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狭間06エピソード集

エピソード『腐爛堂涙登場』




目次





エピソード『腐爛堂涙登場』


登場人物



剣一心
闇の仕事を請け負う傀儡師。
腐爛堂涙
一心の幼馴染みの変身忍者。何か事情が合って家出してきたと言うが……

本文



[kurov] 門柱の傍、通る人を眺めながらときおり携帯をいじる美人がひとり。高い身長もあって目だっており、学祭ということもあり何人か声をかける男女もいるが軽くあしらっている。
[kurov] 一心の姿を見かけると微笑んでつかつかと歩み寄ってくる。どこかで会ったような。



一心
(首をかしげ)「どっかで会いましたか?」

(一心の目の前に立つ)「イッちゃん、変わってねーな!」


[kurov] #覆いかぶさるように背中に腕を回し抱擁



一心
「え、いや、誰?」


[kurov] #周囲の目が




(手を離し)「忘れてるとかひでーな、まあ、久しぶり過ぎるかな……僕もそんなに変わってねーつもりなんだけど」(笑いかける。その笑顔に少し面影が)
一心
「……あ。あー、あー……ええと」


[kurov] #声にも聞き覚え。少年のころからあまり変っていない、中世的な声



一心
「ここまで出てくんねんけど。あれやろ、キミ。昔おとんに連れられてあった……ていうか男やろどんな格好してんねん!」

(ばしばし背中たたき)「思い出してくれたか!どんなカッコって、……普通だろ?」


[kurov] #フェミニンよりであはるものの、確かに男子としても普通の格好である、が、容姿とにじみ出るオーラが女子であるかのような印象を与えている



一心
「男らしい格好せんから、一瞬誰かと思ったやん。あー、まあまだ名前は出てきてへんけど」

「なんだよ、覚えてたのは僕だけか?将来を誓い合った仲だってのに」
一心
「ないわー。男と将来誓い合う趣味はないわー」


[kurov] #共に夢をかなえようぜとかそういう方向性である




「酷い!僕は傷ついたぜ」


[kurov] #落ち込むポーズ



一心
「はいはい、ああ、段々思い出して来たわ」


[kurov] #子供のころの涙は気弱で背も低く今よりも女子っぽかった




「本当に?」
一心
「なんやキミ昔より図々しなったな」

「イッちゃんの影響だと思うぜ、うん。でさ、図々しいついでにお願いがあるんだ」
一心
「なんや、保証人にはならへんで」

「惜しい!」
一心
「さようなら」

「待て待て待て」(肩をガッとつかみ)

「ちょっとした冗談だろー。その……泊めて……欲しいんだ」


[kurov] #不必要に含みを持たせて溜めた



一心
「泊める? うちに?」


[kurov] #聞いていた一部の周囲がざわつく




「そりゃそうだろ。他のどこに泊めるんだ?」
一心
「なんや、家出でもしたんか。あかんで親御さんに心配かけたら」

「親御さんて年でもねーよ。まあ、でも正解。さすがイッちゃん、わかってる」
一心
「帰れ」


[TK-Leana] # しっしっと




「話くらい聞けよ!」

「な、その辺のマックかなんかでさ、奢るから」
一心
「しゃあないまあ、話くらい聞いたるわ」

「それでこそ、それでこそイッちゃんだ」(ぽんぽんと一心の背中をたたき)

「この辺明るくねーんだ、場所は任せるよ」

フレッシュネスバーガー吹利支店



一心
「クラシックバーガーとブルーチーズバーガー、ポテトはLで」

「それ二つで」


[kurov] #追い越すように言ってさっさと一心を追い越し、テーブルに着く



一心
「で、なんや」


[kurov] #かねはらってない
[TK-Leana] # では取り消し



一心
「お前こら奢り言うから来たったのに」


[TK-Leana] # 襟をつかむ




「おぅ゛っ」

「そのまま流れで行けるかと思ったんだけどなあ、失敗」(むき出しの千円札を三枚、ポケットから出して一心に渡す)
一心
「で、どういう事情やねん」

「かいつまんで言うとな?兄貴と喧嘩して出てきてやった」
一心
「よし帰れ」

「奢らせるだけ奢らせといてそりゃねーよ」

「マジで帰るとこねえんだよ、戻る交通費もカラッケツだぜ?さっきのが最後の札」

「な、昔のよしみで今夜だけでもいいから」


[kurov] #ぱん、と手を合わせて拝む



一心
「今日一日くらいやったらええわ。帰りの交通費くらいやったらかしたるから、明日には本当に帰れよ」


[TK-Leana] # 呆れたように




「恩に着るぜ、イッちゃんは情に厚いなあ」
一心
「そんなでもないわ。ていうか、ボクがつかまらんかったらどうするつもりやってん。今日イブやで、普通予定とかあるやろ」

