ど素人から職業クリエーターまで、TRPGと創作で架空世界を楽しむコミュニティ。TRPG+PBW+キャラチャ+創作。

エリカ:「敵だったとしても、怪我人です」
追加ナレーション:初期処置を終え、医務室に悪党のダイジローを運ぶよう手配する。すぐにシェルター内の医者達がやってきた。他のエージェントたちが消火活動などを行っている中、3人は合流する
凱:「まあ、そうだろうが…おっと、鳴神の兄貴?すげぇな、その刀」
ナレーション:別の場所での調査を終えた鳴雷と合流、何気ない会話の中、凱が感心丸出しで土地神にもらった”雷火”と呼ばれる刀を眺めていた
鳴雷:「ええ、いろいろありまして」(頭をかきつつ苦笑する)
凱:「なるほどな~俺らがいない間に何処でそんな業物見つけたか知らんがとにかく、このシェルター、どうなってんだよ…ますますワカラネェ…」
ナレーション:軽く目のセンサー部分が回転しだした。人で言うところの白目をむいた。といえるような表情だろうか…
鳴雷:「それだけここの状況が不本意な状態にあるということでしょうなあ」
ナレーション:彼らが他愛ない話をしている間、貴女(エリカ)は一人残り火が立ち上がるシェルターの様子を見る
ナレーション:自分に湧き上がる無力感
エリカ:(ダメね。覚悟は決めても。こう見てしまうと決意が揺らいでしまう)
ナレーション:守れなかった道中で見かけた人々、戦うことでしか人々を守ることが出来ない不甲斐なさ。彼女の心に宿る悔恨が襲ってくる
エリカ:(救えなかった。いえ、救わなかった。敵の親玉を倒すために一直線に進んでいった。被害は少なく出来たかもしれない。でも私はあの人を救わなかった)
ナレーション:湧き上がる無力感、もはや自分にはこうすることでしか人を救うことは出来ないのか?
エリカ:「あの2人は強いな。自分をしっかり持っている」
凱:「ああ?…おい、エリ姉。しっかりしろ!どうしたんだ?」
エリカ:「ぶ!聞いてた???」
鳴雷:「ここは聞こえてないふりをするのが大人というもんですよ凱さん…」
凱:「あ、しまった…わるぃわるぃ…」
ナレーション:一瞬サプライズがあり悲しみの感情が吹っ飛ぶエリカ
エリカ:「救えなかった人のことを想っていたのよ」
エリカ:「私の選択は正しかったのかって。いつもうじうじなやんでるの」
凱:「なるほどな…確かに、先に派手にやってポーンってなった連中もいるだろうな…」
凱:「しかしだからって迷ってたらどうにもならねぇ、死んだ連中がよみがって来るわけもねぇし第一それが原因で戦いの最中死んだらそれこそ天地がひっくり返っちまう」
凱:「まあ…俺が言えるのは、うじうじ悩んでねぇで!こまけぇこたあいいんだよ!で常に前を向いて進む!だぜ!」
エリカ:「凱は強いわね」
ナレーション:頭が悪いなりに彼は励まそうとしているようだ
エリカ(PL発言):意図はまっすぐに伝わった
凱:「あ~鳴神の旦那からもなんかいってみるか?俺頭が悪くてさ。これ以上気の利いたことがいえなくてさ…」
ナレーション:などど小学生っぽいことをいっている
鳴雷:「常に最善ではないにしろ、そうあることを心がけるのは立派ですよ。そのうじうじっていうのはそういうのの表れだ」
ナレーション:自分の経験則を元にエリカを励ます鳴神
鳴雷:「ひとの生き死にに関わる長く仕事をやってるとそういうのはマヒしてくるもんですが。いいもんですねえ」
エリカ:「そうね、、私にできるのはうじうじ悩んで前に少しずつ進むことだわ。ありがとう。でも、鳴雷さんもまだ十分若いですよ」
ナレーション:二人の励ましでようやく立ち直ることが出来た
ナレーション:他愛ない話をしていたときにふとよみがえる遠い過去の誰かの記憶
???:「そうだ…迷いは自分を失う、だがだからといって力に頼る戦いを続けてもいけない…」
???:「力に頼る戦いを続けると暗黒面に魂を飲まれる。その事を忘れてはいけない…さあ、がんばって。我々と同じ人々を増やさないように…」
ナレーション:記憶に語りかけてくる遠い誰か?の声はそれ以降聞こえなくなった
