

ルナ

「……そこまで行くと大したものね」

火星

(結婚って言ってもジャン君が18にならないと無理だし、そもそも付き合ってないし……それにジャン君、将来不安だし、生涯面倒見るのはちょっと……でも……うーん、と頭抱えてる)

ジャン

「あと、寝ながら実験とか出来れば文句無し」

リュドミラ

「ぐぬぬ」

近衛

「結婚して家族と一緒に居る時間が増えるってのは良いぞ。まだ中学生でもあと10年もすりゃ身近な話になるが……、片手で鉄のドアをぶっ壊す女性には気をつけろ。怒らせると死亡率が上がる。」(後半小声

ローザ

「ふふふ、近衛さんったら」

ジャン

「火星って鉄のドア握りつぶせそうだよな」

火星

「こ、壊せないよ!?」(全速力でタックルすれば鎧の巨人的な事はできそうだが

リュドミラ

「理論上可能ですね」

火星

「むーりー!! そんなに出力でないから! 僕の腕!」

ジャン

「リンゴは出来るよな」

リュドミラ

「いやいや以外といけてしまう物です。現在の材質では無理そうですが」

火星

「でき、ない、よ……う。」

ルナ

「はいはい、虐めない」

近衛

「あと、斧を振り回して人の頭をかち割ろうとする女子もやめとけ……、トラウマになっちまうぞ……」



[utako] #小声小声



リュドミラ

「ごめんなさいマータン」(なでなで

ルナ

「近衛、人の噂をするんだったらもう少し聞こえないようにしなさい」

カウラ

「探偵の出番が近いかもしれないわね……、豪華クルージングツアー殺人事件」

阿光

「館物か……」

ルナ

「客船だと大体ラストは爆発するのよね」

リュドミラ

「無人島に流れ着くというパターンもあります」

ジャン

「無人島かー……」

近衛

「そう言えば、私立探偵部だったな。俺が殺されたら……是非犯人を捕まえてくれ。被疑者は殺害方法で簡単に絞れそうだが、最後にクルーザーを爆破する黒幕は加代子さん以外にありえねぇからな!」

阿光

「本当に良い探偵は事件が起きる前に解決するもんです」

幹也

「頼むからまともな方向で楽しんでくれ」



[arca] #悪のり筆頭の近衛



近衛

「そうだな。忘れられない思い出になるぐらい……楽しまねぇとな」

リュドミラ

「……」(何かが取り憑いたのでしょうか

ローザ

「あら、わたくしにとって、近衛さんとの時間は一つの例外もなく忘れられない思い出ですわ」

火星

「わぁ……」(大人だぁ、と頬に手を当てて少し感動してる

カウラ

「それっていつもヒヤヒヤしてるとかいう話じゃないでしょうね……」

ローザ

「もちろんそれもありますわ」(しれ

ルナ

「忘れられないという意味では同感ね。色んな意味で」

近衛

(真っ赤になって硬直してたが)「お、おぅ。そうさな。まぁ、ヒヤヒヤするのも、思い出さな」

ローザ

「すれ違いがあっての今ですもの。全て大切な思い出ですわ」

近衛

「まぁな……」

影蜥蜴

「……すまないが、我ら中学生の前でイチャイチャするには目の毒なのでやめてくれ」

火星

(顔を手で隠して、大人だよぉ……と真っ赤になってる)

ルナ

「本当よねぇ」

近衛

「いつかこう言う時がお前らにも来んだよ! 多分!」(真っ赤になってぶらぶらと手を振って

影蜥蜴

「そんなわけで、中学生も居るこの旅行中、カップルが部屋でイチャイチャしないように。夜中に異性の部屋に行く事を禁止したいと思うのだが」(挙手)

ローザ

「個室ではありませんから、心配する必要はありませんよ」

加代子

「何なら用意するよ?」

近衛

「2人1組の部屋を想像してたが……、どんだけ部屋余ってる船動かす気なんだよ」

ローザ

「不健全な事になりそうなのが数人居ますので、却下ですわ」

加代子

「なんだ、残念」

横臥

「異性の部屋には行っちゃ駄目なんだろ。上等だぜ」

近衛

「エロ中学生は誰だ……、阿光か?」



[utako] #不健全な中学生め、と言う目で



ローザ

「なお、体がどうなろうと横臥さんは女性、幹也さんは男性とカウントしますのであしからず」

リュドミラ

「マフメロはどっちなのでしょう……」

横臥

(ガーンッ)

マフメロ

「まふ」

ローザ

「えーと、乳幼児枠で保護者の方と一緒に」

リュドミラ

「わかりました。良かったですねマフメロ」

マフメロ

「まふ」

近衛

「たまには男同士、語らって過ごす夜ってのも……良いだろうなぁ。(将来のも込みで)息子達よ」

近衛

(こいつ、成人男性組みで飲む気満々である)

幹也

「碌な語り合いになる気がしないな」

阿光

「修学旅行っぽいな」

近衛

「だな。楽しみさなぁ。早く着かねぇかねぇ、海! 船!」



[utako] #普段なら夫婦部屋を、と言いだしそうだが海とクルーザーが楽しみすぎて浮かれてる。


港に到着



[SAIRU] #港に着くと、全員が乗ってもまだ余裕がありそうな大きな客船が



近衛

「マジで船で旅するんだな……」(おおお、と感動してる

加代子

「本来はうちらが外交用に使う物なんだがね。今回は特別さ」

カウラ

「……これって、私達以外にはお客さんは居ないのかしら」

加代子

「まぁね。思いっきり楽しめるよ」

近衛

「……この船、中にはどんな施設があるんだ? 」

加代子

「プールに宴会場に大浴場、それなりに豪華かな」

マティ

(船着場の縁から海面を見ながら)「……海」


「……魚がいるぞ」



[utako] #一部は海に興味津々。



近衛

「……実は坊ちゃんだとは聞いちゃいたが、幹也……御曹司か。セレブジュニアか」

幹也

「相続できないから、ほとんど意味無いけどな」

近衛

「今回は特別か……、あんがとよ」(ばんばんと背中を叩いてにかりと笑う

加代子

「この位はやってあげるさ」

近衛

「……やっぱボンボンじゃねぇか!」

ローザ

(そうかなーと思ってる)

幹也

「この女に頼み事するとな、後が怖いんだ」

近衛

「その気持ち解らんでもないが……、どうせ後が怖いって解ってんだ。今を楽しもうじゃねぇかい! 頼んだ手前、何かありゃぁ俺も手伝うさ」

幹也

「頼もしいね」

横臥

「そ・こ・は! 俺の台詞だー!」(近衛にドロップキック

近衛

「男友達として言うところだろぉぉぉぉお!!」(ゴロンゴロン、ボチャン

加代子

「元気だねぇ」

影蜥蜴

「早く中が見たいのだが……」(荷物持ってソワソワ

加代子

「そうだね、こんな所にいても面白くないか。よーし皆乗り込めー!」



[utako] #ぞろぞろと乗船していく一同。
[utako] #海に落ちた近衛も一番最後にぬれた服を抱えて、海パン一丁で続く。



近衛

「……横臥め。最近父の扱いが……」(ぶつくさ

ローザ

「尊敬を受けられるような態度を心掛けるとよいですよ」

近衛

「……ちょっとだけ、ちょっとだけはしゃいだが、概ね最近は真面目にしてる……ぞ?」

横臥

「真面目にしててもヒーローの活躍どころを脅かすやつは海に落とされるって決まってんだよ!」(ビシィッ

影蜥蜴

「……勢いで落としただけだろう。謝っておけ、ヒロイン」

横臥

(ごめんなちゃいと一応ぺこり)

ローザ

「おしとやかではありませんしね」

近衛

「まぁまぁ……、娘に海に落とされたのも良い思い出にしよう……」(ずびび……!章題--船旅の始まり

カウラ

「それにしてもこれだけ人が居ないと……、まるで幽霊船みたいね」

阿光

「ちょっともったいないよな」



[utako] #乗客の消えた豪華客船



カウラ

「そうかしら? これだけのものを独占できると言うのは、むしろ贅沢よ」

阿光

「こういうの、賑やかな方が楽しくないか?」

カウラ

「普段が十二分に賑やかだから調度良いわ」

火星

「カウラ先輩の家族って……確かに賑やかですね」(苦笑して



[utako] #変人揃いの探偵部で過ごしているので慣れているつもりだったが、流石に驚いた。



阿光

「大家族だよな」

火星

「数もそうなんですけど……」(見た限り日本人は多いものの、同じくらい外国人っぽい人たちも居る。

カウラ

「多少複雑ではあるのだけれど、ただの変わった家族よ」

火星

(色々な家族がいるんだなぁ……と関心してる)

ジャン

「ベッドにバネはいってるぞ、バネ」

火星

「え、本当?」(よーし、僕も飛び込むぞーと構えてる

阿光

「やれやれだなあ」

カウラ

「やれやれだなぁ……じゃなくて! ちょっと、止めなさいよ。!?」

火星

(とぉー、と飛び込むと、深くマットに沈みこみ。きれいに……凄い跳んで壁に激突した)



[utako] #ビッターン



ジャン

(げらげら)

火星

(目を白黒させながら、ひっくり返り)「バ、バネ……入ってました、ベッドに……」

カウラ

「火星はそっと飛び込みなさい……、ビックリするでしょ」

阿光

「まあ、一度はやるよな、アレ」

カウラ

「私はやった事ないわよ。あんなの」(ふん、と鼻を鳴らして



[utako] #ドイツに行った際、泊まった部屋のベッドで小一時間は遊んだ



阿光

「(あ、これはあるなと思ってる)」

火星

(体を起こしてベッドの上で正座して、ぴょんぴょんと軽く跳ねて遊ぶ。無論、胸も跳ねる)

カウラ

「……くぅっ!!」

ジャン

「こうしてみると、ボインっていう理由が分かるな」

火星

「?」(ぽいんぽいん

阿光

「スプリングが痛むから、程々にしておけよ」

火星

(一頻り遊んだところで、やりきった顔)「僕の部屋にもほしいなぁ。こんなベッド」

火星

「そうだった……」(いそいそと降りて大丈夫かなぁ……とちょっと心配してる。

カウラ

「……私の心にも何ともいえない痛みが走ったわ」

阿光

「まあ、うん。頑張れ」

カウラ

「言われなくても頑張るわよ!」(げしげしとローキック

阿光

「痛い痛い」

ジャン

「ほっときゃいいのに。部長も結構要領悪いよな」

火星

「……(きっとジャン君には言われたくないと部長も思ってるよ)」 (心の声

ジャン

「何か言いたそうだな」

火星

「……まぁ、ジャン君はそのままでも良いと思うな……身長だけ」

ジャン

「なんだそりゃ」

火星

「何でもないよぉ。中身は、もう少し大人になったら良いなぁってだけ」(えへへ、と笑いながらわしゃわしゃと撫でる

ジャン

「俺はどっちかって言うと身長の方が欲しい、今すぐ欲しい」

火星

「……高い高い?」(持ち上げ

ジャン

「意味がちげー」

火星

「だって、欲しい言う割には……生活が。夜寝ないと駄目なんだよ?」

ジャン

「えー。昼で良いじゃん」

火星

「お昼は学校だよ……、ちゃんと体を休めないと身長も伸びないんだから、夜寝ないと駄目。良い機会なんだから、夜は部長と一緒にぐっすり眠りなよ」

ジャン

「へーい……まあ、夏休みだしいつ寝ても良いか」

火星

(大きくなるなー、大きくなるなー、と念を込めて撫で撫で)


海パン生活



近衛

(海に落ちたので一度シャワーを浴びてから、海パン一枚でウッキウッキとプールに行こうとしてる)

ルナ

「なんて格好で出歩いてるの、貴方は」

近衛

「よぉ。早速プール行ってみてぇんだ。ルナも行かねぇか?」



[utako] #ぺったんぺったんとサンダルの音を鳴らして



ルナ

「その前にせめて何か羽織りなさい。私達しかいないからって自由過ぎよ」

近衛

「他に客がいねぇと聞くとどうにもどう言う格好をすりゃ解らなくなっちまってなぁ……、まずったか」(ぽりぽりと頭を掻いてから、ばさりと着物を作って羽織り、慣れた手つきで帯を締める

ルナ

「風呂上がりの親父じゃないんだから」

近衛

「……まさに風呂上りの親父と同じようなもんだったが、そんなのをカウラの後輩達に見せるわけにもいかなかったな。……悪い」

ルナ

「判れば宜しい」

近衛

「……逆にルナは旅行だってのにいつもと代わり映えのねぇ格好だな。」

ルナ

「私にはこれが一番なの」

近衛

(ごそごそと袖の中から、白いワンピースやチェックのキャミソールとショートパンツのセットを取り出して) 「夏に旅行、とくれば……これぐらいの格好はして良いんじゃねぇかい?」

ルナ

「……こんな所でそんな物取り出さないで」

近衛

(光のラインでリボンと包みを作り、纏めて梱包してから、ひょいっと放る)「これは風呂上りの親父並みに恥ずかしいもんじゃねぇだろ。やるから、気が向いた着てみろよ」

ルナ

「……気が向いたら、ね」

近衛

「楽しみにしちゃいるが……、とりあえず……俺は泳いでくるさな!」

ルナ

「行ってらっしゃい」

#着物なので競歩でプールのある方へと向かっていった。
#ちなみに包みの中には何時混ぜたのか、しっかりフリルのついたセパレート水着が入っていたとか。

白いルナ



ルナ

(甲板で昨日近衛に貰った白いワンピースを着て散歩中)



[SAIRU] #時々服を見て変じゃないか確認してる



ルナ

「大丈夫よね……」

近衛

(大浴場行ってたのか、甚平着て首タオルで現れた) 「お」

ルナ

「あら、近衛……」

近衛

(少し驚いた様な表情をして、ルナを見ている)

ルナ

「その……貰っておいて何だけど、これって変じゃない?」

近衛

「いや、可愛いさな。似合ってる」(にかっと笑って

ルナ

「そう……ありがとう」

近衛

「慣れねぇものを着て、色々と気になるか?」

ルナ

「まぁ、そんなところ」

近衛

「堂々としてりゃ良いさ。変じゃねぇ。俺の見立ては悪くねぇぞ?」

ルナ

「……そう」

近衛

「麦藁帽子も一緒に用意しとくべきだったかねぇ……、明るい場所が映えるさな」

ルナ

「……いいわよ、そこまで」

近衛

(膝をついて、視線を下げて)「今度からはそう言う服も着てみると良いさ。秋は秋らしく、冬は冬らしく、変わる季節をただ過ごすだけじゃなくて、着るものから感じていくのも変化の楽しみだ」

ルナ

「そういうものかしら……」

近衛

「楽しんで見なくちゃ、解らねぇな」

近衛

(にかりと笑って、ワンピースに合いそうな水色の小さなバラのコサージュを出して差し出す)

ルナ

「……ありがとう」

近衛

「頭につけるやつだが……、これも気が向いたらつけてみてくれ。きっと似合うさな」

ルナ

(素直に付けてみる)

ルナ

「……どう?」

近衛

「……、良い感じだ。可愛いさな」



[utako] #また気が向いたら、と返されると思っていたため、照れながら少し赤くなる。



ルナ

「まぁ、たまにはこういうのも良いかもしれないわね……」

近衛

「こう良い物が見れるならその、たまに、の時には是非俺に用意させて貰えると嬉しいが……」

ルナ

「……調子に乗らない」

近衛

「これを見ちまったら、調子にも乗りたくなるさ。……それだけの魅了がある」

ルナ

(恥ずかしそうに俯いて)「あ、あんまりそういうこと言わないで」

近衛

「いつも何かと騒々しい付き合いしちまってるから……、そう言う顔は新鮮だな」

ルナ

「―――っ」



[SAIRU] #耳まで真っ赤



近衛

(ゆっくりとルナの耳元に手を伸ばして)「……あんまりそう赤くなられると、調子が崩れちまうな」

ルナ

「―――あ、貴方がいけないんでしょ!」

近衛

「俺はいつも通り、素直な言葉ばかり言ってるつもりなんだがな……」(片耳だけ出すように、髪を後ろへ流してやりながら

ルナ

「―――っ」



[SAIRU] #なんかもうなすがまま



近衛

(清涼感が増した事に少し満足して手を離し)「……流石に顔面ストレートかと思ったが、大丈夫か?」

ルナ

「……今日は特別」



[SAIRU] #ボソッと



近衛

「……そりゃ特別な日に、感謝しねぇとな。」(もう一度手を伸ばして、頬に触れる

ルナ

(もう湯気が出そうな勢い)

近衛

「……ちょっと目、閉じてくれねぇか?」

ルナ

「……なんで」

近衛

「変な事はしねぇが……見られてるとやりにくい」

ルナ

「……絶対変な事しないでよ」



[SAIRU] #言われた通り目を閉じる



近衛

「無理やりキスしたりするような男じゃねぇから、信頼してくれ」



[utako] #ルナが目を閉じると頬から顎先に手の位置が動き、少し上を向かせられ
[utako] #唇をなぞるように冷たい物が当たる。



ルナ

「!!!」(ビクッと反応する

近衛

「……よし。こんなもんか」



[utako] #顎から手を離して



ルナ

「な、何したの!?」



[SAIRU] #ワタワタ



近衛

「だ、大丈夫だ。妙な事じゃねぇ、ちょっとしたオマケさな」



[utako] #またどこからか取り出したコンパクトミラーでルナの顔を映す
[utako] #派手ではないが存在感のある薄いパールピンクのリップが唇に塗られていた



ルナ

(少し呆気に取られ)「……ありがと」

近衛

「どういたしまして、て礼を言いたいのはこっちさ。……着てくれて、ありがとな」



[utako] #心底嬉しそうに笑いながら



ルナ

「……ちょっとした気紛れよ」

近衛

「……それでも良いさ。」(腰を上げて、出していた道具を消す)

ルナ

「……ふん」

近衛

「さて……ルナはこの後、散歩の続きでも?」

ルナ

「そのつもり」

近衛

「涼みがてら、同行しても良いかい?」

ルナ

「どうぞ、お好きなように」



[SAIRU] #少し冷静になって余裕が出てきた



近衛

「どうも」



[utako] #思い返してにかにかにやにやし始めるのも時間の問題。
[SAIRU] #その度に殴られそうになる近衛
[utako] #大概可愛いので殴られてるがMではないぞよ!



