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狭間06エピソード集

エピソード『ドラ3』




目次





エピソード『ドラ3』


登場人物



ラウラ・ニドヘッグル

黒竜の少女

赫焔丸竜

赤竜の青年

リディア・フォン・シュタイナー

虹竜の女の子

緋昏歩

アネモネラウンジの店主

リンダ・レイヴンクロー

異邦の烏天狗


本文



[utako] #市内のとあるコンビニ。



ラウラ

(アイスケース前で一考)

ラウラ

「(スーパーに行けばこれより40円は安い物が手に入る……、でも……今食べたい。正確には今すぐ買ってアパートに帰って楽天から届いた漫画を読みながら、食べたい……)」

ラウラ

(財布の中身を思い浮かべながら)「(今月使いすぎちゃったから……、おやつは2つまでにしないと……何でお昼にあんぱん二つも食べちゃったんだろ……)」



[utako] #深いため息をつきつつ決心してバニラを手に取るが、目の前のガラスの向こうで赤い髪が揺れるのを見た。



ラウラ

「――……」

竜@TS中

(ジャーキーを買いに来たが、自身の買い物より多い姉妹の買い物メモを見ながらやや不機嫌そうな女性)

リディア

「逆転しても立場はそのままなんですね」


「……誤解があるが師姉よ。もののついであり立場は関係ない。決して使い走りでは……」

リディア

「でも、いつもですよね」


「……たまたまだ。」

リディア

「そういうのを貧乏くじって言うんですよ」

ラウラ

(じーっと赤髪の女性を見ていたが、傍らにいる男を見て、やや険しい顔をした)



[utako] #まだ欧州にいた頃に貴族の集まりで見たことがあるような



リディア

「?」



[TK-Leana] # 視線に気づいて怪訝そうに



ラウラ

「……いや、でも……『石の一族』のラベンダードラキュラは、確か……女だったような……」



[utako] #商品棚の影からじーっと観察。
[TK-Leana] # 顔に見覚えあるだろうか
[utako] #小さな頃にパーティで何度か見た事ある感じで




「なにやってるの? ラウラさん」

リンダ

(歩の後にいる

リディア

「ああ、ニーズヘッグのお嬢さんでしたね。見憶えがありますね。何か用です?」

ラウラ

「え……(いきなり現れた歩にびっくりしつつ)……やっぱり、リディア・フォン……シュタイナー……ラベンダードラキュラ……なんで日本に」


「故郷のお知り合い? ……と、あれ?」(竜を見て首をかしげる

リディア

「むしろ、わたくしからすれば何故貴方がここにと言いたいのですが。その様子だと偶然のようですね」


「……(この気は竜くんよね。でもどう見ても女の子だわ)」



[arca] #首をひねったまま悩む



ラウラ

「……留学中。……それより……男、だったのか?」(子供の頃に見た時には綺麗な年上のお姉ちゃん的な印象だったらしい)

リディア

「いえ、魔術師の実験に巻き込まれて一時的に変化しているんです。じき戻るでしょう」


「あー、なるほど」(手をポンと叩く


(少女向けの雑誌とジャーキーを手に取りつつ)「……早く元に戻りたい、が……師姉よ。ニーズヘッグとは、北欧の黒い竜の事か?」

リディア

「ええ、エッダに謳われる世界樹の根を齧る蛇です」


「ふーん、そんなすごいのだったのね」


「……神話の蛇、にしては……やや小柄だな」

ラウラ

「……私がまだ子供だからだ! 一族は幾人も人間を背に乗せて飛べる程に大きい!」

リンダ

「ニーズヘッグ。あの悪食振りも納得がいく」

リディア

「爬虫類は生きている限り成長を続けますから」

ラウラ

(その通り、と慎ましい胸を張り)「……そっちの、体だけでかそうなのは……ラベンダードラキュラのお弟子?」


「竜くんよね? 女の子になってるけど。久しぶり」(微笑み)

リディア

「弟弟子です。赫焔丸、知り合いですか?」


(歩に会釈し)「……知り合いだ。」



[utako] #ハクリンからは会わないように言われていたが、会ってしまったものはしょうがない、と心の中で頷く。




「いいのよ、かしこまらなくて」(竜に優しく微笑む)

ラウラ

「……弟弟子……、あの……デビル何とか八極拳の」

リディア

「ええ、そのです」


「へえ、なんかすごそうね」

ラウラ

(若干じとーっと視線を厳しくしながら竜を見てから、はっとして……男の姿のリディアをちょっと避けつつ、竜に近づいて)「……ちょっと失礼。」



[utako] #くん、と匂いを嗅ぎ、少し顔を明るくした。




「……?」


「なに? 人目惚れ?」

ラウラ

「……石鹸の匂いと、ドラゴンの血の臭い……同族」


「そうね、竜くんはかなり大きなドラゴンね」

リディア

「人の世では同族に会うのも難しいですからね」

ラウラ

(性別は違ったが懐かしい顔と同族に会えて、ちょっとホームシック緩和した)


