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狭間06エピソード集

エピソード『影と鬼ごっこ』




目次





エピソード『影と鬼ごっこ』


登場人物



影蜥蜴

竜の姉。ツンデレシスコンの疑い浮上。

赫焔丸竜

デビル八極拳の門弟。割と世間知らずの天然。

リディア・フォン・シュタイナー

竜の姉弟子。世界は自分中心に回ってる系の。


姉のちょっかい



[utako] #フィネストラ・屋上
[utako] #時間は腐る程あるニートドラゴン、日曜日も関係なしにせっせと鍛錬していたが姉が見物に来ていた。



影蜥蜴

「……飽きもせず拳を振り回してる様を観ていると、懐かしいような愚かしい様な、複雑な気分になるな」


「……小言を言いに来たのか、姉よ」



[utako] #垂れる汗が邪魔なので額に手ぬぐいを巻いて
[utako] #柄悪い



リディア

「影さんにも経験があるようですね」

影蜥蜴

「影の元は、言うまでも無く蜥蜴だが妖怪としても生物としても強くはない。そもそも情報収集が任務なのだが、戦えない己が嫌で特訓をした覚えがある」



[utako] #落下防止柵に寄りかかって思い出しつつ



リディア

「武術とは、元々弱いものが強い物に勝つために編み出されたものです。で、あれば、十分な功夫を積めば蜥蜴でも虎を倒せるようになるのは道理」

影蜥蜴

「道理は必ず通せるものではない。それも等しく道理なのだ。蜥蜴は虎には勝てぬ。もし勝てたとすれば、それはもはや蜥蜴とは呼べない」

リディア

「ではなんであると?」

影蜥蜴

「それは解らないが自分が何者であるかの拘りを、捨てる……とは行かずとも、己の中の棚に一時だけ仕舞い、願う者に近づこうとすればそれとなるだろう」

リディア

「自分が何者であるかを決めるのは自分です」

影蜥蜴

「それで良いのだ。何であるか、自分が解って居れば良い。が……そこの人の技を学ぼうとしている弟は、少しばかり素直すぎる」

リディア

「?」

影蜥蜴

「影が拳を鍛えて得たのは、無心と楽だ。要は遊びだな」


「……俺にも良く解らん。姉よ、何が言いたい」

影蜥蜴

「人を学ぶに、まず子を学び、親を学び、死を学べ。碌に身体の使い方も解らん奴に、喧嘩はできんぞ」



[utako] #柵から離れて、原稿が終わって暇を持て余した姉が艶に笑う。



リディア

「……?」


「……」

影蜥蜴

「リディアも付き合え。本気の鬼ごっこをするぞ」

リディア

「いえ、言いたい事が良く分かりませんけど」

影蜥蜴

「鬼ごっこをとした事がないのか?」

影蜥蜴

「鬼ごっこをした事がないのか?」

リディア

(ぼそぼそ)「ひょっとして、暇を持て余して遊んで欲しくて出てきたんでしょうか」



[TK-Leana] # 竜に




「……知らん、が……鬼ごっこ、児童の遊戯だろうが、姉からの挑戦を受けずには居れん」

リディア

「ま、赫焔丸も納得しているなら良いでしょう。それで、誰が鬼をやるんです? じゃんけんですか?」

影蜥蜴

「まずは影が鬼になろう。場所は公園、間違っても飛んだり火を噴いたりするな。これは『人』の遊びとしてやるのだ。勿論身を隠すのはありだが、違法行為、危険行為は禁止だ」

リディア

「つまり、人として出来る範囲の事をと言う事ですか」

影蜥蜴

「そう捉えてもらっても良い。人として、何が出来るのか見物だがな」(によっと竜を見て笑い


(静かに体温が少し上がった)



[utako] #わけわかめでも乗せられる



リディア

「じゃ、行きましょうか」


鬼ごっこ



[utako] #フィネストラ前の公園



影蜥蜴

「30秒経ったら追いかけ始める。怪我に気をつけて自由に逃げろ」



[utako] #さぁー、いけー、と両手を挙げて



リディア

「はいはい、それじゃ逃げましょうか」(すたたと走り出す)


「うむ」



[utako] #スタートはリディアについて走りだすが……
[utako] #どすどす、と擬音の似合いそうなフォームで遅い
[TK-Leana] # リディアはまあ技能値10+2くらいの。普通の学校のクラスではトップレベルの運動能力、程度
[utako] #竜はポテンシャルは高いが、技術が追いついてない。7+3も良いところ。卓越した身体能力だが、へたくそ、程度




「……ぬ」



[utako] #早く走ろうという意識すらした事もなく
[utako] #早く走ろうと意識して軽く躓いた



影蜥蜴

(ゆーっくり数えながら見てる)


(周囲、遊んでる子供やランニングしている人を見て不思議そうに首を傾げて、またどすどすとリディアの後に続いてみる)

リディア

「まあ、分かってましたけどこうなりますね」

影蜥蜴

(カウント切って走り出すが、難なく竜の後ろに着き)「そうだ。姉に勝とう、人の技を学ぼう、結構だが。これはまだスタート地点にすら立てて居ないのだ。殴り合いならその辺の不良には勝てるだろうが、それも恵まれた体格が合っての事だろうな」



[utako] #すれ違いざまにポンっと竜の背中をタッチして、そのまま追い越していく。




(タッチされただけなのに、一瞬、刺された様に苦悶の表情を浮かべて、立ち止まった)