近衛

「もう片方のキャミソールにショートパンツの方は、気に入らなかったか?」

ルナ

「あまり。こういう大人しい方が好きだから」

近衛

「あっちは少し派手だからなぁ。選ぶならそっちだろうとは思っちゃいたが……やっぱりそういうチョイスに落ち着くか」

ルナ

「分かってたんじゃない」



[utako] #秋冬モノのデザインのイメージを思い浮かべつつ



近衛

「普段からロングスカート履いてんだ。いきなり脚が見えるショーパンは、まぁ……選び辛いだろうが、万が一にも、ってな事もあるし、選択肢は1つより2つのほうが良いと思ってな」

ルナ

「露出が多いものは選ばないって思うなら、水着は何で入れたのよ」

近衛

「選ばないとは思っていても着て欲しいと思う物を渡したんだよ。そりゃワンピースでもショーパンでも変わらねぇ。……黙って混ぜたのは悪かったが」

ルナ

「まぁ、一応ありがと」

近衛

「……着て貰えるともっと嬉しいさな」

ルナ

(赤くなりつつ)「……別に良いけど」

近衛

「……マジか」(流石に水着は駄目かと思っていた)

ルナ

「……水着持って来なかったし、丁度良いわ」



[SAIRU] #言い訳



近衛

(ぽりぽりと頬を掻いて)「……後でプールに行こうと思ってたんだが、一緒に行くか?」

ルナ

「……」(コクっと頷く



[kurov] #近衛さんまた嫁ふやしたんか……



近衛

「……本当に大丈夫か?」

ルナ

「水着なら……」

近衛

(水着が一番露出度高いが……と若干心配になりつつも)「……、準備できたら行くか。俺は持って行く物もねぇからいつでも良いさな」

ルナ

「……ちょっと待ってて」



[SAIRU] #部屋まで取りに行く



近衛

「……特別な日、か」



[utako] #部屋の前で待ちつつ



ルナ

「……準備できたわよ」



[SAIRU] #部屋に備え付けのバスローブを羽織って出てくる



近衛

「あぁ。……ルナさん、その格好は」



[utako] #額を押さえて少し視線を外しつつ



ルナ

「下に着てるのよ。水着で彷徨く訳には行かないでしょ」



[SAIRU] #恥ずかしそう



近衛

「……かと行って、上にバスローブを着ていくのはどうかと思うぞ。更衣室ぐらいついてるだろ……下に水着を着ていくときは、上は脱ぎ易いパーカー類、下はファッションジャージか、スカートにすりゃ良い……」

ルナ

「!! き、着替えて来るっ!」

近衛

「……あいよ」



[utako] #口元に手を当てて、笑うのを我慢しつつまた部屋の前で待つ
[SAIRU] #今度は学校のジャージを着て出て来る(水着は忘れたくせにジャージは持って来た)



ルナ

「どう?」

近衛

「良いと思うさな。……初めてみたな学校ジャージ着てる所は」



[utako] #ゆっくりプールの方へ向かいつつ



ルナ

「役に立つかと思って……。こうなるとは思わなかったけど」

近衛

「旅先でジャージは何かと役に立つからなぁ……、俺も出張の時は、ジャージによくお世話になるさな」

ルナ

(段々テンパってきた)

近衛

(プールのあるデッキに出てから、男女別の更衣室を指差し)「着替えはあの更衣室で……、って……ルナ?」

ルナ

「ひゃい!?」(声が裏返った

近衛

「おぅ!? ……ちょっと落ち着け、ルナ」(ほっぺたをむにっと摘んで

ルナ

「ふぁ、ふぁいふょうふふょ」(大丈夫よ、言いたい



[SAIRU] #何とかいつも通りにしようとしてる



近衛

「よし。」(にかりと笑って、背中を軽く撫でて

ルナ

「あ、ありがと」

近衛

「ゆっくり着替えて来いよ。別に急かさねぇから」

ルナ

(コクっ)

近衛

(ルナが更衣室に入っていくのを見てから、自分も着替えに入り、すぐに出てくる)



[utako] #甚平消して海パン出すだけの早着替え



近衛

「(椅子とタオルだけでも……準備しとくか)」



[SAIRU] #しばらくしてタオルを羽織って登場



近衛

(ストレッチしながら待っていたが、ドアが開く音で視線を向ける)

ルナ

「お待たせ」

近衛

「あぁ。椅子、借りて来といたから使ってくれ」



[utako] #あごに手を当ててタオル姿を見つつ……



ルナ

「うん……」

近衛

(椅子に腰掛け)「そう緊張するなよ。俺まで固くなってきちまうさな」

ルナ

「その……、思った以上に恥ずかしくて」

近衛

「まぁ……座れよ」



[utako] #座っている長椅子の隣をポンポンと叩いて



ルナ

「えっと、じゃあ……」



[SAIRU] #ちょっと距離を開けて



近衛

(やや落ち着かない様子で、ルナの羽織ったタオルの隙間に視線がいく)

ルナ

(たまたま目が合って)「何?」

近衛

「いや……、……タオル、取らねぇのか?」

ルナ

「取れると思う?」

近衛

(立ち上がって手を差し出し)「……プールに入るには、タオルはいらねぇだろ」

ルナ

(正論なので言い返せず)「まぁ、そうよね……」



[SAIRU] #タオルを取り、近衛の手に自分の手を載せる



近衛

「……。」



[utako] #エスコートするように手を軽く握って、少し動きが止まる。



ルナ

「どうしたの?」

近衛

「……いや、似合ってて嬉しいと思ってな」

ルナ

「恥ずかしくなるからやめて」

近衛

「……それも、狙って言ってるつもりだ」(微笑んで、ゆっくりと水の中へ誘う

ルナ

「この女誑し」



[SAIRU] #軽く睨んで水の中へ



近衛

「特別な日なんだ。これは言いたくなるさ」(笑って

ルナ

「……ふん」

近衛

(ゆっくりと水の中を進み、やや深い所へ入っていく)

ルナ

「ちょ、ちょっと」

近衛

(腕をしっかりと掴んで、ルナが浮かんでいられるように支える)

近衛

「溺れねぇように支えてるから、大丈夫さ」

ルナ

「は、離さないでよ」

近衛

「あぁ。ルナもしっかり掴まっててくれ」

ルナ

「……なんでこうなるのよ」

近衛

(立ち止まって片手で支えながら、もう片手でルナの足を寄せて、水の中でお姫様抱っこ状態へ)「……こっちの方が楽だったか?」

ルナ

「よ、余計恥ずかしいわよ!」

近衛

「こう恥ずかしい思いもしたら、水着の恥ずかしさも少しは緩くなるか?」

ルナ

「……もう考えるのも馬鹿馬鹿しくなってきたわ」

近衛

「一応、成功……とするには、ちょいと冷てぇなぁ」

ルナ

「当たり前でしょ」

近衛

「……調子に乗りすぎ、か?」

ルナ

「かもね」

近衛

「ちょいと浮かれ過ぎたか……」(ゆっくり移動して、浅い所で下ろす

ルナ

「……どうも」

近衛

「……恥ずかしがっている所を弄るのは、少し意地悪だったな」

ルナ

「そういうのは直しなさい」

近衛

「悪い癖だと、反省はしてます……面目ない。」(申し訳なさそうに

ルナ

「反省しているって言うなら、誠意を見せなさい」

近衛

(水の中に誘った時のように手を差し出し)「椅子のところまで、またエスコートさせてくれ」

ルナ

(差し出された手を取り)「……よろしい」

近衛

(手を軽く握って、ゆっくりとプールサイドに戻ってから、そっとタオルをかけて髪先を軽く拭きあげる)

ルナ

(黙って拭かれる)

近衛

「……こんなに長い髪は拭いた事ねぇんだが、こんな感じで大丈夫か?」

ルナ

「……概ね良し」

近衛

(前に回って、優しく顔の水気を拭う)「……。」

ルナ

「何か言いたい事でも?」

近衛

「濡れてると艶が増す、とか言ったらまた誠意を見せねぇといけねぇから、黙っとくさな」(しゃがんで膝下を同じように拭いていく。

ルナ

「……見せなさいよ」

近衛

「今のはノーカンにしてくれると助かるんだが……」(最後に椅子の上にタオルを敷いて、どうぞ、と促す)

ルナ

「そこで逃げないの」

近衛

「逃げてるつもりは……少しはあるが、こんな感じが続かねぇかなぁ、と思わなくもねぇのさ」(椅子に座って、わしわしと頭を拭いて)

ルナ

「つまり?」

近衛

(タオルを取って、腕を組んだり、足を組んだりしながら)「つまり……は、つまり……あれだ。」

ルナ

「……何?」

近衛

「……絶対、意地悪でやってませんか? ルナさん」(膝に手を置いて、恥ずかしそうにルナの顔を覗き込み)

ルナ

「お返しよ。言いなさい、近衛」

近衛

「……ローザ達と約束してんだ、まだ言えねぇ」

ルナ

「そう。けど近衛、その言葉を私に言いたいなら……」

近衛

「……何でしょうか」

ルナ

「私の中から幹也を消して」



[SAIRU] #これ以上なく妖艶に、けど何処か寂しげな微笑みで近衛を見つめる



近衛

「……腕まで落として、長い間一緒に住んでた幹也の存在は……デケェんだろうなぁ」

ルナ

「それは貴方次第よ。それが出来なければ、私は貴方を受け容れない」

近衛

「……消すのは難しいかもしれねぇが、ルナの中の幹也の存在が潰れちまうぐらい俺の事をデカくしてみるさ。幹也はルナに取って友人としても良い存在だろ。消すなんて言ってやるなよ……」

ルナ

「消すで良いの。私の為にも、彼の為にも」

近衛

「……解った。頑張ってみるか……」

ルナ

「期待してるわ」

近衛

(頷いてから、ルナの頭を撫でて) 「……お前が聞きたかった誠意ってのは、結局答えてねぇが……今ので良かったのか?」

ルナ

「及第点ね」

近衛

「間違ってたら赤面もんだったさな……」

ルナ

「私だって恥ずかしい思いをしたんだから、お互い様よ」

近衛

「……もう慣れただろ、その格好も」

ルナ

「さぁ? どうでしょう?」

近衛

「……可愛いヘソしてるよな」

ルナ

「……少しは凝りなさい!!」



[SAIRU] #鬼の形相で近衛をプールへ吹っ飛ばす



近衛

「―――ブベゴボォッ!?」



[utako] #水切って飛んだ後に水柱があがった



近衛

(プカー)

ルナ

「……先に戻ってるわ。学習してから戻ってきなさい」

近衛

「ばぼ……」(おう、と言ったらしい)

ルナ

「まったく……」



[SAIRU] #スタスタと去っていく



近衛

(去った後に浮かんだまま仰向けになり)

近衛

「私の為、彼の為、か……」



[utako] #独白して、しばらく浮いたまま考え事をしてから戻る。


アンディの変化



アンディ

「特に白夜様と影さん両名に不評だった事が響きました」

影蜥蜴

「……モモは気にして居ないかもしれないが、白夜はそうだろう。影も傍に常時子供が居られては、やや接し難いと思っていた」



[utako] #同級生とか若干苦手な所ある。



アンディ

「そんなに童顔でしたか?20代前半の設定だったのですが……」

影蜥蜴

「……それは一体何を見本にした20代前半なのか問いただしたい所だが、元に戻ったのなら、やっと落ち着けるので言及はしない。」

アンディ

「個人的には残念ですが。ご期待に添えられたのは僥倖です」(オトナの微笑み

影蜥蜴

「む。」(うんうんと頷いて)



[arca] #前髪のクルリンが揺れる
[utako] #影蜥蜴的に心を許せる友であるので女性の方がやっぱり接し易い。



アンディ

「本日は甲板のプールで泳ごうと思うのですが、どうでしょう」

アンディ

「夜はカジノに出たいのですが、影さんの年齢で参加できるか不安なので未定ですが」

影蜥蜴

「プールは良いな。カジノは客がいないから、出るのは皆家族かカウラの所の後輩だ。問題はない。それに……バニーガールも準備済みだ」

アンディ

「そんな準備があるのですか?」

影蜥蜴

「豪華客船、カジノ、そしてバニーガール。これはセットなのだ」



[utako] #なのだ



アンディ

「……」(今流行のぜかまし風のバニーガールを妄想している

アンディ

「いいとおもいます」



[utako] #どへんたいめ!
[arca] #せめてオタク趣味と……



影蜥蜴

「だろうだろう。」(ふっふーと得意げ

アンディ

「どなたがなるのですか?」

影蜥蜴

「影が着るに決まっている」



[utako] #ごそごそとかばんの中からコスチュームを出して、ドヤァと見せる



アンディ

「……」(一瞬ん? っとなった



[utako] #残念ながら燕尾服のバニー



アンディ

「そうですか。影さんが、ですか」(ちょっと残念そうな顔で微笑む

影蜥蜴

「……なんだ。影には似合わないか?」

アンディ

「いえ、そう言う訳ではないのですが。頭の中では横臥さんの方が近かったもので」



[arca] #島風風



影蜥蜴

「横臥も着るぞ。何かすごいのを用意していたと聞いているが」



[utako] #あっちはぜかましやって連れ出されそう



アンディ

「なるほど……それは期待できますね。あとは、豊満の部ですが」



[arca] #目の輝きが戻る



影蜥蜴

「そちらの準備はしていないが……、アンディがやるか?」

アンディ

「私はやるより見る方が好きなのですが……そうですね……」(ポワンと衣装をバニーに換装する



[arca] #レオタード型のバニー



影蜥蜴

「悪くないぞ。アダルトバニーは違うな……これは谷間にチップを入れられても仕方ない」

アンディ

「恥ずかしいです」(谷間を意識しつつ

アンディ

「やる側にいた方が仲間を観察するのも不自然ではないかも知れませんね……」(もうそう

影蜥蜴

(またトリップしてるがこう言うときは放っておこう)

アンディ

「わかりました、やります」(頷く

影蜥蜴

「チップを見てウサギが跳ねるぞ。学生もいるため恐らく商品はお菓子だが」



[utako] #ポッキーが手に入ったら、すぐにポッキーゲームを挑むぞーと内心燃えてる



アンディ

「そう言ったサービスもするんですね」



[arca] #膨らむ妄想



アンディ

「私はこの抹茶マシュマロをベットしておきましょう」

アンディ

「ディーラー役も任されそうです。少し手首の運動もしておきましょう」

アンディ

(コインを器用に操り、影の襟から裾へとコインを通したり若干イタズラ

影蜥蜴

「影はルールを覚えておこう……、それで恐らく何人かは敵ではなくなる」

アンディ

「そうですね、ポーカーなどは運のゲームではありませんから……」

影蜥蜴

「あれも頭脳ゲームとは知っているが……、む」

アンディ

「降りても良いゲームはちゃんと降りる事です。それで中級者程度まではなんとかなるでしょう」

影蜥蜴

「私立探偵部はあのリュドミラとかいう子連れとルナ。フィネストラからは、近衛、……経験が豊富そうなローザ。兄弟姉妹の中では……、貴弦がいるが、あまり興味はないだろう」

アンディ

「そう言った方々には潰しあってもらうのが定石ですね」

影蜥蜴

「潰しあう馬鹿は恐らく横臥やカウラあたりだろう。あの辺りは賭け事が絶望的に下手そうだ」

アンディ

「一様言っておきますが、イカサマはだめですよ」

影蜥蜴

「ふん。影の頭脳と妄想力と複眼があればイカサマなど必要ない。」

アンディ

「複眼はイカサマに含まれますよ」

影蜥蜴

「ちょっと痒くて瞬きしたくなったときは仕方ない……」

アンディ

「皆が何らかの能力をもっていらっしゃいますから、報復をしてくるかも知れません。そうなってはゲームの楽しみがしぼんでしまいます」

影蜥蜴

「イカサマに直結する能力は流石に封印しておくが……、近衛の高次元予測能力やリュドミラが持っているだろう機械的な演算能力、記憶能力が強敵なことには変わりない」

アンディ

「スタッドポーカーなどではそうでしょうね。相手の土俵にはなるべくはいらない事です」

影蜥蜴

「影が勝負の中でどれだけポーカーの技量をあげる事ができるか……それが影の挑戦となるのだ!」

アンディ

「では特訓しておきましょう。頑張ってください」

影蜥蜴

「む。全員ズルムケフィーバーにしてくれよう」


無自覚近衛



ローザ

「最近、あからさまにルナさん落としにかかってましたから……」

近衛

「落としに……」



[utako] #普通に考えればセクハラして殴られてただけだった



ローザ

「大体そうじゃないですか。まあ、セレーナさんと同じく落ちない枠だとは思ってたんですが。中学校に行き出してから、ルナさんも少し変ったでしょう?」

近衛

「明るく、とは言い難いが大分素が出てくるようになったなぁ」

ローザ

「そこを崩しにかかるとは」

近衛

「狙い済ましたようにやってるように言われるとあれだが、別に俺がやってる事は前から変わってねぇからな?」

ローザ

「ええ、分かってます。大体近衛さんは自覚的にやってる訳じゃありませんものね」

ローザ

「そういう意味で、近衛さんに対する理解が一番深かったのはやはりニーナさんだったと言わざるを得ません。ええ、近衛さんは本当に誠実な人ですわ」

近衛

「その誠実が、素直に嘘偽りない心、みてぇな意味でも何かチクチクされてる様な気がするんだが……」

ローザ

「自分に正直ですわよね」

近衛

「まぁそうだが、……ローザはどう思う」

ローザ

「何がですか?」

近衛

「ルナの事さな。どう思ってる」

ローザ

「個人的には、好感が持てますわ。カウラさんたちも懐いてますし」

近衛

「俺がルナに言葉を伝えて、それであいつが受け入れてくれたら、ローザも受け入れられそうか?」

ローザ

「本人とも話してみないことには、なんとも言いきれませんけど。ルナさんならきっと仲良くできると思います」

近衛

(ほっとして脱力し)「……良かったさな。」

ローザ

「まあ、出来るかどうかは近衛さん次第でしょうけど」

近衛

「あぁ寂しそうに笑われると……どうにも、頑張らねぇとな」(少し独り言のように

ローザ

「ホント正直な人なんですから……」

ローザ

「いいですか、良い男は、そう言う優しさを、本当は一人だけに見せるものなんですからね」

近衛

「……悪い男ですみません」(正座

ローザ

「今更ですわ」

近衛

(もっとローザ達にも優しくなろう、と遠くを見ながら考える)