「この街じゃそう言う感覚も麻痺してくるけどね……」



[arca] #やっぱホームシックやったんや



ラウラ

「……わざわざこんな東の隅っこに探しに来て、同族に会えたのは良かった。……ウェールズの赤い竜にも早く会えれば良いけど……」

リディア

「ウェールズの?」

ラウラ

「……私の家の占い師が唱えた。ウェルシュ・ドラゴンの再来。ローテンフェルトで確認されたと聞いた赤い竜は、今は吹利に居るとか……シュタイナー家は、かの家と懇意にしていると聞いてるけど……知ってる?」

リディア

「ローテンフェルトでですか」(ちらっと竜を見る


「……」(探してる目的もわからないので首を振る)


「ウェルシュ・ドラゴンかー。眠り姫に出て来るような感じかしら」

リディア

「北欧の竜がそれを探して如何するつもりですか?」

ラウラ

「……一族に血を混ぜる。近年、育ちの悪い個体や、能力の低下が問題になってるから……」(ちょっと赤くなりながらもじもじと)

リディア

「それで若い竜ですか……まあ、少子化はどこも同じですね」


「ラウラさん、旦那様探しに日本にやって来たのね」

ラウラ

「……うん。」



[TK-Leana] # シュタイナー家の現当主は、元々は少子化に悩む魔界各氏族を救うため人工的に作られた種馬だったりするので気持ちはすごい分かるのだった



リディア

(ちらっと竜を見る


(あんまり興味なかった)


「でもラウラさん、再来って言うけどドラゴンって突然ポンと生まれるものなの?」

ラウラ

「……生物的に続いてきた者と、それこそ地球からポンッと生まれる者が居るとお婆様に聞いた事がある」



[utako] #大地から生まれるドラゴンとして後者だと思ってるらしい。




「ふーん」(やはり竜をみる


(視線が痛い)「……その内、見つかる、と……おr……私は思う、ぞ。……吹利は狭い」

リンダ

「ニースヘッグの古竜を探した方が良いのでは?」

リディア

「まあ、こんな若い子に爺さんの相手をしていろだなんてなんてことを」

リンダ

「ドラゴんもハイカラな者が多くなったのだな」


「まー、どっちかって言えば同種の方が良いかもだけどね……お爺ちゃんはちょっと」

リンダ

「それはジジイババアに失礼ではないか歩」(自分のことを言っている)


「あはは……」

ラウラ

「……再来とはいえ、赤竜が見た目お爺様という可能性は……考えてなかった」



[utako] #脳内では何故か王子様になってたぐらいには花畑乙女脳。



リンダ

「私とてまだ子をなすことぐらいできるぞ」(ぶつぶつ


「いや……若い、とか……なんとか……噂で」


「ふーん」

リディア

「見つかると良いですね、ラウラさん」

ラウラ

「……うん。頑張る……その為に色々と勉強もしてるし……(またちょっと赤くなりつつ) ……で、では私は帰る。長いし過ぎた……」

リディア

「ええ。こちらも、早く帰らないと怒られますね。赫焔丸が」


「……あ、そうだラウラちゃん。頼みたいことがあるから近い内にお店によってね」

ラウラ

「……うん? ……了解。」

ラウラ

(小さく手を振りながら小走りでお店出て行った)


「竜くん……と、リディアさんだっけ。私も買い物住ませないと。またね」


「……」(ぺこりと会釈)


「ちなみに、ウェールズドラゴンって竜くんのことなのかな?」


「……知らん。俺は日本人だ」

リディア

「実際のところよく分かりませんけど」


「そっか。そっちは相変わらずトラブル絶えないみたいね。……あいつによろしく言っておいてね」


「……」(こくりと頷く)


(手を振り)「リンダ、チョコミントだっけ?」

リンダ

「ああ……あの上の棚の……」



[arca] #アイス買って去っていく



リディア

(無戸室家の誰かの友達かな)


「……あれは、事情はよく解らないが……抜けた家族だ。父の……近衛の二人目の嫁だった。」

リディア

「なるほど、あの甲斐性なし愛想尽かされたんですね。ほほほ」


「……聞いていた状況とは違うらしいが……緋昏歩に、種探しのニーズヘッグ……うかつにコンビニに来れないな」



[utako] #記憶喪失がどうと聞いてたが、と首を傾げつつ



リディア

「あら、気が進まないのなら、さっさと名乗り出て断ればよろしいのに」


「……あ。」

リディア

「まさか、思い至らなかった?」


「……よく話も聞かずに断るのも、……重大な事なのかもしれん……」



[utako] #面倒臭がっただけという説



リディア

「よく話を聞くのは面倒だったんですね、重大なことかもしれないのに」


(言葉に詰まりながら買い物済ませ)「……機会があれば……よく話を聞いておく」

リディア

「……そうですね、機会があればそうしなさい」


「……ドラゴンの少子化問題がそれほど重要なのか……、俺には解らんが」

リディア

「放っておくと減る一方ですからね」


「……この世界の最上位は蔓延る人間だ。それも已む無し……とはいかないのだろうな。」

リディア

「そう思うには、竜も人に近くなりすぎました」


「……成る程。」


時系列


2013年秋

解説


TS騒動の間の出会い

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