エリカ:「誰だっけ、、何時だっけ、、もう遥か遠い昔の記憶。でも暖かい」
ナレーション:昔こんなことを言われたのと記憶の断片を2人に話す
凱:「そういうことが…まあ、でも今はもっと大事だ。行こうぜ!エリ姉!」
凱:「過去の記憶も大切だが現在をしっかりしないとどうだ?なあ、鳴神の旦那!」
鳴雷:「そうですねえ。意味深な思い出というもんはここぞというときに効いてくるもんですが。気負い過ぎも付かれるでしょう」
エリカ:「えぇ、この戦いを終わらせなくては、、、」(ハンドアウトの引用)
ナレーション:この地に宿る秘密、各勢力の思惑、それらが色々あるが3人はそれぞれ同じ目的とともに行動を再開したそのときであった
突如割り込んできた通信:「よ~シェルターの諸君!そして悪党共をなぎ倒したヒーローヒロインの諸君?ご苦労さん!使いのものから聞いたが見事な戦いだったそうじゃないか」
コンクリートの王:「おっと!自己紹介がまだだったな!俺の名はコンクリートの王、コンクリート・デンのヘッドだ」
鳴雷:「コンクリートの王…これまた突然大物が」
コンクリートの王:「お前たち、オーガ会の連中を倒したいんだろう?俺にいい考えがある。取引しないか?その気があるってんなら俺のところに来い!交渉人だけでな!」
エリカ:「患者がいるので音量を控えてください。せめて要件は手短に」
凱:「ああ?何だそりゃ、って王自ら出てきたのかよ!」
鳴雷:「本物ですかね?」
鳴雷(PL発言):ひそひそ声だがわざと聞こえるように言う
コンクリートの王:「はっはっはっ!失礼失礼!では音量を落としてやろう…オーガ会討伐に対してこちらからちょいとした提案があってな…乗る気があるってんならすぐに俺のアジトに来てもらおう。ただし交渉人だけでな」
凱:「ああ、なんとなく本物っぽいよな。交渉する気がある奴だけで来てくれだとさ」
ナレーション:彼の要求は続く
エリカ(PL発言):コンクリートの王のことを保健室のおねぇさんは知らないので、空気を読んで、負傷者の治療に専念している
コンクリートの王:「下手な真似をしても無駄だぜ!俺の使いが待ちのいたるところで四六時中見張ってる。少しでもおかしなまねをしたらお前のはらわたに風穴が開くことになるぜ!楽しんで待ってな、ははははは…」
ナレーション:通信は一方的に打ち切られた
凱:「どうする?交渉人だけでこいって言われてるが…俺話し合いとか大丈夫だろか?」
ナレーション:シェルター内の譲原家一同や人々の間にも動揺が広がる
鳴雷:「…やっかいですな。明らかに何か企んでますがが、無視しても後々角が立つ」
エリカ:「そもそもコンクリートの王とは有名な人なのですか?」
譲原家エージェント1:「あの大物が相手か…」
譲原家エージェント2:「悪党だからどんな要求してくるか分からんぞ…」
譲原家エージェント隊長:「そのことなら私が説明しよう」
ナレーション:エージェントの隊長が前に出てきた
譲原家エージェント隊長:「彼はこのコンクリートの街を先代先々代にわたって支配してきた一族の者だ」
譲原家エージェント隊長:「言うまでもなく彼らはヤクザ者だ。この地を非合法な手段で支配して半場オーガ会と変わらない支配体制で街を仕切ってきた」
譲原家エージェント隊長:「唯一違うのはあまり表面上は派手な支配体制を敷かなかったことだ。そのため表面上は穏やかに見える。だが裏では破壊工作や暴力による圧力を平然と行ってきた」
エリカ(PL発言):保健室のおねぇさんは破壊工作や暴力発言に対し眉をひそめる
譲原家エージェント隊長:「今回取引を持ちかけてきたのもおそらくライバルのオーガ会を完全につぶすためであろう。そのために先ほどのようなまねに出たのだが、あまり信用のおける相手ではないぞ」
ナレーション:トップの説明は他にも続いたが、ひとついえるのは相手はヤクザ者、ということだけがはっきりと分かった
凱:「お~お~…こりゃ、厄介な相手が出てきたねぇ、エリカ姉、鳴神の旦那、どうする?」
ナレーション:ひそひそ声で行動予定をすり合わせていたそのときだった