加代子の要求。船旅の代償



[SAIRU] #加代子が幹也と近衛を甲板に呼び出し



近衛

(袋を持ってぶらっと甲板に)

加代子

「よしよし、二人ともちゃんと来たね」

近衛

「どうしたよ。加代子さん」

幹也

「碌な用事じゃないことは分かる」

加代子

「ふっふっふ、君達にはこれからこの船旅の代償を払ってもらう」



[SAIRU] #わざとらしく悪い顔



近衛

「飲むのかと思って酒持ってきたんだが……、よし。何でも言ってくれ。父子で頑張っちゃうさなぁ」



[utako] #袋を置いて、どすこい、とやる気



加代子

「おーお酒かぁ。きっと必要になるだろうねぇ。……ところで近衛君」

近衛

「ん?」

加代子

「カジキマグロって美味しいらしいね」

近衛

「あ? あぁ……食った事ねぇが、美味いって聞くな」

幹也

「おい、まさか」

加代子

「捕ってきて」



[SAIRU] #てへぺろ



近衛

「親子で、釣り……いや、漁だが、……釣りか」(じーん、と拳を握り締めてる

幹也

「(なんかもう色々諦めた)竿とかは? 」

近衛

「あぁ、そうだ。道具は何かあんのかい?」

加代子

「甘い、甘いぞ! 幹也と横臥チャンの会話ぐらい甘い! 釣るんじゃない、獲るんだよ!」

近衛

「この船の中か!? すでにもう二人の時間を作って甘い甘い会話でイチャイチャしてたのか、幹也!!」

幹也

「ま、まだそういうのはやってない!」

近衛

「疑いの眼差しを向けざるを得ないが……、話は戻して、獲ったどー! するってマジか……加代子さん」

加代子

「飛び込んで来い! って言いたい所だけど、この船じゃそれは難しいからね。なので君達には単純な力仕事をしてもらいます」

近衛

「……そりゃ一体、どんな力仕事を?」

加代子

「見てりゃ分かるよ」



[SAIRU] #船の先端に立ち、弓矢を構えるような姿勢で



幹也

「……近衛、逃げるか」



[SAIRU] #嫌な予感察知



近衛

「逃げるな! こんな客船に乗せて貰えたんだ、ちった誠意を見せねぇといけねぇだろうが!」



[utako] #義理の息子と、漁がしたい! と眼に書いてある



幹也

「言ったぞ、言ったからな。これから先何が起きても俺は」



[SAIRU] #ズドンッッ!!!!
[SAIRU] #船の前方から爆発音が響き、水平線上に巨大な水柱が上がる



加代子

「ビューティホー……。さぁ二人とも! 心してかかれ!」

近衛

「―――へ」



[SAIRU] #上を見上げると小さな影が



近衛

「……こう言うのは力仕事とは、言わねぇ気がするんだが」

幹也

「――この馬鹿龍が! 近衛、相手はカジキマグロだぞ!」



[SAIRU] #ジョーズレベルのカジキマグロが槍の先端を二人目掛けて墜落してきている



加代子

「400はあるなぁ。いや、500いくかも」

近衛

「でかくても普通の生き物だ! 俺が一瞬だけ動きを止める、幹也は脳のある眼の後ろ辺りをぶった斬っちまえ!」

加代子

「何言ってんの。キャッチだよキャッチ」



[SAIRU] #キャッチのジェスチャーで



近衛

「締めちゃ駄目なのかよ!?」

加代子

「マグロは傷みやすいんだ。まずやさしく受け止めて、締めるのはその後」

幹也

「近衛、目を逸らすな! 」



[SAIRU] #マグロミサイルは正確に二人を突き刺さんと落下中



近衛

(全身を黒い布が覆い形を変えて黒いスーツを形作り、念の為に幹也のほうにも防護服らしき物を勝手に装着させる)



[utako] #頭の防具の形が三角形っぽいなのはご愛嬌。



近衛

「……嫁がまた5人になるかもしれねぇんだ、500、600のカジキマグロぐらい、軽いさなぁ!」



[utako] #策なしのガチンコキャッチ。



幹也

「重いんだよ! 落下速度考えると2トンはあるぞ!」

近衛

「……ガチンコキャッチは無理だな。うん」



[utako] #2トンはちょっと無理だった



??? 

「お困りのようですね!」



[utako] #ここは協力プレイで解決かと思ったが何か来たw



??? 

「不思議の国から、不思議を連れて帰ってきました……魔法少女、サーキュリー♪アリス!」



[arca] #きゃるーん



アリス

「えーと一人500kgとして……えい♪」(カジキに魔法が掛かる

アリス

「これで落下衝撃は半減! 約1tです。頑張ってください」



[arca] #青色のエプロンドレスに身を包んだ魔法少女はエールを送った



近衛

「ありがとよ! サーキュリー♪アンディ!」

アリス

「アリスです!」



[arca] #マグロが1.1tになった



幹也

「近衛、余計なこと言うな!」

近衛

「最後をキャッチで締めりゃ良い……、それなら!」



[utako] #両手をカジキへ向けて、空中に落下速度緩和用の空気のクッションをいくつも作る。



アリス

「ファイトー♪」(応援の舞

近衛

(さらに速度減衰させつつ)「幹也! お前……、は……何ができるんでしょうか……」(一気に心細くなったパパ

幹也

「……俺は前、熊をキャッチさせられた事がある」

近衛

「お前ら親子のキャッチボールって自然に厳しいのな……」



[utako] #おいおい、と苦笑いしつつ



アリス

「甲板に穴開けないように気をつけてくださいね!」

加代子

「幹也はキャッチうまいからなー。ついつい頼んじゃう」

近衛

「俺はキャッチされる方が多いからなぁ、嫁さんのほうがこう言うのは得意だ……じゃねぇ! おい、落下速度は殺したが、どうやって捕まえるんだ!?」

幹也

「こうなれば……。近衛、俺をアレに向けて飛ばせ!」

近衛

「勝算あんのか!?」(片手を幹也の方へ向けて

幹也

「五分五分だな……。フォロー頼むぞ」

近衛

「任せろ。パパはフォロー上手さな」

アリス

「……(大丈夫かな)」



[utako] #ぐっと拳を握りこむと、幹也の足元に土台が現れ、幹也をカジキマグロに向かって勢い良く飛ばす。



幹也

「――うおりゃぁぁぁぁ!!!」



[SAIRU] #マグロに肉薄すると槍を引っ掴み、勢いを殺して再度落下



幹也

「このぇぇぇ!! 落下速度は片付いたぞぉぉ!!」



[SAIRU] #絶叫しながらマグロと一緒に落下してくる。スピードは最初の3分の1位まで低下



近衛

(エアクッションと土台の操作を解除し、拝む様に両手を合わせると近衛の姿がブレた)『―――真人』



[utako] #近衛の黒い姿が膨らみ、その中から現れた大きな両手がカジキマグロを掴みにかかる。



幹也

「うおっ!!」

近衛

『足場は作ってやるから、上手く避けてくれよ』

アリス

(地味に甲板を保護



[utako] #幹也が飛び移れそうな空中に足場が現れていく。



幹也

「簡単に言うなよ!」



[SAIRU] #苦戦しつつ何とか足場に着地



近衛

(現出した黒い巨人の掌にカジキの吻を突き刺さるが、500kgの巨体をしっかりとキャッチしたまま、甲板の上に下ろす)

アリス

「やりましたね♪」

加代子

「おー、お見事」

近衛

『……は、離して大丈夫か? 跳ねたりしねぇか?』

アリス

「普通は引き上げる前に締めるか、そもそも引き上げないものなんですけどね♪」

近衛

『落ちてくるカジキには適応外だろう、それは』

アリス

「とにかく、お疲れ様。アリス的にはなんとか及第点かな?」



[arca] #きゃぴ



近衛

『はぁ……、大丈夫か? 幹也。どっか穴空いてねぇか?』

幹也

「生きてるのが不思議だよ」

近衛

(カジキの口元にワイヤーをかけて、船の柱に結びつけてから、元に戻る)



[SAIRU] マグロ:



近衛

「本当にな……、こりゃ、死ぬほど疲れた……」

マグロ

(ビチビチ)

アリス

「活きが良い〜」

近衛

「……なんだこりゃ。本当に魚か?」



[utako] #初めて見る



加代子

「一番デカイやつを打ち上げたからねぇ。我ながら良い目をしている」



[SAIRU] #得意げ



近衛

(余力も残り僅かという具合で、どさりとその場に座って、右手を口に手当て)「ったく、見事なもんだよ。」



[utako] #楽しげに笑って



幹也

「近衛のほうは大丈夫か?」

近衛

「手ぇ切ったぐらいだ。大丈夫さな」(カジキの吻が刺さった巨人の手と同じ場所から、たらたらと血が出てる)

アリス

「治して上げましょうか?」

加代子

「おやおや。それは大丈夫じゃないだろう」

近衛

「治療やら回復やらの術は体質的に合わねぇんだ。これぐらいなら何日かで治るさな」



[utako] #右手を掲げると小さな穴が開いていたが、裏表を見て……



近衛

「……唾つけると、反対側から垂れてくる」

加代子

「あーぁ、見せてみな」

近衛

「本当に、魔法やら術やらで治療するなよ……頼むから。包帯と消毒液があったら貸してくれりゃ良いから……」(めっちゃ不安そうに手を見せる

アリス

「これ、ウォッカね。後包帯」



[arca] #ぽいぽい



加代子

「こういうのはね、ちょいっと」



[SAIRU] #穴の上を指でなぞる。すると穴が消え、血も止まった



加代子

「はいOK」

近衛

(体質的な副作用で自我が飛ぶかとやや覚悟したが、掌を見て、周囲を見て……)「……何したんだ、加代子さん」

加代子

「んー、まぁ一言で表すのなら」



[SAIRU] #ちょっと溜めて



加代子

「加代子さんに不可能はないのです!」



[SAIRU] #ドヤ顔



幹也

「(殴りてぇ)」

近衛

「説明はしょっただけじゃねぇかよ!!」

アリス

「……(何だかはぶられちゃったわ)」

加代子

「はっはっは、まぁお礼を言うなら私よりこの子に良いな」(アン……アリスのほうを向いて

近衛

「誤魔化したぞ、お前の母ちゃん、誤魔化したぞ……(幹也を横目に見つつ) そうだな……、速度緩和は助かったさな。アンス」



[utako] #まざった



アリス

「速度緩和じゃないですよぉ? ただ軽くしただけです。あと、アリスです」

幹也

「ウォッカと包帯使ったって事だろ? この馬鹿龍」

近衛

「……どう言うことなの、幹也君。パパにも解り易く」

加代子

「幹也、空気を読みなさい。今私すごーい人で終われる筈だったのに」

アリス

「なんとなくわかりましたぁ」

加代子

「はい! アッちゃんどうぞ」



[SAIRU] #クイズ番組の司会調



近衛

「俺、何されたんだ……包帯とウォッカで何で傷が塞がるんだ、ラブリーアリス……」

アリス

「アリスです、それ紛らわしいです! ……ラブリーじゃなくてサーキュリー♪です!」

アリス

「……とにかく、応えは簡単です。ウォッカと包帯を使って普通に治療したんです」

加代子

「正解! アッちゃん優勝」

アリス

「過程を何らかの方法で圧縮して結果だけをここに体現する。けっこう難しい事ですけど」

加代子

「模範解答だね。この子は将来大物になるよ」

近衛

「そう言われると解りやすくて助かる。ちなみに言っとくが、そこのアリスさんは……既にかなり良いお歳さな」

アリス

「あ?」(ナイフを背中に突きつけるような視線

近衛

「主のそのまた主は、友達の友達みてぇな扱いだな! 地味に付き合い長ぇのに!」

アリス

「やだもー、アリスったらうっかり♪」(目は笑っていない

アリス

「あと、あなたとは初対面ですし? 通りかかっただけですし?」

近衛

「……そうでした。すみませんでした。」

近衛

(とりあえず副作用も出ないので安心して)「そう言えば、結局このカジキはどうすんだ? 丸々一匹活き作りにでもすんのかい?」

加代子

「そうなるかなぁ。今日の夕飯はこいつで決まりだね」

アリス

「ちょっとストレス溜まったので締めるのアリスに任せてもらっていいですかぁ?」

加代子

「思いっきりやっちゃいなさい」

アリス

「わぁい♪」(アンカーすちゃ

近衛

「皆に出す前に味が心配なので、持ってきといた酒を飲みながらちょいと味見する分が欲しいです!」(挙手

アリス

「はい、どうぞ」(なんか加代子と幹也の分は普通だが、近衛のはなんかグロイ部分

近衛

「……アッちゃん、これどこの部位。てか食えるのか?」

加代子

「食えるんじゃない? 味は別として」

アリス

「アリスです。近衛さんのためにとっておきの部分を切り出しました。場所は秘密です♪」



[arca] #味もグロイがまずくはない。でもグロイ



近衛

「初めての親子のレジャーがこんな結末とは……」(酒を注ぎ注ぎ、もそもそ食べてる。

アリス

「晩餐にはちゃんとした所をだしますよ」(若干素のしゃべり

近衛

「いいさいいさ、次はちゃんと川で釣竿使って釣ってやるさなー!」(かー、と飲みつつ

アリス

「がんばってね、お父さん♪」

近衛

(文句は言いつつ、3人で掴まえた巨大なカジキを眺めてる姿は割りとうれしそうであった)

アリス

「……(私は一体なにやってるんだろう。なんで変身したんだろう)」

近衛

「(てっきりルナの事で何か言われんのかと思ったが……、これはこれで、大変だったかねぇ)」

アリス

「さて、アリスはそろそろ夢の国に帰りますね」

近衛

「あぁ。手伝い、あんがとな。あと、包帯とウォッカも」(怪我をしていた方の手を掲げて

アリス

「不思議の国はあなたのすぐ近くにあります♪またあいましょー」(ふわりと飛び上がり、開いた空間に消えていく

近衛

「……」(シラフでやってるのは凄いなぁ、と素直に感心してる)


船の探検と将来と夜の相談



阿光

「しかし、普通に豪華客船だなこれ」

カウラ

「探検して回るにも流石に広いわね」

阿光

「伝声管とかあるんだよな、船って」

カウラ

「今の船にもあるのかしら……」

阿光

「あった方がロマンチックじゃね?」

カウラ

「伝声管で愛でも囁くの?」

阿光

「電話より素敵だろ」

カウラ

「会話をする事自体は素敵だとは思うのだけれど……、ロマンを通り越して少し馬鹿っぽくないかしら」

阿光

「そうか……」



[TK-Leana] # しょぼん



カウラ

「やってみると意外と素敵なのかもしれないのだけれど……、私にはいまいちそのシチュエーションが想像できないわ」

阿光

「まあ、俺もイマイチイメージできないが」

カウラ

「昔の恋人同士はもしかしたら使っていたのかも、と想像するところにロマンを感じましょう。私達が使うには、時代が違いすぎたわ」

阿光

「やはり愛の囁きにもTPOというものがあるという事か」

カウラ

「いつも言ってるでしょ。ロマンチックにはそれなりの状況が必要だと……、今回の状況で想定するなら、そうね……」(少し俯いて考え

カウラ

「夜は異性の部屋に行ってはいけない、と言う事だから代わりに夜は伝声管で会話する……とか。できるかどうかは解らないのだけれど、できたら少しはロマンチックだと思うわ」

阿光

「とりあえず、探険中にちゃんと使える伝声管を見つけたら、それやろう」

カウラ

「やるのね……」

阿光

「やらないのか?」

カウラ

「ちゃんと、使える伝声管があったらよ。他のところに音が漏れないような伝声管でなければ……やらないわよ」

阿光

「なかなか難しい条件だなあ」



[utako] #もし夜中の会話なんか聞かれたら次の日海に飛び込みそう



カウラ

「それに……夜中に出て回るのが私達だけとは限らないのだから、見つからないようにするのも大切よ」

阿光

「お互いさまって奴になるんじゃないか、それは」

カウラ

「……明らかに恋人との時間を過ごそうっていう前に人に会うのは恥ずかしいのよ!」



[utako] #つっぱりつっぱり、と肩を押して



阿光

「じゃあ、その辺も考えてきちんと道を把握しとこう」

カウラ

「……そうね。それも探検の内として楽しみましょ」

阿光

「さて、夜までにどこまで探検できるかな」

カウラ

「この豪華客船の秘密を暴いてあげるわ。……お爺様の名にかけて!」

阿光

「カウラのお祖父さんってどんな人なんだ?」

カウラ

「ローザの、お母様の父親の方になるのだけれど。吸血鬼だから見た目は若いわよ」

阿光

「別に探険家ってわけじゃないのか」

カウラ

「話に聞く限りだと……そう言う面もあるかしら。冒険家とか、お母様は幼い頃によく連れていって貰ったらしいわ。お父様の方はもう死去されてるらしいから、よくは知らないわ」