影蜥蜴

「リディアは人間体に良く慣れているな。武道を学び学校に通って居れば当然だが、竜と人での差はもう感じないのか?」

リディア

「? 全然違いますね、別の身体ですもの」

影蜥蜴

「どちらのほうが上手く使えるか、と言う差だ」

リディア

「ナンセンスですねそれは」

影蜥蜴

「大事な事だ。意識すらしていないのならそれで良いが、竜を観ろ。どちらも上手く使えていない」

リディア

「だから上手く使えるようにしようと我らが門派に入門したのでしょう」

影蜥蜴

「火を吐くだけの能しかないそれも飛ばない飛竜が人の身になって人の技を学ぶのに、あの体では先人に失礼も良い所だとは思わないのか?」

リディア

「失礼も何も……入門したばかりの小僧がどの体だったところで気にする事はないでしょう」

影蜥蜴

「弟子と名ばかりか。期待はしていたが、そんなものだな」

リディア

「言ってる意味が分かりません? 喧嘩売ってるなら買いますけど」(不快そうに)

影蜥蜴

「あの小僧の為に買うのか?」

リディア

「私の誇りと、門派の誇りと、あとちょっとはあの弟弟子に対する侮辱を濯ぐためです!」

影蜥蜴

「お爺の門派には尊敬の念は抱いている。リディアの誇りも侮辱する気はないが……あのいかつい不出来な弟を、弟子欲しさに受け入れたわけでもないのだな」

リディア

「弟子ではなく、弟弟子です。師範代の免状も得てないのに弟子なんか取れません!」

影蜥蜴

「……その割には息巻いて教えているだろう。それに、竜にとっての師とはリディアなのではないかと影は思っている」

リディア

「私程度を目指されても困ります。これでも身の程くらいは知ってますから」(ふん


「……俺は、竜として俺よりも弱い……その程度の者を目指している」(ゆっくりと近づいて来て

リディア

「なんです、改まって」


「……解らんが、身の程を知らねばと……、改めて思っただけだ」(がりがりと頭を掻いて、眉間に皺を寄せた

リディア

「当然の事です。敵を知り、己を知れば百戦危うからじ。この鬼ごっこだって、身の程をわきまえていれば『負ける戦いは受けない』もしくは『勝てるルールで戦いを仕掛ける』という選択肢もあったはず。コレもフーリンカザンです」

影蜥蜴

「……フーリンカザン?」

リディア

「そう、フーリンカザン」


「……デビル八極拳の極意だ。フーリンカザン、カラテ、フーリンカザン」

影蜥蜴

「……竜、体験入門程度にしておいた方が良いのではないか? 騙されるぞ、縦ロールや虹色ウェーブに騙されるぞ」



[utako] #変った武人だと思ったらニンジャだ! こいつらニンジャだ!




「騙されて等……(視線をそむけて) ……いない」

リディア

「何故目をそむけるのです! これは正月に大河おじさまから教わった事ですから、間違いない筈です!」



[TK-Leana] # 正月の大河。大体酒飲んで酔っ払ってた



影蜥蜴

「駄目だ……、身体の大きな爬虫類は皆アホなのかもしれない……」


「……知識は確かに劣っているがそれを理由に人を卑下するのは、見っとも無いぞ。姉よ」

影蜥蜴

「無駄に正しいことを言われてしまった!?」


「……信ずる事に臆するな」



[utako] #哀れみ



影蜥蜴

「……おま言う」



[utako] #鬼ごっこする気もなくなり、竜の技術のなさを再確認した影蜥蜴はとぼとぼ帰って行った



リディア

「……赫焔丸の事が心配だったのかしら。ツンデレかもしれませんね、あの人」


「……世に言う面倒臭い系と言う奴な気はするがな」

リディア

「実在のツンデレは大概残念系とも言いますね」


「……師姉も残念系に属していると思うのだが、齟齬はないだろうか」

リディア

「ほほほ、この美しい私を残念系とは。美的感覚おかしいんじゃないですか?」


「……内面の問題で……、いや、やめておく。俺の勘違いであった」

リディア

「そうでしょう、もう少し赫焔丸は女を見る目を養った方が良いですね」


「……必要なのか、それは」

リディア

「もちろんです、人生の損ですよ」


「……解らん」

リディア

「貴方もいずれつがいを見つけるのに、下手なのにつかまったら損でしょう」竜:「…創造物の俺に同族はいない」(一族的な意味で

リディア

「近縁種なら大丈夫でしょう、魔物って割とその辺の生態いい加減ですよ」


「……同じ竜種族での交配……交雑になるのかどうかは解らんが……、子孫には……今のところ興味はない。師姉にはあるのか?」

リディア

「……ないですね。まあ、ただでさえ数が少ない竜族の中で、同年代となると更に少なくなりますし」


「……流石に雌同士での交配は考えてはいないのか」(リデ×ロザ

リディア

「むしろ孕ませ……おっと」

リディア

「そうですね……生やせばいいんですね」


「……本当にいい加減な生態だな」

リディア

「流石に無理ですよ」

リディア

「何かしらの魔法薬を探すかしない限り」


「……」(何か言うべきか、言わざるべきか、何も言わない

リディア

「まあ、検討しておきましょう!」


「……うむ」


時系列


2013年3月

解説


赫焔丸とリディアが屋上で鍛錬を積んでいる所に現れる影蜥蜴。どんな意図があるのか、鬼ごっこをしようと提案する。

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月影れあな

ログ切り人。IRCでのNickはTK-Leana。 思いつきでキャラメイクしては一発ネタで終わることが多いため、参加者ページのキャラクターリストは出オチキャラの墓場になっている。
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