譲原家エージェント1:「私が行こう!」
ナレーション:無謀な行動に出ようとしたエージェントが出てきたが周りが必死に止める
譲原家エージェント2:「無茶な真似はよせ!死にたいのか?」
譲原家エージェント3:「あいつらがまともな交渉に応じるわけがない」
ナレーション:現場は騒然としているようだ…
ナレーション:人々の間にも動揺が広がる
鳴雷:「王の最も厄介なところはその冷徹な手腕に裏付けられた統率力です。が、裏を返せばオーガ会のような理のない暴挙には出ない。互いにおとなしくしている分には得でしょうな」
青年男性1:「ならどうすんだよ…誘いを無視して譲原だけでどうにかするってのか?」
青年男性2:「コンクリートデンも敵に回ったら3つ巴戦になるぞ…」
凱:「なるほどな…直接派手にドンパチやらないが、キメるときは容赦ないってことか…」
鳴雷:「しかしイーブンな条件を提示してくる相手でもないですからなあ。悩みどころですなトップ?」
ナレーション:誰が交渉に行くのか?などという話があがっているようだ
ナレーション:交渉人を選ぶシーンに入りました。誰がいくかで交渉内容が変わります
ナレーション:ちなみに凱でも行けますが頭が悪いので無茶な交渉とかになります
鳴雷(PL発言):鳴雷はあまり衆目に顔を晒したくないのでやんわりとだれかやらないかなーと視線を泳がせている
エリカ:「交渉人を決めるのも大事でしょうが。どういう方向で行くか大まかに決めてからのほうがいいでしょう」
エリカ(PL発言):と委員長ぽくいう
エリカ(PL発言):黒板を用意し、要点をチョークで書いた
凱:「おっと、それは大事かもな…って鳴神の旦那は…まあなんか事情があるんだろうな。分かったよ」
凱:「お!黒板!どっから取り出したんだ?さすがエリ姉」
ナレーション:しょうもない事に感心してる凱をよそにさっそく要点をまとめることにした
エリカ:「コンクリートの王とオーガ会を同時に倒すのは無理ですよね」
凱:「確かにな。俺も連中の構成員見かけたことがあるがどいつもこいつも戦いなれた様子を見せてた連中ばかりだったぜ…」
凱:「一度ドツキあいやったことがあったが何処からやってきたか一斉に押し寄せてきてえらい目にあった」
鳴雷:「…コンクリートの王はそのやり方はともかく、南スラムを作り維持している存在です。革命でも起こす気なら話は別ですが、やり合うのはお勧めしませんなあ」
エリカ:「ならばコンクリートの王と手を組んだほうがまだマシですね」かきかき
凱:「だな、下手に相手を怒らせたら洒落にならん」
凱:「で…誰が交渉に行くかだが、鳴神の旦那は事情があるのか無理って風に見せたし…となると俺かエリ姉か…」
鳴雷:「オーガ会討伐の共通目的以外にもう一、二枚こちらにカードがあると交渉もやりやすいですが。譲原の皆さんは相手が要求してきそうなことの見当は付きますかね?」
ナレーション:譲原家の人々が口々に答える
エリカ:「危険な患者はもういないので、わたしが抜けても問題はありません」
譲原家エージェント1:「恐らくは街の支配権が目当て…彼らは支配権を要求してくるだろう」
凱:「治療お疲れさん」
譲原家エージェント2:「もしくは我々の駐留を認める代わりに法外な料金を請求してくるかもな…」
譲原家エージェント3:「あるいは我々の中から出来のいい人物を引き抜いてくるかもしれん。ヘッドハントって奴だ」
凱:「ろくな要求がないな…まあ、連中らしいといえば連中らしいかも」
鳴雷:「指定…いややくざ者としてみればまっとうですな」
ナレーション:何れにせよ、相手は一癖も二癖もある油断ならない人物という事が分かった
凱:「どうする?エリ姉。気苦労ばかりかけるのはよくないから俺が変わりに行こうか?」
ナレーション:彼の頭で果たして交渉が上手くまとまるか疑問ではあるが
エリカ:「凱はおそらく交渉事には向いていません」
凱:「がっくし」
凱:「すると、エリカ姉が行ってくるって事か?」
エリカ(PL発言):ちなみにコンクリートの王の説明はWEBに乗ってるのものを知っているってことでいいのかな?