阿光

「冒険家か……いいなあ、そう言うの憧れるよな」

カウラ

「趣味でやる分には良いのだけれど、目指すのはやめなさいよ」

阿光

「ああいうのって写真家とか、物書きとかが本業の肥やしにやるもんだろ」

カウラ

「海底探索などの研究成果で生計を立てている人たちも居るわよ。その副業で本を出していると言う教授の話を聞いた事があるわ」

阿光

「パッと思い浮かぶ所で言うと、ムツゴロウさんとか」

カウラ

「特殊な部類だとは思うのだけれど……、生計を立てられるだけの仕事になれば十分だと思うわよ」

阿光

「問題は夫婦でやらないと、ずっと単身赴任になってしまうところだな」

阿光

「どうだカウラ、一緒に冒険家やるか?」

カウラ

「やっても良いのだけれど、私は子供が出来たら『お父さんはお母さんと一緒にいるよりも冒険してる方が好きなのよ』と言い聞かせて育てる決心をするわよ。」

阿光

「子育てしながら冒険できないもんな。仕方ない、冒険家は諦めよう」

カウラ

「だから趣味にしておきなさい。副業が冒険家というのなら、家族で一緒に冒険するのも悪くはないわ」

阿光

「家族旅行だな、それは」

カウラ

「あら、観光と冒険は違うでしょ。重要なのはそこよ」

阿光

「子連れになるとあんまり危険な事もできなそうだし」

カウラ

「初めから危険な事をする必要はないわ。子供の育成を念頭においての冒険よ……二人で冒険するのが良いなら、暫くはそういう計画は凍結しておいても良いのだけれど」

阿光

(少し考えて赤くなる)「まあ、子供はどうせいずれ自立するだろ」

カウラ

「自立するのを待ってから、と言うなら異論はないわ。少々気の長い話なってしまうのだけれど……って、何故顔を赤くしているのかしら」

阿光

「いや、具体的な将来設計の話になると、何かちょっと照れるなと」

カウラ

(軽く寄りかかって)「……私は、割と……そう言う将来設計を考えるのは好きよ」

阿光

「俺も、嫌いじゃないが……」

カウラ

「冒険家になろうと言う人の台詞だと、少し怪しいわね」(くすくすと笑って

阿光

「計画性は大事だしな」

カウラ

「あら……、貴方の計画では今のところ私との将来はどうなっているのかしら?」

阿光

「す、少なくとも子供は学校卒業してからだな。大学は行くんだよな?」

カウラ

「当たり前でしょ! (真っ赤になって、肩に頭突きしておでこを抑える) ……当然、大学も行くわよ」

阿光

「収入も安定してからとなると、10年は先の話になるだろうな」

カウラ

「大学出て就職して……2、3年経った頃だとそれぐらいかしらね。私にとっては人生の倍の時間だわ」(楽しそうに微笑んで

阿光

「男の子か、女の子か、これが問題だ。どっちでも楽しみだが」

カウラ

「私はどちらでも良いのだけれど、どこがどう二人に似るのか……楽しみだわ。男の子のなら母親に似たり、女の子なら父親に似ると聞くのだけれど……女の子になると先行きが少々不安だわ」

阿光

「まるで俺の先行きが不安みたいな言い方だな」

カウラ

「そう言うことじゃないわよ。ほら……警戒心の薄い男子のファーストキスを奪ったり、入学してからすぐに孤立したり……変な部活を立ち上げたりしたら、どうしようかしら」

阿光

「入学してすぐ孤立しそうなのは男の子でもだろ」

カウラ

「あら、男の子だったら何の心配もないわよ。孤立している女子に声をかけて、結果惚れられてしまっても、母としては誇らしいわ……」

阿光

「声かけたの俺からだった気がするんだが」

カウラ

「そうだったかしら……、記憶が曖昧だわ」(わざとらしく首をかしげて

阿光

「まったく……む」



[TK-Leana] # と、空を見上げて気付く



カウラ

「どうかしたの?」(と、一緒に空を見上げて

阿光

「鳥が一匹だけ飛んでる。群れからはぐれたのかな、あれ」

カウラ

「カモメではないなら……、何かしら」

阿光

「鷺か……いや、それにしてはでかいな。鶴? なんか咥えてるな」



[TK-Leana] # 段々近づいて来る



カウラ

(少し身を乗り出して目を細める)



[TK-Leana] # 口に籠を加えた鳥が、徐々に近づいて来る
[TK-Leana] # 丁度すれ違いざまに、ぼとっと籠を落として、
[TK-Leana] # そのまま飛び去る



阿光

「……あ、分かった。あれコウノトリだ」

カウラ

「あまり解りたくない所ではあったのだけれど……、ついでに籠も落として行ったわよ」

阿光

「あんまり、覗きたくないところだけど……おい、泣き始めたぞ」


「おぎゃあ! おぎゃあ!」

カウラ

「全く……、はいはい、泣いてる子はどこでちゅか?」(籠にかかっているスカーフ? を取って確認する



[TK-Leana] # 予想通りというか、赤ん坊だった



カウラ

「……ちょっと、今のコウノトリ捕まえて来なさい。」

阿光

「お、おう。栄光の王冠を我が手に――」



[TK-Leana] 速やかに変身して、超速で追いついて、捕まえて来る



コウノトリ

「ギャー! ギャー!」

カウラ

「さて……この赤ちゃんはどう言う事なのか、説明して貰いましょうか。はい、翻訳」

阿光@羽

「ちょ、ちょっと待て。翻訳できる姿に変身しなおすから」

阿光

(ぼわん)「よし、これでいけるか。とりあえず、説明しろ」

コウノトリ

『え、なに。ボク仕事してるだけなんすけど、なんで捕まえられてるん?』

カウラ

「仕事先を間違っているわよ。何で私達の所に運んでくるのよ!」

コウノトリ

『え、子供のいないカップルっすよね。十分対象じゃないスか』

カウラ

「配達先を間違えたのなら良かったのだけれど……これはもはやベイビーテロではないかしら。」

コウノトリ

『子作りなんて昔からテロみたいなもんスよ』

カウラ

「幸せを運ぶ動物がこんな意識で仕事をしていたなんて……眩暈がしてくるわね……、私達は今すぐ子供が欲しいと言うわけではないのよ?」

コウノトリ

『ボクに言われても……』

阿光

(赤子あやしつつ、通訳に徹してる)

カウラ

「と言う事は、私達に配達するように言った者が居るのかしら?」

コウノトリ

『システム的なもんっすから、誰がって訳でもないっスね』

カウラ

「自動的なんてさらに厄介な……、クーリングオフは聞くのかしら」

コウノトリ

『そんな、人間を商品みたいに扱えるわけないでしょ。全く最近の若いママは』

カウラ

「赤ちゃんを籠に入れて配達してきたトリに言われたくないわよ!! 焼き鳥にしてあげようかしら!?」

コウノトリ

『で、伝統ですもん。仕方ないですよ』

カウラ

「はぁ……、駄目だわ。配達員にいくら文句を言っても解決しない問題だわ」

阿光

「とは言え、どうするこの子……流石に、経済的にきついぞ」

カウラ

「私は貯金があるからカバーできる、とは言いたいのだけれど……学生をやっているし無理よ。ここは別のカップルに再配達を以来するのが一番だとは思うのだけれど……」

コウノトリ

『ちょ、まずいっすよ、DNA鑑定でバレますから』

カウラ

「ちょ、ちょっと待ちなさい。DNA鑑定でバレるって……この子、れっきとした私と鏡君の子供なの!?」

コウノトリ

『はい、そりゃ、まあ。流石に我々も余所の子を配達はしませんよ』

阿光

「……男の子かな、女の子かな」

カウラ

「私のDNAを持っているって貴弦お兄様の差し金じゃないでしょうね……、そこ! わくわくしながら赤ちゃんの性別確認しないの!」

阿光

「お、おう、すまん」

コウノトリ

『もっと抽象的な存在の差し金ですよ』

カウラ

「それはそれで聞きたくないわよ……、システム的な恩恵を与えてくれる何かなんて、にゃんこ先生の方が幾分もましだわ……」

コウノトリ

『そ、そっすか。じゃ、用事が済んだならこの辺で』

カウラ

(ダークボムで首輪とリードをつくり、ガシャンとコウノトリの首に嵌める)

カウラ

「……逃げたら起爆させるわよ」

コウノトリ:『あ、あのー。これじゃ帰れないんすけど』
カウラ

「私達がこの赤ちゃんをどうするか決めるまでは拘束するわね。心配しないで、雨が降ったら不憫に思ってあげるし、食事も与えてあげるわ」

コウノトリ

『そ、そんなー』

カウラ

「……それで、どうしましょうか。この赤ちゃん」

阿光

「放っておくわけにもいかないだろう……万一の事を考えても、親に相談するのが無難か」

カウラ

「そうね、こう言う時相談できる親で良かったわ……」

阿光

「万一の時も、なんとかなっちゃいそうなのが逆に怖い。とりあえず、どうしたいか方針は決めておこう」



[TK-Leana] # 1、赤ん坊を無かった事にする 2、赤ん坊を保留にする 3、赤ん坊を頑張って育てる



カウラ

(書かれた案を見て)「1であれば助かるのだけれど、コウノトリの……大元に返還が難しい以上は2か3。3は……まぁ手がない事もないとは思うのだけれど、私としては赤ちゃんをこのまま時間凍結させる事で、私が16歳になるまでは保留するのが良いと思うわ。」

阿光

「俺も2が無難かと思う……16歳って、実年齢でだよな?」

カウラ

「そうよ。私が来年の誕生日を迎える時に凍結を解いて……、それから育てましょう。色々と、順序というものが必要だわ」

阿光

「まあ、その辺の手順も含めて、相談しよう」


私たち、赤ちゃんができました



ローザ

(ひとしきり呆然としたのちハッと我に返る)「と、とりあえずミルク! おむつ! 船の上にあるかしら!」

リュドミラ

「マフメロので良ければ使ってください」

近衛

(頭痛を我慢するように額に手を当てて、指をパチンと鳴らすと、ベビーベッドと育児用品のセットが現れる)

ローザ

「お、お気づかいどうも……便利ですわね、近衛さん」

近衛

「ミルクは構成が解らねぇからどうにもできねぇが、後輩ちゃんのものを借してくれ」

近衛

(赤ちゃんから創造物を育てたわけではないが、これでも12人のパパだった)

リュドミラ

「しかし、何かの間違いではないのでしょうか?」

カウラ

「このアホウドリが言うには……所謂天からの贈り物、という所らしいのだけれど。ちゃんと調べない限りは信頼できないわ……」

近衛

「こうもまだ小さいと似てる似てないって所はまだ解り辛いが……」

ローザ

(きっとアホウドリを睨みつけて)「本当ですの?」

コウノトリ

『子供欲しそうにしてる人に届けてるのに、横暴だ。弁護士を呼べ』

ローザ

「なにか、弁護士を呼べとわめいてますわよ」

近衛

「こんなガキ二人に赤ちゃんを届けるなんて、略式軍法会議にかけて明日の朝には魚の餌にしても良いぐらいだが……」

マフメロ

「まふ」

ローザ

「ていうか、子供欲しかったんですか、お二人……」

カウラ

「10年後の将来設計の話をしていただけよ! ……それが、はぁ……」



[utako] #珍しく参った様子で項垂れてる。



阿光

「欲しいか欲しくないかで言えば、そりゃあ欲しいですけど、現実的な問題が……」

リュドミラ

「よくわかりませんが、将来設計以前の問題に発展しつつありますね」

カウラ

「当たり前よ。今の私達に育児なんて出来ないもの」

阿光

「ああ、仮に無理に時間を作って育てたとして、子供のために満足のいく環境を用意できる自信は流石に無い」

ローザ

「ちょっと失礼……」



[TK-Leana] # 赤ん坊の指をくわえて、血を一滴舐める



赤子

(きょとん)

ローザ

「……阿光くんのは分かりませんけど、カウラさんの血は確かに引いてますわ」

リュドミラ

「原因はこのコウノトリか、それを使わした者と言う事になるのでしょうか」

リュドミラ

「ずいぶんと慌てん坊さんですね」(頷く

ローザ

「そもそも、子供の出来るような事はしてないんですわよね?」

カウラ

「当たり前でしょ!」

阿光

「誓ってそう言う事はしてません!」

ローザ

「どういう原理なのかしら……」

阿光

「カウラ、魔術的に何か分からないか?」

カウラ

「赤ちゃんに対して魔術なんて使いたくないわよ……、それに原理は解らなくても、創造する事ができるのは……そこにも居るじゃない」

リュドミラ

「未来から拉致されてきたという可能性もありますね」

ローザ

(近衛を見て)「念のために聞きますけど、これも無戸室家の関係する何がしかの現象という事は無いですわよね」

近衛

(ぼりぼりと頭を掻いて、顔にお面をつけてから……赤子を覗き込み)『……いや、違うだろう。似たような子供は作れても、俺達に孫までは創れねぇさな』



[utako] #顔を近づけると赤ちゃんがぐずり出してしまう。



赤子

「ふえ」

カウラ

「ちょっと、お父様! 怖がるでしょ!」(ドーン

近衛

(お面を解いて)「わ、わりぃ……」

赤子

「ぎゃあああああお」

カウラ

「あぁ、もう……ほら……あいあい、怖い面付は消えまちたよぉ」(そぉっと抱っこしてあやし始める

赤子

「うぎゃああああ」



[TK-Leana] じわじわと、産着の下の方が湿って行く



カウラ

「あやし方が下手なのかしら……ミルクかしら……、……おしめだわ」

リュドミラ

「手伝います」

ローザ

「折角ですので、カウラさんにやってもらいましょう。布おむつの替え方は分かりますか」

カウラ

「助かるわ……、えっと……オムツってどうつけるのかしら」

リュドミラ

「まずおむつを外し、おしりを掃除してあげてください。おむつの方は準備しておきます」

弥斗

「そうそう、初めは誰でも看護婦さんに習うんスから、できる人が教えながらやるんスよー」

カウラ

「え、えっと……これを解いて、掃除ね……このウェットティッシュで良いのかしら……」

阿光

「さ、流石に俺もおむつを替えた事は無い。光子とはあんまり歳も離れてないし」

横臥

(後のために隙間からじーっと見ながら勉強ちう)

リュドミラ

「近衛さんが一通り用意したようですので、ベビーパウダーも使ってあげてください」

カウラ

(あわあわと産着を外して綺麗にしようとする)

ローザ

「わたくしは、よく乳母やの所の小さい子や、アルの下の妹や弟の世話を手伝ったものです。経験しておくとためになりますわよね」

リュドミラ

「なるべく擦らないように、ぽんぽんと」

カウラ

「……妙ね、私にはこの子が男の子なのか女の子なのか解らないのだけれど」



[utako] #一旦手が止まり、すっと冷静になる



阿光

「む……」



[TK-Leana] # 覗きこんで、首をかしげる



阿光

「……俺にも分からん。なんだろう」

リュドミラ

「覗き込むだけでは赤ちゃんが風邪を引いてしまいますよ」

カウラ

「そうね。おしめを変えてから……やはり調べましょう。貴弦お兄様、弥斗お姉様、ラビお姉様に、私、リュドミラ、鏡君、あとは……あまり当てにはしてないのだけれど、ジャンとお父様も居るのだから、何か解るはずよ」



[utako] #執刀医のように手袋つけて
[utako] #綺麗綺麗



阿光

「俺は時間限定だけどな……一日一時間の制約がこういう時は恨めしい」

リュドミラ

「おむつはこの状態からこうして、留めてください」(マフメロで実践

マフメロ

「まふ」(どうだすごいだろう

カウラ

(慌てずに教えられた通りにおしめを変えて、またあやしてから、ベビーベッドに戻す)

赤子

(きゃっきゃっ)

カウラ

(赤ちゃんに微笑んでから)「……さて、赤ちゃんの安全を第一に皆頑張って頂戴。」

ローザ

「まあ、調べないわけにはまいりませんわね」

リュドミラ

「量子学的見知からするとこうして観測を深めていくほどに復帰は難しくなっていきます。もし、この赤ちゃんの性別がはっきりと断定できるようになったら、大変かも知れません」

阿光

「その時は腹をくくろう」

カウラ

「何か重大な問題があったら……、お父様、お母様達には一層の苦労をかけてしまうと思うのだけれど……その時には、よろしくお願いします」



[utako] #きつく目を閉じて深く頭を下げ



近衛

「……娘にお願いされちまったらな。かわいい孫の苦労も軽いもんさ。」

ローザ

「ええ。うちは只でさえ、母親が余ってるんですから。そう心配しなくても大丈夫ですわよ」

ローザ

「子供の世話、経済的な援助、どちらも十全に行います。その代わり、きちんと、高校へは行っていただきます」

リュドミラ

(母親が余るとはどう言う状況だろう)

カウラ

(顔を上げて)「はい。……解ってるわ。お母様」

ローザ

「貴方もですよ、そこで思いつめた顔してる男子」

阿光

「……いや、しかし。父親になるなら働かない訳には」

近衛

「馬鹿野郎。ガキが無理して父親になれるか。自分の事をしっかり出来るようになってから、父親になれ」

リュドミラ

「まだそうなるとも確定した訳ではありません。いつものように柔軟に対応してください」

阿光

「……はい。わかりました、近衛さ……いや、ええと、お義父さん?」

近衛

(きゅんっ)



[utako] #胸がしめつけられるほどの衝撃
[utako] #これが、恋……



リュドミラ

(この集団はダメかもしれない)

ローザ

「なぜか近衛さんが恋する乙女の顔をしてるんですが……」

弥斗

「はいはい、リュドミラちゃんの言うとおり。まずは調べて見るッスよ」



[utako] #いつのまにか変化してる弥斗と貴弦。それぞれ天女と鬼の姿。



貴弦

「気は乗らんが、ちぃとばかし解いて看ようかねぇ……」



[utako] #普段は空気な夫婦も頼りになるときは頼りになる。



ジャン

「興味深い検体が居ると聞いてきました」

カウラ

「赤ちゃんに触るときは、皆ちゃんと手を消毒しなさいよ!」

ジャン

「はいはい」


赤ちゃんの正体



ジャン

「すごい面白いな、この赤ん坊」



[utako] #どんな結果だったんだろう



ジャン

「単純な検査だと性別含めていくつも観測が出来ない情報が存在してる。部長とチンマリストン先輩の子供であることは確かっぽい、どうやら生後1日以内、健康状態に異常無し。まあ、それくらいしか、多分まだ確定してない」

ジャン

「可能性の萌芽だね。そういう意味ではサイバーホムにも似てるけど、こいつは育成じゃなくて、何らかのトリガーをきっかけに一気に爆発するんじゃないかな。時間があればもっと調べてみたいけど、俺からはこんな所」



[TK-Leana] # データを並べつつ
[TK-Leana] # 魔術的に調べると、因果が逆転して存在していることが観測できた
[TK-Leana] # 子供が出来た、という結果だけ先取りして存在している。ある意味、リュドミラの未来から連れてきたという推測は当を得ていた



