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狭間06エピソード集

エピソード『新兵器ブリキメット』




目次





エピソード『新兵器ブリキメット』


登場人物



佐藤火星
謎の宇宙人。

舞松原郁平
地球を救うために宇宙人と戦う勇者。


本文


[utako] #吹利市内、とある量販店



郁平
(壊れた毒電波遮断以下略につかっていたプラスチック製カラーバケツに変わる材料を品定め。予算(お小遣い)的にはお手頃だったが強度に多大な問題があったことが判明したため、今は金属製のバケツに夢中になっていた)

郁平
「この……使い込まれたような印象のブリキバケツ……、欲しい……(カンカン)……強度も、多分大丈夫。それに……何故かお洒落にも見えてきた……」

郁平
「ロゴも格好いいぞ。これ……グ、グラ……グレート、なんとか……読み方解らんけど、何か良い」



[utako] #商品棚の前にしゃがんで目を輝かせながら理解に苦しむ青春を謳歌。
[utako] #一つ取っては喜び、値段を見て棚に戻す事を繰り返し。また一つとった所で、合成写真のように棚向かいの女子が見えた。



郁平
「……」(そっと棚にバケツを戻し、しばらく考えてからもう一度手にとって向こう側を覗き込む。

火星
「これです、このホース。学校で使ってるのと同じものなんですけど……家でも使ってみたいんですよね」



[utako] #園芸商品の前で楽しそうにホースについて話している超中学生級半宇宙人に、隣には見た事のない青年。



助手
「あはは、博さんか佳恵さんにおねだりしてみても良いと思うよ。佳恵さんも確か、園芸好きだったよね」

火星
「今度母さんと検診行った時に、それとなく話を振って貰えると……助かります」(お願いします、と手を合わせてにへらと笑い

助手
「仕方ないなぁ……僕、あんまりそう言うのは得意じゃないよ? バレちゃっても知らないからね」

郁平
「(佐藤火星に……、普通の人だな。あれ……宇宙人め、何しに……ハッ!! もしかして、俺の新兵器、怪電波反射装置の構想にもう気づいて……!?)」

火星
「やった! これがあると、裏に大き目の畑なんかも作っちゃったりできると思うんですよね!」(ふわっふわと嬉しそうに回り

助手
「あぁ……、と……危ないよ。いろんな意味で……」

郁平
「(よく聞こえなかったが……なんだ、家の裏になにか……巨大な施設でも作るつもりか? ベースか? 交信基地か?)」

火星
(きゅきゅっとターンしてブイサイン)「大丈夫です! これでも運動神経にはそれなりに……、ここだけの話……例の感覚手袋つけてると、空気感も解るから……バランス取るのも上手くなったんですよ」



[utako] #小さくブイブイと嬉しそうにピースして



助手
「三半規管にも良い刺激になったのかなぁ……、今度テストしてみようか」

火星
「はい!」



[utako] #うきうきと次の商品を見に移動していが、流石にバケツ一個分をどかした程度では追えなくなる。



郁平
「……あの男、ただの人かと思ったが……宇宙人の関係者……、それもテストがどうとかって……、シンジケートの人間か!?」

郁平
「まずい! ……まずいところに遭遇してしまった、しかし……焦りじゃない。これは……何ていうか、見てはいけないところというか、見て微妙な心境と言うか、……友達がデートしているところを見て羨ましい様などうでも良い様な微妙な感情に近い……」

郁平
「はっ……、兄貴が彼女とデートしているところに遭遇してしまったときの、あの、微妙な感じだ……!!」

郁平
「……まぁ、別に良いか、6:4(微妙)でどうでも良い……」



[utako] #棚にバケツを戻し、もう2、300円安いブリキバケツを手に取る。



郁平
「今日は宇宙人の監視をしている暇などない。怪電波反射……増幅、防御……いや防護、メット……の開発に着手する予定に決めていた……」



[utako] #早く帰ってプラモつくろう、みたいな感じで買い物を済ませて家に帰るが
[utako] #思ったより硬くてカッターでは削れない事に気づいたのは、後々になっての事だった。

時系列


2013年3月

解説


宇宙人が男と一緒に歩いている所に出くわす郁平。割とどうでも良い。

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