「イッちゃんにはねーだろ」
一心
「お前十年以上会ってへんでなんでそんな事だけ確信してんねん!」

「スズメ百まで踊り忘れずって言うだろ」

「三つ子の魂百まで、か?予定があったとしても人形がらみだろ、それくらいわかるさ」


[kurov] #ふふん、と



一心
「そんな訳あるかい。ちょっと、そら、今回は相手に予定が入ったけど」

「……嘘つけ?」


[kurov] #テーブルに肘をついたまま真顔で



一心
「いや、ほんまほんま。同棲もしてるし。手ぇ出すなよ」

「マジか……イッちゃんに普通の恋人とかできるもんなのか……あのイッちゃんにか……」
一心
「そ、そら俺にもな!」


[TK-Leana] # 訂正




「……人は変わるもんだな」(遠い目)
一心
「そ、そらボクにもな!」
一心
「なんやねんそれは!」

「そうか……それじゃ邪魔しちゃ悪いな、さすがに二人の愛の巣に土足で入り込むような真似できねーわ」
一心
「あ、いや。別に愛の巣いうもんでも」

「この寒空の下、なけなしの84円でうまい棒でも買って天に召されることにするわ……クリスマスだし丁度いい」

「恋人と同棲してて愛の巣じゃないってこたねーだろ」
一心
「お、おう」

(いぶかしげにじっと一心の目を見て)「なんで口ごもんだよ……」
一心
「い、いや。愛の巣やでー」

「白々しすぎんだろ。人形繰りんときはあんなに迫真に迫ってんのに本当に本体はダメだな、イッちゃんは。……恋人じゃないんだろ。単なるルームメイトで狙ってるだけか?」
一心
「いや、まあ居候いうところかなー」

「単なる居候なのか」

「恋人っつっとけば僕が手出さないと思ってけん制かこの野郎、けなげな奴」
一心
「アホ! ちょ、ちょい見栄張っただけや!」

「それでこそイッちゃんだ。じゃあ、悪いけど世話になるぜ、マジこの寒空にうまい棒八本じゃ凍死も覚悟してたんだ」(笑う)
一心
「おう、でもほんと明日には帰って親御さんとはちゃんと話し合えよ。年末正月家出して帰らんとか、えらい不孝やぞ」

「いや、だからさ。親って年でもねーって。てか、死んでるしさ」(ケラケラと笑う
一心
「兄ちゃんは生きとるんやろ」

「そりゃな……。」

「まあ、その話はいいじゃん?早く連れてってくれよ、愛の巣に」
一心
「うるさいわい!」


[TK-Leana] # バーガー口に放りこんで立ち上がる
[TK-Leana] # で、家に案内




「話変わるんだけどさ、その居候の子、可愛い?」
一心
「おう」
一心
「見た目は文句つけようないで」

「そりゃ楽しみだ」


[kurov] #ぺろり、と舌なめずりが見えた、ような



一心
「(やっぱ連れてかえんの止めよかな)」


[TK-Leana] # 良く考えると、あれだけ無防備なエヴァの居る家に10年以上会ってない男を放りこむのは不用心にもほどがあった



一心
「一日だけやし問題起こしたらただじゃおかんど」

「もちろん義理は通すさ、ひとつ借りだ、イッちゃん」
一心
「やっぱ泊めんのやめるか」

「いやいやいや!問題なんて起こしませんとも!?」


[TK-Leana] # なんで泊めてやって借りつくらにゃならんのだと言う
[kurov] #貸し借りが逆だと思われた!
[TK-Leana] # おっと



一心
「まあええわ。工房とガレージは立ち入り禁止な」

「了解!」


[TK-Leana] # そんな感じで家に連れて帰るのだった
[kurov] もちろん今夜だけで帰るつもりなど毛頭ないのであった
[kurov] #というわけで潜入成功したのでいったん切りでお願いいたしまする。おつきあい感謝
[TK-Leana] 一心は今天涯孤独なので割と本当に嫌がるかな、それは
[TK-Leana] 親族がいるなら頼るべきというある意味潔癖な
[TK-Leana] 喧嘩してるなら和解すべき
[kurov] まあそのへんはおいおい


時系列


2012年12月

解説


一心の家に幼馴染みの忍者、腐爛堂涙が押し掛けて来る。一心は翌日には追い出すつもりだが……

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月影れあな

ログ切り人。IRCでのNickはTK-Leana。 思いつきでキャラメイクしては一発ネタで終わることが多いため、参加者ページのキャラクターリストは出オチキャラの墓場になっている。
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