リュドミラ

「メイトの分析では、物質的にも不安定ですね。簡単に言えば赤子の形をしたエネルギー体に近いです」

近衛

「……つまりは、存在があやふやなシュレディンガーの赤ちゃんって事か?」

リュドミラ

(頷き)「外観だけが固定され、中身は曖昧ということです」

ローザ

「さっき国東くんが言ってた、きっかけがあれば、外観以外も固定されるという事ですかね」

リュドミラ

「そうですね。そうなると本格的にこの世に定着してしまう事になります」

リュドミラ

「あくまで科学的な側面からみた意見ですが」

阿光

「魔術的な分析では、原因と結果が逆転して存在してることが分かった。結婚して、子供が出来るという過程を省略して、結果だけ先取りして存在してるんだな」

リュドミラ

「科学的分析とある程度相関性が認められますね」

阿光

「いや、存在しているというのも、正確には正しくないかもしれない。まだ、この子は観測されていない、俺とカウラの赤ん坊という大枠しか存在していないんだ」

カウラ

「……本当に私達が欲しいと思っただけで、こんな不確定な子が……出来てしまったと言うの?」

貴弦

「世には想念の力っちゅうもんもある。近衛のそれが近いもんだがのぉ、欲しいと思って逆転する因果もあろうのぉ」

リュドミラ

「赤子を形成する要因うちで、これから観測されるべき要因を全て除外した形……」

阿光

「この不確定さは呪的な存在故だろうな。恐らく、名前を付けるか、最悪出生届を出すまでは確定しないんじゃないか」

カウラ

(ペタン、と腰を抜かしてやや呆然としてる)

リュドミラ

「遅かれ早かれ、どのみちこうなるという事ですね。おめでとうございます」

阿光

「……結果だけ先に前に出されて、素直に喜んでいいのか」

リュドミラ

「メイトの主観に置き換えてみると、それが正しい反応だと思われます」

阿光

「大丈夫か、カウラ」



[TK-Leana] # 心配そうに肩に手を置く



カウラ

(混乱した様子でベビーベッドの方を見ながら) 「え、えぇ……大丈夫よ。大丈夫……」

リュドミラ

「分析結果から察するに、魔術的手法を用いればこの結果を元の要因・因子レベルまで還元する事も可能と思われますが……」

リュドミラ

「この結果を与えてきた存在が気がかりです」

阿光

「コウノトリの言を真に受けると、『世の中には不思議な事もあるもんだ』ってくらいの原因っぽいけどな」

リュドミラ

「酷い理由ですね」

貴弦

「最早現象と大差はなかろうな。世にはそう言う傍迷惑な存在も居る」(弥斗を見つつ

弥斗

「そ、そうッスね。確かに生まれが逆子だとして、それを正しくする事も出来るッスけど……」



[utako] #話を逸らす様に



リュドミラ

「つまり、不安定とは言え今ここに存在してしまっているこの子を我々の判断で還元してしまって良いのかどうか、と言う倫理的な問題になってきます」

阿光

「明日生まれる可能性、を無理に今日に持って来てしまったのが今の状態だ。とも考えられる」

リュドミラ

「その辺りの見解は、専門家でも別れる所です。今のこの子が、後々産まれるであろう”この子”と同一かどうかはメイトには判断しかねますし」

ジャン

「そこは多分大丈夫だね。多分この子は、まだ可能性の最大公約数に過ぎない状態だから」

貴弦

「せせこましい事を……要は今育てるか、後で育てるかの違いだ。赤子の未来なぞ、普通に生まれた所で確定しては居らん」

リュドミラ

「(多分ですか)……つまり、ご両親の判断に任せると言う事になりますね」

カウラ

(びくっとして)「……」

阿光

「……辛いなら、俺が決断するが、良いか?」

カウラ

「……あ、……あなたの、判断を……聞きたいわ……、自分の子、だもの……あなただけに、任せたり……しないわ」



[utako] #捕まって立ち上がりながら



阿光

「……俺は、可能性に返した方が、良いと思う。さっきも話していたが、俺達にはまだ、子供を育てるには足りないものが多過ぎる」

リュドミラ

「……(いくら不確定であるとは言え、我々は僅かな間でもこの子の存在を観測している。それは精神的にも因果律的にも影響が0であるとは限らない)」

リュドミラ

「……(カウラ先輩、お辛そうです)」

カウラ

「……元、に戻して……この子は元気に育つのかしら、また、不安定なままで生まれてきたり、しないかしら……私みたいな、中身が解らない存在のまま……、今このときの観測のせいで、後で生まれてくる子は、ちゃんとこの子なのかしら……」



[utako] #いつもの強気もなく不安そうな表情で



阿光

「心配しなくても大丈夫だよ、カウラ。お前だって、今はしっかり自分だろう」

カウラ

「……」(静かに、しっかりと頷いて、腕に掴まりながら少しだけ震える。

阿光

「この子は、ずっと先に生まれて来る筈だったのが、うっかり今日俺たちの前に転がり落ちてきただけなんだ。成長した俺たちと、今の未熟な俺たち、どっちに育てられた方が幸せか、悔しいが考えるまでも無いだろう」

カウラ

(ぎゅっと服を握って、また頷く)

近衛

「そうさなぁ。この子もぽろっとせっかちになっちまっただけだ。まぁ、お前らの子なら多少うっかりしててもふわふわでも、俺の顔見て泣くぐらいの元気があるんだ。ちゃんと生まれても元気に育つだろうさ」

リュドミラ

「先輩達がそう判断するのであれば、それが正しい事であると思います」

ジャン

「言った通り、最大公約数だから。最大公約数の時点で、健康な赤ん坊ってのは確定してるってのもすごい話じゃね」

リュドミラ

「そ、そうですね」

貴弦

「後で怪我をするための元気とも取れるがの」



[arca] #押し殺した言葉を貴弦さんが!



近衛

「俺なんてガキの頃に何度怪我して骨を折った事か……」

ローザ

「子供は怪我くらいするのも仕事ですわ」

リュドミラ

「そうなった時に、慌てずにいられる余裕を身につけるためにも、大切な事だと思います」

カウラ

(阿光から離れてまた赤子を抱き上げ、阿光に寄り添い)「……そうね。よく見れば……、将来、台風の日に遊びに出たり、カトラスを振り回して遊んだり……そんなお馬鹿な事をしそうだわ」

カウラ

「うっかり父親の指を切り落とすぐらいの元気は……つけるのよ」(頬を擽って

阿光

「子供ってのはそんなもんだろ……いや、うん、元気なら良いんじゃないか」

赤子

(きゃっきゃっ)

カウラ

(額にキスをして、小さな手を握り……笑顔でポロポロと涙を零す)

阿光

(無言で頭を抱き寄せる)

カウラ

「次は、しっかり生まれなさい。愛しの子……」

影蜥蜴

(何故か貰い泣きしてポロポロチーンと泣いてる)

横臥

(えっぐえっぐずびび)

貴弦

「この時空間の影響を最小限に留めるなら、早々に還した方が良いとは思うが……暫し、待つか?」

ジャン

「まあ、多少の事は夢くらいの記憶にしかならないっしょ。生まれた直後の事なんて覚えてる人の方が珍しいわけだし」

阿光

「……せめて、一晩くらい、猶予もらえますか?」

リュドミラ

「メイトしては今晩中に片を付けておく事をオススメしますが。強制できる立場にはありません」

カウラ

「私も還したほうが良いと思うわ……、あまり長く一緒に居ると……離れたくなくなってしまうもの」

阿光

「いいのか?」

カウラ

「えぇ……、焦らなくても、未来で会えるもの。今は……それで良いわ」

阿光

「そうか……」(再び抱き寄せて、ぽんぽんと

カウラ

(切なそうに赤ちゃんをあやしながら、少しの間だけそのままで居た)

マフメロ

「まふ」(コウノトリを食べたそうにみている

コウノトリ

「ピィ!」

リュドミラ

「野生動物は大変な病原体を持っているかも知れません。食べちゃダメですよ」

マフメロ

「まふ……」(残念そう

カウラ

「まぁ……このトリには色々と言いたい事もあるのだけれど、丸焼きかシチューかは選ばせてあげましょう」(優しそうな微笑みで

マフメロ

「まふ!」(カウラに期待の目

影蜥蜴

「……イイハナシで終わっておけ。」

横臥

「幸せを運ぶ鳥なんだからよ。バチが当たって子供が近衛みてぇになっちまうんじゃねぇか?」

カウラ

「……それは逃がしてあげないといけないわね」

マフメロ

「まふ」(がっかり

近衛

(鼻水吹くぐらい酷い話を聞いた気がして白くなってる)

ローザ

「まあ、特に害はなかったとして、放してあげますか」

リュドミラ

「……(この父親の評価が分ってきた)」

リュドミラ

「ニッポンではいちおう保護対象でもありますしね」

カウラ

「皆がそう言うなら……、……私も実は、多少の感謝はしているのだけれど」



[utako] #カチャンと首輪を外す



リュドミラ

「ツンデレですね」

カウラ

「……うるさいわね」(ちょっと赤くなった

阿光

「まあ、この子と会えたのは感謝してもいいよな」

カウラ

「そこだけ、は感謝してあげるわ」



[utako] #ふんっ、と



リュドミラ

「……(それは概ね全て感謝という事では」

阿光

「それしかしてないもんな、この鳥」

カウラ

「また私達の所に赤ちゃんを連れてきたら、次こそは丸焼きにしてあげるから覚悟しなさい。キャベツ畑から運んでくれなくとも、私がしっかりこの身体で産んであげるんだから」(ぽん、と軽くお腹を叩いて

コウノトリ

「ピィピィ」

ローザ

「くれぐれも、責任を取れる歳になってからにしてくださいね」

マフメロ

(コウノトリに期待の眼差し

カウラ

「解ってるわよ! ……」(このまま1年後に育てるつもりであれば、そのまえに、事を済ませようと思っていたのは内緒

ローザ

「本当だと良いのですけど」

カウラ

「鏡君。宣誓しておきなさい」

ローザ

「避妊はしっかりすると」

阿光

「はい……え?」

カウラ

(真っ赤になりながら、もうこの母親やだ、とそっぽ向く)

ローザ

「おほほほ、まあ信頼してますわよ。くれぐれも、ね」

リュドミラ

「コウノトリのせいに出来ないと大変ですよ」

カウラ

「……9年と2ヶ月ほどはそう言う事はないから、大丈夫よ」

阿光

「そこまできっちり計るのか」

カウラ

「確実な手ではあると思うのだけれど、だめかしら?」

リュドミラ

「カウラ先輩はエッチですね」

カウラ

「9年経てば成人しているもの。問題はないわ。」

阿光

「いや。多分、この子今名前付けたら、今日生まれていたらというifの子供として生まれるだけだから、元々の計画と時間合わせるのはあんまり意味無いと思うぞ」

リュドミラ

「九年後のその日に事を致すと宣言している気がしたもので」(くすくす

カウラ

「ま、まぁそう言うつもりでもあったのだけれど……10年以内に生まれる可能性もあるというわけは。9年と2ヶ月以内は控えるべきよね……色々と」



[utako] #うんうん、と頷き



阿光

「いや、その……責任取れない事をするつもりはないが、流石に9年お預けというのも」

リュドミラ

「阿光先輩は試されていますね」

カウラ

「だめよ。ひ、……にん……というのは100%ではないのだから」(ボソボソ

阿光

「まあ確かにそうだが……」(ボソボソ

リュドミラ

「胃もたれしそうです」

カウラ

「……後輩と親の前で何を言っているのかしら。今日は何だか変だわ……」

阿光

「子供の前でする会話でもないな。いや、赤ん坊だが」

リュドミラ

「……(自分達自身が子供であると言う認識はどこへ」

カウラ

「おばあちゃんは抱っこしなくて良いかしら?」

ローザ

「自分の子供を抱く前に、孫を抱く事になるとは……ちょっとカウラさんも、赤ん坊に戻ってみません?」

近衛

(白くなったまま、手元の端末をカチカチといじってる)

カウラ

「嫌よ。誰が赤ちゃんに何かなります―――か」



[utako] #ボンッ、と赤ちゃんとは言わないが幼児にさせられた。
[utako] #幼い頃のカウラアルバム風。



カウラ

「……」

マフメロ

「まふ」(指差す

カウラ

「……」(周囲を見上げて、足元を見て、手元を見てわなわなしてる)

阿光

「落ち付け」

阿光

「まずは、ゆっくりその子をローザさんに渡そう」

カウラ

「……おねがいするわ」

ローザ

(受け取る)「よしよーし、おばあちゃんですよ」

カウラ

(ぴしぺしとゴムボールのような黒い球体を投げてる)



[utako] #父に向けて



カウラ

「……おばあちゃん(18)ってゆうのも、すごいわね」

ローザ

「ホントびっくりですわよ」

ローザ

「まあ、10年後でもおばあちゃん(28)なんですが」

マフメロ

「まふ」(お? 戦争か? と言う感じでカウラに加勢。ふつうに痛い

ローザ

「貴斗くんの事を考えると今更ですけどね」

チビカウラ

「おとうさまなんか35よ。……いがいと、ななちゅもはなれて……なな、ななちゅ……」(何か言葉遣いに支障が

阿光

「ちぢんでるぞ」



[TK-Leana] # 鏡を見せる



リュドミラ

「ああっ、いけませんマフメロ」

マフメロ

「まふっ」(がぶぎゅうう

チビカウラ

「わかってるわよ! ちょっと、おとうちゃま! しろくにゃってにゃいで、もとに、もどしな、ちゃい!」(ぺちんぺちんとビンタ

近衛

「……おぉ。カウラが、ちっこい」

阿光

「可愛いが、小さいままだと困るな」

近衛

「ははは、纏めて抱っこして欲しいのか?」(ほおれ、とマフメロと一緒にカウラも抱っこし

近衛

「痛いが可愛いぞ。可愛いが痛いさなぁ」(HAHAHA

マフメロ

(近衛の腕をモグモグ

マフメロ

「まふ……」(おししくなかったらしい

近衛

(すちゃ、すちゃ、とそれぞれリュドミラと阿光に返して)「……さて、おじいちゃんもちょっと……抱っこしても?」

ローザ

「近衛さんが抱いたら泣き出さないかしら」

近衛

「さっきは、アレ被ってたからで……カウラを貧血と爆破で殺されかけながら産んだおじいちゃんでちゅよ。」(デレっとなりながら赤ちゃんに近づく

チビカウラ

「ぅぁ……」

赤子

「ふええ」

近衛

「ほぉっ!?」

チビカウラ

「ママにイジワルするジジはそうなるのよ」(ふんす、と鼻を鳴らして

ローザ

「顔だけは如何ともしがたいですわ」

リュドミラ

「場の幼児率が増加しています」

近衛

(部屋の隅っこで体操座りしながらいじけた。ついでに端末操作してカウラを元に戻す……)


誰の子?



影蜥蜴

「ふと思ったのだが……」

影蜥蜴

「あのカウラと阿光の赤子、ローザが調べたときにはカウラの血を引いている事は解ったが……阿光の血を引いているとは確認されていないのでは?」

カウラ

「……え?」

横臥

「……」(誰も言わなかった事を)

影蜥蜴

「あの赤子がどう言う存在かは調べたが……」

カウラ

「……ちょ、ちょっと待ちなさい、影お姉様」

アンディ

「確かに、父親が誰であるかは詳しく調べていませんね」

カウラ

(額に指を当てて、うーん、うーん……と考え、口元に手を当てて首をかしげる)

アンディ

「その場の流れ的に、誰も指摘しませんでしたが」

横臥

「心配すんじゃねぇよ! カウラと阿光の子供に決まってんじゃねぇか! ほら、誰かが……言ってたろ、阿光の遺伝子とか……そんなの確認されたって……」

影蜥蜴

「……言っていたか?」

横臥

「……お、おう」

カウラ

「……あ、そうだわ」

阿光

「確か、ジャンが解析したデータにあったぞ」

アンディ

「そう言えばそうでしたね」

カウラ

(耳の形が鏡君にそっくりだったわ、なんてフォローしようとしてた指を下ろして)

カウラ

「そうそう、ジャンが確かそんな事言ってたわよね」

影蜥蜴

「単純な検査しかしてないのだろう? しかも不確定情報が多い中で……、信憑性がいくらあるのか……」

横臥

「赤ちゃんを無事未来に帰してそれで良いだろ! ほじくるなよ! 解らなくてもカウラと阿光の子供で良いじゃねぇか!」(ゆっさゆっさ)

阿光

「まあ、仮にそこまで不確定だったとしても、俺は10年後にこいつを手放してるつもりは無いのでなんら問題は無い」

影蜥蜴

(がっくんがっくん)「だが、しかし……世の中他人の子を育てている親もいると」

横臥

(鳩尾に重いのを入れて黙らせた)

影蜥蜴

「―――けぴょ! ……」(がくん

アンディ

「あり得ない話ではないですが、聞くだけ野暮という事ですね。だからもてないのですよ影さんは」

横臥

「大丈夫、未来は明るいに決まってる。」(褐色姉が眼を覚ます前にピューっと逃げて行った)

カウラ

「……」(うーん、とまた額に指を当てて悩んでる)

阿光

「なんだ、不安なのか? らしくも無い」

カウラ

「いえ、私たちの子供ではない、という可能性については全く不安に思っているわけではないのだけれど……」

阿光

「それじゃ、何を悩んでるんだ?」

カウラ

「あの子が吸血鬼と人間のハーフなのか、人間同士の子なのか、どっちだったのかしら……と思って」

阿光

「それは……ちょっと気になるな」

アンディ

「カウラさんが親である場合、それほど気にする事でもないと思われますが。その要素も今後の行いで決まって来るのではないでしょうか」

阿光

「吸血鬼同士の子供って可能性もあるぞ」

カウラ

「その可能性は今のところ微塵もないから安心かしら」

阿光

「お前にそのつもりがないのは知ってるけどな」

アンディ

「どうしても気になるのであればジャン氏に聞いてみると良いでしょう。種族が確定していれば、そのデータがあるはずです」

カウラ

「良いわ。気になりはしても、そこも含めて今後の行い次第、なのかもしれないのだから」

アンディ

「そうですか」(思ったより冷静で安心)

カウラ

「……つまり行い次第であの子が他人の子になっている可能性もあるのだから、しっかりしなさいよ。鏡君」

阿光

「言われるまでも無いな」

カウラ

「では聞くのだけれど、将来の夢は?」

阿光

「む……」

カウラ

(じー)

阿光

「ないわけではないが、とりあえずは内緒という事で」

カウラ

「保留ね。高校2年生ぐらいまでにはちゃんと考えておきなさいよ」

阿光

「まあ、年内には教えるよ」

アンディ

「青春ですね」

カウラ

「夏に船旅しながら未来の我が子を抱くなんて、珍しい青春ストーリーよ。全く」



[utako] #楽しそうに笑って



アンディ

「そうですね(新刊のネタにしよう)」


不吉でもやる事



リュドミラ

(マフメロとタイタニックごっこ

近衛

「やっぱやるよな。」



[utako] #豪華客船なんかに乗ったら一度はやってみたい事



マフメロ

「まふ」(よくわからないがビット十字立ち

近衛

「でも実際やってる所を見ると……この船沈んだりしねぇよな、と心配になってくるさな……」

リュドミラ

「あ」(会釈

リュドミラ

「統計学的にこの客船が沈む確率をお教えしましょうか?」

近衛

「解るのか……、こそっと頼む」

リュドミラ

「こそこそ」



[arca] #天文学的に低い確率だった



近衛

「……なんだ、そんなに低いのか」

リュドミラ

「ただし、自然現象とヒューマンエラーのみを考慮した数値です。故意の撃沈は想定してません」

近衛

「……竜達にうっかり船の中で巨大化すんな、って言っとくか」

リュドミラ

「加えて言うと、我々がタイタニックごっこをやる事で船の沈没確率が増えるのなら、今頃世界中の客船が沈没しています」

マフメロ

「まふ」(びっ

近衛

「びっくりするぐらい真面目な子だな……」

リュドミラ

「……そうですか? ……話し慣れていない人との会話ではいまだにそうなってしまうようですね」



[arca] #反省



近衛

「ほとんど初対面のやつといつも通り話せるやつも珍しいさ」

リュドミラ

「それもそうですね」(ひかえめに微笑む

マフメロ

「まふ」(リュドミラの頭の上に乗り寛ぐ

リュドミラ

「あらためて自己紹介しておきますね。リュドミラ・新間です」

リュドミラ

「この子はマフメロです」

マフメロ

「まふ」

近衛

(マフメロと言う不思議な生き物も、阿光のにゃんこ先生(カウラいわく会長)と同じように、部員なのかと見つつ)

マフメロ

「まふ」(ぺっしーと近衛のおでこに突っ張り

近衛

「おっと、そうだったな……俺は無戸室近衛。カウラの親父さな―――ー、いて」

リュドミラ

「ああっ、いけませんマフメロ」

リュドミラ

「お話は各方面からちらほらと聞いています」



[arca] #マフメロをあやしつつ
[arca] #主に駄目な噂を



近衛

「俺もちらほらと嬢ちゃんの話は聞いてるが、間違ってたら悪ぃが、……しんかん荘の大家さんの親戚か何かかい?」

リュドミラ

「はい。一様、娘です」



[arca] #設定上は



近衛

「大家さんに娘がいたのは初耳だが……、変わらず元気にしてるかい?」

リュドミラ

「はい、毎日のどかですよ」

マフメロ

「まふ」(お気に入りの登攀対象だぜ。と言っている

近衛

「そりゃ良かった。(笑って) 最近、門音の部屋にも行ってねぇし……旅の土産でも何か持ってくかねぇ」

リュドミラ

「門音さんも元気です。たまに二、三日ほどいなくなりますが」

近衛

「あいつは元気だろうさ。それが一番の取り得だからな、心配はしてねぇよ」



[utako] #便りがないのは元気なあかし



リュドミラ

「はい」(うなずく

マフメロ

「まふ」(アレも上りがいがあるな。と言っている

近衛

「あれは、……あの赤髪の、はまだしんかん荘に居んのかい?」

リュドミラ

「はい。毎日お酒を飲んでいます」

近衛

「……あれも変わらずか。」

マフメロ

「まふ」(アレは上りずらいな。と言っている

リュドミラ

「あまりいい印象はないようですね。仕方ないと思いますが」(ふふ

近衛

「……大家さんの知り合いだから悪い奴じゃぁ、ねぇと思うんだがな。」



[utako] #頭を掻いて



リュドミラ

「そうですね。他の部屋まで汚染されかねないので放っておく訳にもいきませんし」

リュドミラ

「でも、かわいい一面もあります」

近衛

「そりゃ初耳だ……、一応女の子ってやつか」

リュドミラ

「あまりオヤジ扱いするとすねます」

近衛

「ははは! 酒飲みをやめりゃ良いものを、飲兵衛の宿命さな」

リュドミラ

「酒気の臭いはそれほど気にならないのですが……時たまとてもくさいおつまみを食べているのは許せません」

マフメロ

(いつの間にか小さいビニールプールを取り出しプカーと浮いている

近衛

「……何食ってるのかはあんまり聞きたくねぇな」

リュドミラ

「メイトと同じで石を食べれば良いのにと思っています」

近衛

「食の好みの問題なんだろうさ」

リュドミラ

「度し難い事です」(ふんす

マフメロ

「まふ」(トロピカルジュース飲んでる

近衛

「しかし、赤いのが石ばっかり食っちまったら、嬢ちゃんの食べるものもなくなっちまうんじゃねぇかい?」

リュドミラ

「石はどこにでもありますから、安心です」

リュドミラ

「ここにはありませんけど」

近衛

「海の中に潜れば、地上にはない鉱物が何かありそうな気もするが……飛び込んだりして探しにいかねぇようにな」

リュドミラ

「飛び込んだら浮いて来れないので、歩いて帰るはめになってしまいます」(くすくす

近衛

「陸地まではもう大分距離がありそうだからな、……大変だ」

リュドミラ

「そうですね」(頷く

マフメロ

(近衛を足下から観察し始めた

近衛

「ん? どうした? メロス」

リュドミラ

「マフメロです」

マフメロ

「まふ」(すね毛引っこ抜こうと思ったがない

マフメロ

「まふ」(これくらいで勘弁してやる。と腕組み

近衛

「なんだ、脛に何かついてるか?」(抱き上げつつ

リュドミラ

「マフメロはイタズラ好きなので……何かしようとしたのかも知れません」

マフメロ

(大人しく抱かれ、首を傾げている



[arca] #よくみるとかわいい



近衛

「いたずらっ子かい。お前」(赤ちゃん抱っこできなかったので、よしよしと頬をつついて)

マフメロ

「まふ」(近衛の指をしゃぶる

近衛

「おっとと、ばっちいから駄目さなぁ」(手を引いて、手品のように手首を返すと、おしゃぶりが現れる。

マフメロ

「……」(おえっ



[arca] #まずかったらしい
[arca] #かわりにおしゃぶりを咥える



近衛

「……今の味見か? もしかして」

リュドミラ

「かもしれません」

リュドミラ

「マフメロはメイト以上に雑食の様ですので、気をつけた方が良いです」



[arca] #謎が多い



近衛

(おしゃぶりを咥えてるのを見つつ)「確かに、指を食われるのは避けときたいな」(笑いながらくすぐるように撫でる

マフメロ

「まふ」(おしゃぶりを飲込む



[arca] #くすぐられるとくねくね



リュドミラ

「コミュニケーションはとれるので大分助かります」

近衛

「……おしゃぶり飲み込んじまったが、逆さにして吐かせたほうが良いか?」



[utako] #平気っぽいがびっくりしてる



リュドミラ

「ゴムやプラスチックも食べてしまうのです。すいません」

近衛

「いや、良いんだが……ちょうどいいおやつにはなったのかねぇ」

リュドミラ

「食事量はそれほど多くないので、満足したと思います」

マフメロ

(けぷ



[arca] #げっぷと一緒に口から光線のようなものが出た気がした



近衛

「船の物は食ったりしねぇようにな。怖いおばちゃんに怒られるさな」(よしよしと撫でてから、リュドミラに返す。

リュドミラ

「気をつけています」(頷く

マフメロ

「まふ」



[utako] #その後少し雑談をしてそれぞれ解散していった


カジキディナー



[utako] #夕飯時。



近衛

(宴会場の中央に置かれた500kgのカジキが食欲旺盛な子供たちによって解体されていくのを見ながら、確保した刺身をつまみながら、ご休憩)

近衛

「調子に乗って、色々創り過ぎたかねぇ……」



[utako] #赤ちゃん騒動、カジキキャッチ、他諸々で能力を使い過ぎた



マフメロ

(酒池肉林

近衛

(くぴくぴと米焼酎を飲んで、普段より酔いが早く回ってきそうな味を楽しみながら、はむっと赤身を食べてご満悦)

アンディ

「昼間はご活躍だったそうですね」

近衛

「幹也と通りすがりのサー・アリスとか言う魔法女と、ぼちぼち大変だったかねぇ……」



[arca] アンディ「サーキュリー♪アリスです」



近衛

(そうそう、と頷いて笑い)「お疲れさん」



[utako] #一杯差し出し



アンディ

「私は特に疲れていませんが?」(とりあえず受け取る



[arca] #あくまで知らないふり



近衛

「そうかい」(くぴくぴと飲んでグラスを空けて、また新しく注ぐ)

アンディ

「私が」(お酌

近衛

「おっと……助かる。」



[arca] #丁寧に注ぎ



アンディ

「後ほどカジキのステーキができますので。それまでは潰れぬようお願いします」

近衛

(くぴくぴと煽る様に飲んで、早々に半分ほど飲んでしまい)「子供の元気な所を見ながら、美味い肴に美味い酒、そして美女に酌をして貰えりゃ……もういつ潰れても良い気さな。」

アンディ

「その発言は奥方々に報告させていただきますね」



[arca] #自分も飲みつつ



近衛

「酔っ払いの戯言で片付けといてくれ」



[utako] #愉快そうに笑って、くぴくぴと飲んでまたグラスを空ける。



アンディ

「普通の殿方であればそうしますが、近衛さんは要注意人物ですので」(爽やかに微笑み



[arca] #お酌



近衛

(あんがとよ、と礼をして、少し飲み)「何だそれ……、そんなご近所の危ねぇ人みてぇな指定受けてんのかい。俺は」

アンディ

「ええ、近衛さんの名誉のため詳しくは言いませんが」

近衛

「怖い怖い……、大抵の奴には善良な近衛さんなんだがねぇ」

アンディ

「そうですね、そこがまたアレなのですが」(刺身モグモグ

アンディ

「(昼間は自分は食べなかったけど、意外とおいしい)」

近衛

「ぼかされ過ぎると流石に解らねぇが……、それほど悪い意味じゃねぇだろう」(うんうん

アンディ

「ええ、まあ。そう言う認識で良いかと」

アンディ

「そういえば、今晩のナイトポーカーには参加されますか?」

近衛

「スルーを通り越して無関心だな……、ポーカーか。面白そうだな……最近やってなかったが」

アンディ

「影さんが張り切っています。色々な意味で」

近衛

「そりゃ、楽しみだな」

アンディ

「私はディーラーを務めさせていただきます。ルールはポピュラーなテキサスホールデム」

近衛

「ディーラーの衣装がねぇなら……、て……まぁ、アンディなら用意してそうだな」

アンディ

「ええ、私も換装程度の術は心得ていますし」



[arca] #よもやバニーガールだとは



近衛

「私服で参加するのも何だしなぁ……、他の子らにも一着ずつぐらいは用意してやるか」

アンディ

「あまり張り切らなくても良いですよ。賞品はお菓子ですし」

近衛

「こう言う場所を使える機会も少ねぇし、雰囲気は大事だろう」

アンディ

「影さんの鼻と顎がとんがってきているので……控えめにお願いします」(本音



[arca] #なんかざわざわしてるし



近衛

「程ほどにはしておくさ」



[utako] #がっつりやりそう



アンディ

「頼みましたよ」


揃ってお風呂タイム



[utako] #大浴場



横臥

(鼻歌を歌いながら、いつもより念入りに身体を洗ってる)

カウラ

「……えらく念入りに身体を洗っているわね。横臥お姉様」

横臥

「いつも通りと言えばいつも通りだぜ? 俺はいつも自分を磨いてる」(ごっしごっし

リュドミラ

「そう言うカウラ先輩も念入りに思われます」

カウラ

「わ、私も普通通りよ。いつも通り……、ボディソープの香りはバラで良かったかしら、桃か石鹸の方が……良かったかしら」

影蜥蜴

「む。後で白を着るなら桃だろう」(はい、と

カウラ

「それもそうね。」

リュドミラ

「白ですか」

ルナ

「白なのね」

火星

「白だと桃なんですか?」

カウラ

「……いえ、白というのは、シャツよ。お風呂上りには白いTシャツ……よね」



[utako] #真っ赤になりながら洗いかけた身体を流して、桃の香りのボディーソープを泡立て始める。



リュドミラ

「マータンはこちらのライムなどが似合います」

ルナ

「良いわねぇ。爽やかな感じが似合いそう」



[SAIRU] #皆が体を洗う中、一人だけ髪にトリートメントを



火星

「ライムの香りってあんまり使った事ないや」(試してみよー、と洗い始める。ちなみに着替えはスポーティなグレーである)

影蜥蜴

「影は黒にバラだ。月並みだが効果は高い。多少、艶やかに肩を出して見せれば……酔った男等、一撃必殺なのだ。」

リュドミラ

「活動的な方には馴染み易いそうです。メイトは無味無臭なので逆になににすれば良いのか迷うのでタダの石鹸ですが」

アンディ

「……(ああ、影さん。そのチョイスは後々つける香水とミスマッチに……」

横臥

「ルナの髪、洗うの大変そうだなー」

カウラ

「ちょっと、CMみたいね」

ルナ

「こう長いとね」



[SAIRU] #身長とほぼ一緒の長さ



リュドミラ

「メイト、知っています」(てぃもてー

火星

(腰より少し上ぐらいで長いほうだが……)「……そんなに長いのにまっすぐなんてちょっと羨ましいなぁ」



[utako] #鏡を見ながら癖っ毛をつまんで



リュドミラ

「メイトはマータンの髪、素敵だと思いますよ」

ルナ

「そうそう、綺麗なウェーブじゃない」

火星

「朝大変だし……僕もルナ先輩やカウラ先輩みたいな、ストレートが良いんです。」

リュドミラ

「メイトもストレートです」(あっぴる



[utako] #ぱっつんにできるぐらいドストレートな二人



マフメロ

(頭の卵の殻を脱いで頭を洗っている

影蜥蜴

「楽と言えば短髪は良いぞ。ブローが楽だ」

弥斗

「ショートとまではいかなくとも、私ぐらいにセミだと何かと楽ッスよー」(湯船の中から

ルナ

「そうよねぇ。手入れに時間がかかるのはネックだわ」

アンディ

「手入れはそれほどでもないのですが、セットが面倒です」

カウラ

「ウェーブは膨らませ過ぎないように注意しないと、すぐもこもこになってしまいそうね」

ルナ

「モコモコの火星……」



[SAIRU] #想像



火星

「ぼ、僕はモコモコというか……ピンピンと跳ねちゃいます」

リュドミラ

「ブロリー」

影蜥蜴

「胸筋凄いしな……」

横臥

「……俺たちと同じ学年って嘘だろ、ブロリー」

火星

「ブロリーじゃないよぉ……火星だよぉ……」(ヨヨヨ…

リュドミラ

「大丈夫です、本物ほどアンバランスではありません」

ルナ

「学年的にはアンバランス」(主に胸が

カウラ

「バランス取って癖毛がどうこうで悩まないで欲しいわ。全く」

影蜥蜴

「……ルナとカウラも、学年的には十分アンバランスとは言えないだろうか」

リュドミラ

「とてもふかふかです」(ふかふか

火星

「ぴゃぁ!? ちょ、ちょちょ、直接はリューちゃん、恥ずかしいよぉ……」

リュドミラ

「そうですか?」(ちょっと意地悪に微笑みやめる

マフメロ

(湯を卵の殻に汲んで身体にかけている

カウラ

「……バランス、は……取れてるのよ! 鏡君は身長高いから、私が多少小さくとも、ギャップよ! ギャップ差的には良いバランスが取れてるわ!」(開き直り

マフメロ

「まふ」(俺の方が起伏があるな。と言う表情

ルナ

「私はその分を精神年齢でカバーしてるの」(言い訳

カウラ

「……お父様と喧嘩している時はカバーできてないと思うわよ。多分」

リュドミラ

「マータンは規格外なので、負けを認めざるをえません」

ルナ

「そういうもので接することが不可能に近いから、あの子」

火星

「えっと……カウラ先輩達、のお父さんですよね」



[utako] #言われなければ父や夫だと解らない妙な人だった(貫禄がない



リュドミラ

「いわゆるマダオだと聞いています」

カウラ

「マるでダめなオ父様ね」

横臥

「マダオでも俺からしてみれば何だかんだで、良い親父だぜ。本当」

ルナ

「悪い癖が多すぎるけどね」

カウラ

「最近、悪癖だった娘の下着をチェックする、と言うのがなくなって良かったわ。」

リュドミラ

「それは笑っても良い所ですか?」

影蜥蜴

「干してもらった服に混ざっていた下着を「派手じゃねぇかい?」と注意されたのを、この万年反抗期娘が根に持っているだけだ。」

カウラ

「派手じゃないわよ! そんな事言ったら、横臥お姉様の着替えに混ざっていたブラ。あっちの方が派手だわ、全く」

リュドミラ

「下着はあまり着ないので未知なる世界です」

火星

「リューちゃんも履こうね……下着」(やや諦め

横臥

「そんなの知りませーん」(口笛

マフメロ

(卵の殻に乗って湯船を大航海



[utako] #談笑しつつも、身体を念入りに洗い、鏡を見てお肌の艶なんか気にしてる数名



アンディ

「禁を破る気満々ですね……」(湯船につかりつつつぶやく

カウラ

「……ちょっとお話をするだけよ。」

横臥

「……ちょっと一緒にジュースを飲む位で」

火星

「……夜更かししないか確認したりとか」

影蜥蜴

「……今日は何だか疲れた様子だったから、娘としては肩を揉んでやろうかと」



[utako] #そうそう、なにも、部屋に、いくわけじゃ、ない、と何かそれぞれ頷いてる。リュドミラ

「メイト、気になります」



ルナ

「みんな積極的ねぇ」

アンディ

「もう少し胸に秘められれば大人としてみのがせられるのですが……」



[arca] #浮き足立つ少女群に溜息を投げかける



ラビ

「良いですよね。良いですよね。皆、夜に御用事があって……僕なんか、わざわざ寮から帰ってきて、一緒に旅行かと思ったら、居ないんだもんなぁ……」



[utako] #水流が噴き出るマッサージゾーンからやさぐれた声がする



アンディ

「お暇でしたらお付き合いしますよ。私もフリーですから」

ラビ

「いいですよ、アンディさん。僕は秩序を取締る風紀委員として、不順異性交遊は見つけ次第、生気を吸い取る活動に勤しみます……」(ぶくぶくぶく

横臥

「身内から敵が……」

アンディ

「警邏は私もしますよ」

カウラ

「お話してる最中に邪魔をするような事しないで頂戴よ。だから振り向かれないのよ」

アンディ

「消灯時間前であれば、そのような野暮な事はしませんよ」(微笑み

影蜥蜴

「アンディが敵となるか……、それも良かろう」

ルナ

「それはそれとして、お互い程々にね」

横臥

「解ってるって」(にっ、と笑って

アンディ

「敵とは心外です」(胸に座礁したマフメロをたすけつつ

火星

(僕は確認するだけ、僕は確認するだけ、と自分に言い聞かせる様に何か唱えてた)


メガネとメカの釣り日和



リュドミラ

(許可をとり、釣りに勤しむ



[arca] #大きな麦わら帽子を被り、甲板から釣り糸を垂らす少女



マフメロ

(同じように釣りしている

リュドミラ

「つれませんね」

マフメロ

「まふ」

リュドミラ

(針を上げて餌をつけ直す

SE

ぴゅいっ



[arca] #ちょい投げ



リュドミラ

「アジなどが釣れれば良いのですが、へたに大物がかかると怖いです」

マフメロ

「……まふ」



[arca] #ハーモニカがバックに流れていそうな光景



リュドミラ

「釣り場を変えましょうマフメロ」

マフメロ

「まふ!」



[arca] #竿とバケツをもち、甲板を移動する



近衛

(釣りキチのコスプレした人がそれっぽいポーズで釣り竿振ってる)

リュドミラ

「……(アレはツッコミ待ちなのだろうか)」

近衛

(ちらっ)

リュドミラ

「……(こっちをみていますね……)」

リュドミラ

「つ、釣れますか」



[arca] #釣り人のあいさつ



近衛

「全然……釣れねぇ」(キャラは似せる気なかったらしい)

リュドミラ

「そうですか。メイトもまだ連れていません」

マフメロ

「まふ!」(ちっさいふぐがバケツに入っている

近衛

(バケツの中には何かにかじられて頭しか残ってない小アジが一匹)

リュドミラ

「……なんですかこれ」

近衛

「何か釣れた! と思ったら……急に重くなって、すぐに軽くなっちまって……上げてみたらこれが先にぶら下がってた」



[utako] #上げて落とされたテンション



リュドミラ

「様々な意味で残念な釣果ですね」

リュドミラ

「……お隣良いですか?」

近衛

「あぁ。お嬢ちゃんは……どんな感じの仕掛けにしてんだ?」

リュドミラ

「アジなどの回遊魚を狙っています」



[arca] #釣りに関しては初心者なので既製品のしかけをそのまま使っている



リュドミラ

「ただ、この辺りには大きな魚もいるそうなので。そこは不安ですね」



[arca] #定型のウキ釣り



近衛

(お店によくある1000円ちょっと竿から仕掛けまで揃えられる同じような釣具セット使ってた)「……大きな魚はしばらく良いかもしれねぇ」(ブルブル

リュドミラ

「昨晩のカジキマグロの事ですか?」(くすくす



[arca] #折りたたみ椅子を設置して隣で釣り始める
[arca] #身体の大きさの割に椅子がぎゅうっとしなった



近衛

「だなぁ……、釣ったと言うより、ただ落ちてきたカジキをキャッチしただけだが、あれだけのデカさになると流石に怖ぇな」



[utako] #小さい魚が見たい



リュドミラ

「実は、メイトもそんな気分なのです。昨日の料理の迫力に当てられてしまったと言うか」

リュドミラ

「端的に言うと、アジの塩焼きや開きを食べたい気分なのです」



[arca] #ある意味ホームシック



近衛

「解らなくもねぇな。魚はそう食べるほうじゃねぇが、白身魚のフライでも、釣れたてのアジの刺身でも、食いたくなってくる」



[utako] #山地の川釣りしかした事ないため、海の勝手は今一解らない感じ。



リュドミラ

「釣れたら料理してもらえるよう頼んであります」(ぴゅいっ

マフメロ

「まふ!」(何だかわからないくらい小さい魚を釣り上げた



[arca] #ぎりぎりアジだとわかる



近衛

「……こりゃ、食える魚か?」



[utako] #あんまり詳しくないらしい



リュドミラ

「やりましたねマフメロ……2cmです」

リュドミラ

「恐らくアジだと思います」

近衛

「すげぇな。マフメロ、アジなんか釣り上げちまって。先越されちまったじゃねぇかい」

マフメロ

「まふ」(ドヤ顔

リュドミラ

「負けていられませんね……おや? 早速……」



[arca] #竿が揺れる



リュドミラ

「ふん」

SE

ぴょいーん



[arca] #何だか細長い魚が釣れた



近衛

「うぉ……、は……? 魚、か?」

リュドミラ

「そのようです……恐らくカマスかと」

カマス

(びちびち

リュドミラ

「塩焼きにするとおいしいようです」

近衛

「ほぉ……、詳しいねぇ」

リュドミラ

「データベースから検索しているだけです、メイト自身で培った知識では有りません」(でもドヤ顔



[utako] #くん、と近衛の竿にも当たりがあり



リュドミラ

「あ、引いてます」

近衛

「―――ッ!?」(慌てて竿を立ててリールを巻くと同じ群れのカマスがひょいっとあがった)

近衛

「おぉぉ……同じやつか。カマス……カマスだ」

リュドミラ

「おめでとうございます」(ぱちぱち

マフメロ

「まふ!」(小さいカマスをつり上げた

近衛

(急いで針を取ろうとして、鋭い歯に噛み付かれた)「のぉ!?」

近衛

「小癪な……、釣り上げられてもまだ観念してねぇのか……」

リュドミラ

「あ、カマスは顎が強いので気をつけてください」



[arca] #おそい



近衛

「……次はもっと気ぃつける」

リュドミラ

(ぎゅーっとおさえてはりをとり、回収

リュドミラ

「その程度であれば絆創膏で十分ですね」



[arca] #絆創膏を取り出し



近衛

「絆創膏なんて持ってたのかい。俺が見た限りは……まぁ、人よりはだいぶ頑丈そうだが」(受け取った絆創膏を指に巻いてから、また投げ込み)

リュドミラ

「乙女の嗜みだそうです。紗枝から教わりました」



[arca] #群に辺りホイホイ釣れる



近衛

「……なるほどねぇ。ソーイングセットやら救急絆創膏セットやらは確かに乙女の嗜みだ」

近衛

「っと……、またかかったな」

リュドミラ

「全員分釣れると良いですね」

リュドミラ

「……あれ?」(なぜかイカが釣れた

近衛

「この勢いだと一人2匹分ぐらいは行きそうさ……な」



[utako] #水からあがってきた軟体動物に流石にビビる
[arca] #瑞々しいコウイカ



近衛

「……釣りでイカ釣れるんだな。」



[utako] #生は初めてみた。



リュドミラ

「これは高級なイカですね」(ドヤ顔

リュドミラ

「釣りに目覚めそうです」

近衛

「墨、吐いたりしねぇのか? これ……うわ、すげ……吸盤が吸い付いてきやがる……」

コウイカ

(どびゅ

近衛

「……」(白い釣りキチTシャツに黒い飛沫がちった



[arca] #触ったら思いっきり吐いた



リュドミラ

「あぁ……素晴らしい世界地図ですね」

近衛

「うぉぉおい!? 墨吐いたさな! スゲェな!」



[utako] #汚れても眼がキラキラしてる。



リュドミラ

「え、ええ……イカですから」

マフメロ

「まふ」

リュドミラ

「近衛さんは変わった大人ですね」

近衛

「そのまんまバケツに入れると汚れちまいそうだから……ビニール入れて、氷につっこんどくか……」(いそいそと準備して



[arca] #艶やかに透けている



近衛

「そうか?」(顔に飛んだ墨を腕で拭いつつ

リュドミラ

「はい。とても大人とは思えません」(頷く

近衛

(ずる…)「……そこはもう少しオブラートに包んで貰えると助かるが、まぁ、よく子供っぽいとは言われるさな」

リュドミラ

「その評価は適当だと思われます。すこし、直喩過ぎましたね」(くすくす

近衛

「別にそれでも良いさ。こんなのが素だと、取り繕った所でいつかはバレちまうし、そう言う面倒臭ぇのは疲れるからな」

リュドミラ

「それが大人として正しいのかどうかはさて置きますが。考え方としては間違っていないと思います」

近衛

(アイポンでイカの保存の仕方を確認しつつ、針を外して保冷してる)

リュドミラ

「またかかりました」



[arca] #股細長い魚だがカマスではない
[arca] #異様に長い



近衛

「……何だそれ」



[utako] #怖い



リュドミラ

「……太刀魚のようです」

リュドミラ

「ムニエルなどが主流ですが、鮮度の良いものは刺身でもおいしいそうです」



[arca] #メッチャ銀光り



リュドミラ

「狙いのアジが釣れません……」

近衛

「こいつは顎も顔も凄ぇな……、こんなのが海にいると思うと、うかつに海水浴も出来やしねぇ……」(こえーこえーと楽しそうに

近衛

「アジも確か群れで泳ぐ魚だろ。俺がかかったんだ、やってりゃ釣れると思うが……」

リュドミラ

「魚よりクラゲや貝の方が危険ですよ。海岸近くにはカレイやヒラメがいますね」

リュドミラ

「がんばります」



[arca] #また竿を立てる



近衛

「あぁ。俺も負けてられねぇな」



[arca] #しかし結局アジだけ釣れず、変なものが色々釣れた



リュドミラ

「……これはこれで大成果なのかも知れません」



[arca] #しょぼん



近衛

「初めてなんだろう? これだけ釣れりゃ上々じゃねぇかい。元気だせよ」

リュドミラ

「はい。頼んで和食にしてもらいます」



[arca] #見た目は西洋風だが中身は日本人



近衛

「俺のもまとめて持ってくかねぇ……、天麩羅が食いてぇさな」

リュドミラ

「フライではない所が乙なのです」(ぐっ

マフメロ

(自分で釣ったものを丸呑みしている

近衛

「日本人なら天麩羅だろう!」(ぐっ

リュドミラ

「はい、塩でも天つゆでも、ポン酢なんかでもいきたいです」



[arca] #ぐぐ



近衛

「良いねぇ。抹茶塩や柚子胡椒なんかも使ってみてぇな……」

リュドミラ

「おいしそうです。近衛さん、いけるくちですね」

近衛

「料理は上手いほうじゃねぇが、食うのは得意だ」

リュドミラ

「メイトは勉強中です。マフメロにおいしいごはんを食べさせたいのです」

近衛

「……美味そうに食材を丸呑みしてたぞ。」

リュドミラ

「……」(マフメロを見る

マフメロ

「まふ」(料理の方が良い。といっている

リュドミラ

「どうなんでしょうか……少し不安になってきました」

近衛

「子供の頃は味はよく解らねぇかもしれねぇが、もう少し大きくなってくれば……美味い飯がどうとか、好みがどうとか、言う様になってくるさ」

リュドミラ

「言語的不安もありますが……そうなると信じましょう」

リュドミラ

「近衛さんもたくさん釣れましたし、今夜も豪華になりそうです」

近衛

「だな。楽しみさなぁ」



[arca] #天ぷら祭り



マフメロ

「まふぅ」(近衛と同じような顔してる


大型水泳教室



[utako] #クルージング2日目、夜




(アロハシャツに海パン姿で甲板にあがり、月と星に照らされてもなお暗い海を眺めてから、軽い準備体操を始めた)

リディア

「浜でもないから、思う存分泳げますね」


「……果たして、俺の身体は浮くのだろうか」

リディア

「ほほほ、沈んでたら引き上げて上げます」


「……それは助かる、師姉よ」

リディア

「こう見えて泳ぐのは得意ですから」


(準備運動が終わってから飛び込む位置を確認して、反対側の縁まで行き、走る用意をする)


「……では先に行く。」

リディア

「即座に溺れるとか無いように」


(スタートを切って全速力で駆け、飛び込み位置から海へと跳びだした。水面に落ちる前に背中から大量の炎と二枚の翼が飛び出し、竜の身体を更に船から離す様に飛距離を伸ばす)

リディア

「派手な飛び込み……」



[TK-Leana] # こちらは粛々と服を脱いでたたみ、ぴょんと跳び下りる




(着水するとほぼ同時に軽い水蒸気爆発が起き、その中から赤い竜が現れる)



[utako] #ドラゴン化する際の熱が船に及ばないようにと、一応の配慮らしい



リディア

(飛び込んでしばらく後、少し離れた所からざばっと頭を出す)


(しばらくは周囲の海水がぼこぼこと泡立ち、ジャグジー状態)


『ぬ……、お……』(海水から顔を上げようと顎を上げれば沈み、翼をばたつかせようとしても、水に捕らわれて更に姿勢を悪くしてる

リディア

『息を止めて、力を抜きなさい』


(ぶぉっと炎を吐いて呼吸を止めるが、中々力が抜けない)『……力を、抜き……』



[utako] #逆に硬直してゆっくりと沈没していく船状態



リディア

『全く、赤子でも水に浮くくらいは出来ますよ』



[TK-Leana] # 器用に組みついて、水面に引き上げる




『……羊水に包まれていた赤子は、平気だろう』(冷静になるように息を整えようと荒い呼吸を繰り返しながら、翼が絡まないように捕まる

リディア

『人間体の時とは違い、力を抜いて首をもたげるだけで息継ぎは楽に出来ます。赫焔丸はでかい図体の割に肝が小さいですよね』


(むっとしたのか、体温が少し上がる)『……浮力を得られなかった原因は、俺の度量の小ささではない』

リディア

『そう主張するなら、落ち着いて深呼吸して見なさい』


(大きく息を吸って呼吸を止めると、胸の辺りが真っ赤に輝き、止めていた息と共に空に向かって炎を吐く)『フン……っ、……大丈夫だ』



[utako] #鼻から残り火を漏らしながら、プライドで呼吸を戻した。



リディア

『よろしい、ではそのまま力を抜いて』


『……』(数拍置いてから、捕まっていた腕の力を抜き、徐々に身体全体の力を抜いていく)

リディア

『離しますよ……』


『……よし』

リディア

『息を止めて、そのまま力を抜いていなさい』



[TK-iLeana] # ゆっくり身を離す




『……』(ゆったりと浮いてはいるが、体勢がやや間抜けな物になってしまってる)



[utako] #少し沈みそうになると、翼がピクピクと動いてる。



リディア

『多少バランスが崩れても気にせず、そのまま首を上にあげなさい

リディア

『肺に空気がある限り、絶対に沈みません』


(ゆっくりを首を上げるとまた少し沈むが、焦らず、四肢、尾、翼をゆっくりと広げて安定した浮力を得はじめた)『それは……息を吐き過ぎるな、という……事なのか』

リディア

『まあ、多少ならともかく、全部吐き出そうとすれば、だんだん沈んで行きますね』

リディア

『でも、浅く呼吸をしていれば、沈む事はまずありません』


『成る程、ふむ……落ち着いてみると、これは……面白いな』(短い呼吸を繰り返しつつ

リディア

『水の中で一番怖いのは混乱です』


(身を持って知り、ぼうっと火を吐いて) 『……助かった』

リディア

『ふふ、初めてなら仕方ありません。まあ、それで色々試してみるとよいです』


『……応』



[utako] #はじめは浮く事に慣れるのに精一杯だったが、徐々に動き始めると、尾や翼も使って、力強く泳ぐようになっていく。



リディア

『上手上手。竜は系統にもよりますが、水棲の物も多いですからね。元々泳ぐのには向いているのです』


『水棲の竜か、俺とは……相性が悪そうだ』(くつくつと笑って、身体を撓らせて水の中に潜り、身体の底面に熱を発生させて蒸気を起こす事で強い浮力を得たりして自由に泳いでいる)

リディア

『わたしの場合、母型の祖先にパスハが居るので泳ぎは得意なのです』



[TK-Leana] # ケルトのドラゴンで、主に湖に生息する




『ほぉ……』(水柱を上げて浮上してから少し目を細めて笑みを浮かべ、リディアの下へ潜って尾を引っ張る)

リディア

『きゃっ! もう、水に慣れたと思ったらすぐに悪戯して……』



[utako] #水中では薄ら赤く光って見えるため、場所がすぐにわかる




『水の竜の泳ぎを見てみたいぞ。師姉』 (海面から顔を出して、元気なのか口を開くと炎が漏れる

リディア

『少しオシオキが必要のようですね』



[TK-Leana] # ざばあと拘束で接近




(身を翻し、水中では大量の泡を目くらましにして逃げるがすぐ追いつかれてしまう)

リディア

『覚悟なさい、きええええ』(首と尻尾を使って締め上げる


(締め上げられながら海面に浮上、そのままの勢いで海上に飛び出し、鯨のジャンプのように身体をそらして着水する)

リディア

『ベホッ!』

リディア

『き、寄生虫を落とすマンボウのような事を』


『くく……、地上に堕ちるより、身体に響く……』(少し締め上げが緩くなると、リディアの身体を掴んで翼を大きく広げて羽ばたき、波を起こしながら力技でわずかに離水する)

リディア

『もう、乱暴ですね。これはもう水泳ではありません』


『……すまない、師姉よ。少々……いや、……かなり楽しくなってしまっていた』

リディア

「構いません。元々、楽しむために来たんですから」


『……ほかの兄弟と違って、俺は本来の姿で全力で遊んだ事もない……闘う事も楽しいが、こう戯れられる機会も、相手も貴重で浮かれてしまうな……』



[utako] #ゆっくり海水に下ろして、余る力を出すように、船から離れた方へ炎を吐いている。



リディア

『この姿では、寝返りを打っただけで下手をすると死んでしまいますものね』


『……まず、俺達が寝られる程の場所は公園か、駐車場ぐらいしか無いだろう。そんなところで共に寝るものは、家族でも中々居まい……』



[utako] #ざぶんと海水に浸り、尾を撓らせながら軽く泳ぎ回る



リディア

『というか、元の恰好で街中には出れませんね』


『その通りだが……師姉は妖精の力を使えば町の中で動けるのだろう。』

リディア

『正確には少し違いますね。街と隣り合った妖精の道でなら元の姿に戻れます。もちろん、どこにでもあるという物でもありません』


『……それでも、俺にもそう言う能力があれば良かったと……羨ましく思える。』

リディア

『何なら今度連れて行って差し上げましょうか』


『……お願いする。俺も街中で元の姿に戻ってみたい……』

リディア

『だから、街中ではありませんって』


『……視覚的に隣り合っている他界である現実の景色を共有するものではないのか?』



[utako] #首を上げて、小島のような身体を進めて近づいていく




『……妖精の道の中の風景は、重なっている現実空間に準拠するものだと思っていたが……もしや、木々が生い茂る林道のような景色なのだろうか……』

リディア

「一概にそうとは言えませんね。街中のように見える所も多いですけど、少し路地に入ると野原になっていたり、飛び上がると田園風景だったり」


『……その土地の記憶か』

リディア

「言い得て妙ですね」


『何となくだがそう思った……』(泳いで近づくと、休憩するように頭をリディアの背中に乗せる)

リディア

「妖精とは、忘れ去られた神々の末裔なのだと言います。人に忘れられた土地の記憶を住処としていると考えれば、しっくりきますね」


『……師姉の力もその末裔故か。』

リディア

「私の祖先はエリンの強大な太陽神だったと聞きます。ですが、旧教の普及とともに忘れ去られて行きました」


『……その末裔はここに居る、全てが消えたわけではないのだろう……』

リディア

『そうですね。私が未だ信仰を集めるエリンの神の娘なら、お姉さまや、貴方とも出会う事は無かったのでしょう。その事には感謝すべきかもしれません』


『……俺も感謝しよう。同じ種に出会えた事、良い師に会えた事を……、そして、歴史のない俺だが……何者かに伝えられる時には、師は神の末裔だと誇ろう』



[utako] #ふん、と熱い息を吐いて翼を広げる



リディア

「やめて下さい、素で恥ずかしいですわ」


『くく……(楽しそうに笑って)……兄が言っていたが、俺達は生きた年数は皆少ないが、生きていた年月はそれなりに長いだろうと……機会があれば、兄の言う昔の俺という物を……探ってみたいものだ』

リディア

「? どういう意味です?」


『……少し変わった、自分探しというやつだ』

リディア

「……? まあ、良いでしょう」

リディア

『泳ぎ回るのも良いですけど、こうしてのんびり浮かんでるだけというのも良いものですね』


『……先程まで熱くなっていた体が、調度良く冷えて気持ちが良い』

リディア

(濡れたラベンダー色の鱗が、月光にきらめいて大層美しい)


(片目を開けて見つつ、暫くするとフゴー……と鼻から軽く火が漏れた)

リディア

「どうしました、赫焔丸」


(背中から頭を退けて、いったん潜り文字通り頭を冷やしてから、浮上してくる)『……師姉の鱗は綺麗だが、俺には眩しい様だ』

リディア

(くすっ)「口説き文句にしては不器用ですね」


『……そういった物ではない』

リディア

「あらそう、素直に褒め言葉ととっておきますわ」


『……そうしてくれ。歯の浮く言葉は……俺には向かん』

リディア

「確かに、そう言うの下手そうですものね」


(落ち着かないようにグルグルとリディアの周りを泳いでる。若干獲物を狙う鮫のよう)


『……そこは特に上達したいとは思わんが……、向かんからと、外界を知らずに居るばかりでは駄目だとは……思っている』

リディア

『分かりませんよ。父親がアレですもの、何時覚醒を遂げるか……』


『……』(ぶくぶくぶく

リディア

『都合が悪くなると黙る所とか、似てますね』


『……似ても良い部分と、似なくても良い部分はある……』

リディア

『まあ、赫焔丸にああいうのは似合わないのでそうならないよう気をつけなさい』


『……応。』

リディア

『よい返事です』



[utako] #女性にプレゼントする事すら難しい男だった。
[TK-Leana] # いいこいいこと尻尾で撫でる




(しかし一丁前にムラムラするのはちゃんとあの父親の息子であった)


(身を捩って尻尾に軽く噛み付きながら)『……しかし、俺は無名だが……師姉は家柄、それなりに名は通っているのだろう。ドラゴンは希少な種族とも聞く……それなりに話もくるのではないか?』

リディア

『何の話ですか?』


『……上手い口説き文句を言う様な同種の相手を紹介されたり、……要は見合い等の話だ。』

リディア

『ああ、もちろんありましたけど、すべて断ってます』


『……お姉様、か』

リディア

『もちろん! あとは、ラベンダードラゴンの成竜は100歳からですから、私は魔王の血が混じっているので成長が早いですが、それでも気の早い話です』


『成熟の問題もあったのか……、成る程』

リディア

『まあそれでも、そう言う話を持って来るアホは居らっしゃいますが』


『……いつもの調子で、そんな阿呆も弾いているわけか』

リディア

『そういうことです』

リディア

「そう言う赫焔丸には浮いた話はありませんか?」


『……俺は言った通り無名だ。そんな話はない……』

リディア

「それだけのタッパがあれば大体モテそうですけど」


『……それは人間相手の話か?』

リディア

『ドラゴン同士となると、日本では難しいですね』


『……俺から見れば……世界的に見て難しい気がするのだが……、人間相手の話であれば……良好な関係を築けている者は少ない』

リディア

『デリカシーないものね』


『……ないのか?』

リディア

『あなた、自分にデリカシーがあると思ってたの?』


『慢心はしていないつもりだが……、人並みにはあると思っていた……』

リディア

『まあ、父親よりはあるかもしれませんね』


『……師姉にデリカシーについて告げられるとは、思っていなかったが……』

リディア

『どういう意味かしら』


『……つまりデリカシーにかけると言いたい』

リディア

『この完全無欠な乙女足る私の何処にデリカシーが無いと!?』


『……幾らドラゴンとしての気質によるものだとしても、……人の歳で、年頃と言われる女が裸で暴れていたり……(少し口篭り、数秒置いてから) ……そのような行為は、デリカシーがあるとは言えん。』

リディア

『くっ、気のせいかしら、正論に聞こえます』


『……俺の精神が未熟なせいもあるが、浮かれていたとは言え……(思い出しつつ) 今更だが……雌が雄に尾を巻き付かせるのも、どうかと思うべきか……比較するほど同種の付き合いがないせいで判断がつかん』



[utako] #珍しく頭を悩ませる



リディア

『これくらいなら親愛の印でしょう』(ぺしぺしと尻尾で叩きつつ


『……そう判断して良い事なのか……』(なるほど、と頷く


船旅も終わって暫く経った後のお話。



カウラ

「もうすぐ夏休みも終わるわね」

ルナ

「そうねぇ。意外と早かったわね」

阿光

「そうだなあ……長かったような短かったような」

阿光

「一応、高等部への編入は合格圏内とは言え、落ちたら洒落にならんから、そこそこ勉強浸りの夏だったな」

カウラ

「あまりに成績が悪い生徒でも、補習という恩情があるらしいのだけれど……、まぁ私は楽勝かしら」(澄ました顔して



[utako] #夏休み前半は夏季短の塾に行ってたのでばっちり



阿光

「欲を言えば……もっと遊びたかった」

ルナ

「船旅じゃ物足りなかった?」

リュドミラ

「メイトは遊びと勉強を完璧に両立しました」(魚の写真をノートに貼っている

カウラ

「十分楽しめたわよ、あの船旅は。良い経験だったわ」

マフメロ

「まふ」(これ無敵な場所に自分で釣ったミニ魚の写真を貼っている

阿光

「ほんと、色々な意味で貴重な経験だった」

ルナ

「確かに」

カウラ

「リュドミラとお父様がやってた釣り。あれは私もちょっとやってみたかったわ」(適当に竿を振るようなジェスチャーをしながら



[utako] #思い出しつつ



リュドミラ

「機会があれば行きましょう」

ルナ

「幹也はマグロをキャッチさせられたって言ってたけど、何してたのかしら?」

阿光

「そういえば、夜中海にドラゴンが泳いでた気がするんだが」

カウラ

「……それぞれ貴重な体験をしていたという事かしら」

ルナ

「そうらしいわね」



[SAIRU] #しみじみ



カウラ

「ルナが珍しく可愛らしいワンピース着てたのをちらっと見てしまったのだけれど、あれも貴重な体験だったわ」



[utako] #しみじみ



阿光

「清楚な感じだったよな」

ルナ

「み、見てたの」

カウラ

「すぐに行ってしまったから、ちらりとだけだったのだけれど」



[utako] #その後の顛末は見てない



ルナ

「ならいいけど……」

カウラ

「夏休みだもの、私も普段と違う服装にチャレンジしても良かったかしら」

ルナ

「私は当分遠慮したいわ」

リュドミラ

「近衛さんとアコウ先輩が喜びそうですね」

阿光

「そうだな。カウラが華やかな格好するのは少し楽しみだ」

カウラ

「……実はパンツルックでラフにきめようかと思っていたのだけれど……、華やかなのねぇ……」(うーん……

リュドミラ

「メイトはそちらの方が良いと思います」

カウラ

「秋頃になったら考えてみようかしら」

阿光

「パンツルックも良いと思うぞ」

ルナ

「それって着て欲しいってこと?」

阿光

「彼女の着飾った姿を見たくない男なんていると思うか?」

ルナ

「そこまで潔いと納得せざるを得ないわね」

カウラ

「普段履かないだけで持っていないわけじゃないんだから……、私は良いとして、万年ロングスカートのルナもやってみたら? パンツルック」

ルナ

「ああいうのはどうにも似合わないから。私がもう少し活発ならマシなんだろうけど」

カウラ

「細身のジーパンなんかだと似合いそうよ? どちらかといえば大人しい子向きだもの」

リュドミラ

「ショーツを履かなくても怒られませんし」

阿光

「カウラも結構ジーパンも似合いそうだよな」

カウラ

「実際、ショーツラインが出るのが嫌で履かない人もいるらしいのだけれど……履きなさいよ。一応」

カウラ

「私は何でも着こなせる自信があるわよ。」(ふふん、と笑って

リュドミラ

「釣りもパンツスタイルが推奨されます」

ルナ

「そういう自信があるって良いわねぇ」

カウラ

「ないならつけなさいよ。色々着て、色々試してみないとつくものもつかないわよ」

阿光

「自身は出来るものじゃなくて、付ける物だ」

ルナ

「まぁ、そういうものよね」

カウラ

「じゃぁ、秋はパンツルックに決まりかしら。良いの選んであげるわよ」(あは、と笑って

ルナ

「変なの選ばないでよ?」

カウラ

「お父様じゃないんだから、普通に可愛いのを選ぶわよ」

ルナ

「ならいいけど」

カウラ

「秋の事はまだちょっと先の話だから良いとして……、残りの夏休みはどう過ごそうかしら」

リュドミラ

「メイトは引き続き渓流などで釣りをする予定です」

カウラ

「かなりアウトドア派になったわね……」

ルナ

「船旅が良い刺激になったみたいね」

阿光

「の割に日焼けしてないよな」

リュドミラ

「ちょっとだけしています」(くいっと袖をまくる

カウラ

「……変な色になってるわよ」

リュドミラ

「メイトの体内の、人間で言うメラニン色素に当たるものがこう言う色なのです」

ルナ

「……これからは日焼け止め塗りなさい」

リュドミラ

「硅素を補充すればすぐ元に戻りますが」

リュドミラ

「気をつけます」

カウラ

「私は……2学期の授業内容の見直ししながら、読書でもして過ごそうかしら」

ルナ

「私はいつも通りねぇ」

阿光

「俺も特に予定は無いなあ」

カウラ

「のんびりねぇ」(くすくすと笑って

阿光

「まあ、宿題を予定通り終わらせるくらいか」

カウラ

「長期のお休みの終わりには調度良いかしら。残りはゆっくり過ごしましょう」

リュドミラ

「ゆっくりイチャイチャしてください」

阿光

「そうだな」


代償のそのまた代償



近衛

(お盆明けはリテイクに忙殺されて1週間)

近衛

(プシュー)



[utako] #次の仕事もあるためほぼフル稼働で終わらせてオーバーヒート



ローザ

「お疲れ様です」(お茶を淹れる

近衛

「この時期は映画のDVD版を出す前だとか……ゲームの締め作業だったりで……、流石に力を使いきったさな……」

ローザ

「お風呂お沸かししましょうか?」

近衛

「頼む……、作業室がエアコン効いてるとはいえ……流石に臭ぇな」



[utako] #うなじを少し触って臭いを嗅ぎ、渋い顔



ローザ

「わたくしはそこまで気にならないのですけど、子供たちは容赦なく言ってきますわね」

近衛

「綺麗好きなんだろうが……、こればかりは父親の仕事の事情と察して欲しい所だな……」

ローザ

「さっぱりしてきたらお夕飯にしましょうか。今晩はお素麺ですよ」

近衛

「良いねぇ」

近衛

「浴衣も出して、納涼の雰囲気で戴こうかねぇ」

ローザ

「いいですね。実は一昨日うちわを新調したんですよ」

近衛

「何か気に入ったのを見つけたのか?」

ローザ

「ええ。浴衣に合わせて可愛らしいのが見つかったので」

近衛

「そりゃ楽しみだ」(腕を組んで浴衣姿を想像してみるが、浮かんでくるのはハチミツと着物

ローザ

「近衛さん、不埒な顔をしてますわよ」

近衛

「……ちょっとお疲れなだけです」



[utako] #顔を揉んで誤魔化し誤魔化し



ローザ

「近衛さんが疲れてない時ってあるのかしら」

近衛

「そりゃ、しっかり食ってぐっすり眠った時には割と疲れも取れてるさ」

ローザ

「いえ、そういう意味では無く」



[TK-Leana] # 不埒な顔=疲れてるなら



近衛

「……」(キリッとまじめな顔)



[utako] #脱不埒



ローザ

「……」(ちらっと足を組みかえる

近衛

(何故か対抗して二等筋アピール、キリッ)

ローザ

「筋肉付きましたわよね、近衛さん」

近衛

「抱っこぐらいもう余裕だぞ」(言われて嬉しくなりながら、ついつい組み替えた脚に目が行きだらしない顔になる。

ローザ

「五分もちませんでしたけど」

近衛

「少しもったのは評価して欲しい所だが、今のはずるいと思うさな……」

ローザ

「気合いが足りませんわ」

近衛

「気合で無視するには難易度高ぇさな。せめて……、せめて……」(うーむ、と難易度低い誘惑について悩み始める

ローザ

「せめてなんですか」

近衛

「……せめて、膝と膝の間を2cm開けるぐらいにしといてくれ」

ローザ

「こうですか?」

近衛

(目を閉じる気合)「そんな感じ」

ローザ

「……あ、いけない」

近衛

「……どうした?」

ローザ

「巫女のバイトの時脱いだままパンツ履いてませんでした」

近衛

(目を閉じても豊かな想像力はしっかり働き、鼻血を噴いた)

近衛

「ぐ……、ごふ……、最近……色々あってご無沙汰なせいで……、破壊力が……」



[utako] #ぼたぼた



ローザ

「嘘ですわよ」

近衛

「……」(じとー

ローザ

「常識で考えてそんなことあるわけないじゃありませんか、全く」

近衛

「解ってても言われちまったら想像しちまうだろう……」

ローザ

「安易に目なんかつぶるから真実が見えないんですわ」

近衛

「それっぽい事言ってるが、俺の自制心を試そうするにも……もう少し方法がねぇもんか」

近衛

(ティッシュで鼻を抑えつつ)「(……目を閉じても変わらねぇ魅力があるとは、流石に言うには恥ずかしいな)」(ちーん

ローザ

「まあ、でも実際効果的でしたわ」

近衛

「……確かに。(むすっとしつつ) ……ったく、気合でそれぐらいの誘惑、無視できるぐらいにはしてみせるさな。ノーパンでうろうろしてようが気にしないぐらいの紳士力ってやつを身に着けてやる」

ローザ

「近衛さん、無理な事は無理と言っても良いんですよ……」

近衛

「……始めに言っとくと多分無理だが、別になんて気にしてねぇやつにまでだしない顔してるわけじゃねぇからな……?」

ローザ

「つまり、気になるとだらしない顔になるわけですね」

近衛

「なるな。この間、ルナがワンピースを着てくれた時には驚いてそれどころじゃなかったが……、ローザ達が俺の水着着てくれたりしてると、半端なくだらしなくなるさな」

ローザ

「あの恰好じゃ思い切り泳げないじゃないですか」(少し赤くなる

近衛

「人目のねぇときには思い切り泳いで欲しいぐらいだが……、そう言うのは家族だけ、大人だけの時にしねぇといけなかったな」

ローザ

「何を期待してるのか丸分かりですわよ、近衛さん」

近衛

「……顔に書かれてたか?」(眉間をぐいぐいと揉んで

ローザ

「それ以前の問題ですわ、全く」

近衛

(はて、と首を傾げてこめかみを掻く)



[utako] #子供連れでは大人は思い切り遊び辛いため、大人だけの時間の時に思い切り泳ぐのが良いだろう、と。
[utako] #そんな真っ当な事を6割ぐらい考えてる!


時系列


2013年、夏

解説


2013年夏休みの旅行のお話。章題の時系列は上下していますのであしからず

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とにかく、元気いっぱい!ぶらりんぱわーではぴはぴ! 常識的な子は少ないけど、それでもあまり修正しないところがはぴはぴ!Paとジト目担はこちらです
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