ナレーション:3人の中で残るはエリカのみとなる。凱は行けといわれたら行ってくる気でいるようだが
ナレーション:それでOKです
エリカ:「なら、もしかしたら要求なしに出来るかもしれませんね」
凱:「お…おい、本気か?そんな事が」
ナレーション:騒然となる周辺
鳴雷:「何かお考えがおありで?」
エリカ:「はい。相手に合わせて処方箋を用意するのは医者のお仕事ですから」
凱:「はは…たいしたもんだ。それじゃ、エリカねぇ。よろしく頼むぜ…」
ナレーション:交渉人が決まったので早速コンクリート・デンのアジトへと向かうことにした
ナレーション:場所はコンクリートで出来た廃材街の一角、道中は譲原のジープで移動することにした
譲原家エージェント1:「ついたぞ…相手は何を要求してくるか分からん。気をつけてな…」
エリカ:「大丈夫ですよ。心配なさらないで」
ナレーション:一際巨大な廃材ビルに入ると、そこに玉座に座った”王”が待ち構えていた
コンクリートの王:「やっと来たか!待ちくたびれたぞ…どうやら、お前さん一人の様だな。くっくっくっ…」
ナレーション:王は相変わらず油断ならない様子でこちらを出迎えた
エリカ:「時間通りのはずでしたが、これは失礼をしました」
ナレーション:保健室のおねぇさんはとくに気負わすに挨拶します
コンクリートの王:「はっはっはっ!大した物言いだな。気に入ったぞ…まあ、それはそうとして、早速要求を言おう!この街全エリアの全権を我々コンクリート・デンに譲ってもらおう!」
ナレーション:突きつけられた法外な要求
エリカ:「あら、その程度でよろしいのですか?思ったよりも軽いのですね」
コンクリートの王:「ほう!面白い!譲原の連中が聞いたら卒倒しそうなくらい法外な要求なんだがな…それじゃ、そちらはどんな要求をするってんだ?」
エリカ:「コンクリートの王の力でしたらその程度、すぐ手に入れられるのでは?」
コンクリートの王:「悪いが直接ドンパチやると目立つんでね…俺の力で追い出してやってもよかったが例の政府まで相手にすると分が悪い」
コンクリートの王:「そこで合法的に街の全権を譲ってもらおうと思ったわけだ!これなら使う労力も少なくてすむ。簡単だろう?」
ナレーション:相変わらずセコイ魂胆である
エリカ:「私たちの要求はオーガ会の コンクリートの王達にだけによる殲滅ですね」
コンクリートの王:「ほうほう…そのような事か…ってまてまて!それじゃ譲原の連中を盾にしてこちらは漁夫の利をえるって計画が台無しじゃねぇか!お前たちに出来るだけ戦ってもらわんと困る!」
ナレーション:相手の態度が崩れ始めた
エリカ:「さて、コンクリートの王さまに渡すものがそれ以上の物ですから当然です」
コンクリートの王:「畜生…女だと思って甘く見すぎた…」
ナレーション:まさか自分が手玉に取られるとは…
エリカ:「全権より重いものですから」
コンクリートの王:「いいだろう。それでは戦闘では協力してやる。ただし!勝った後の街の全権は頂くぜ!それでよかろう!」
エリカ:「あの。全権より重いものであって、全権ではないのですが、、」
ナレーション:この女、ボスより頭がいいんじゃないか?などとひそひそ声で話していた部下がいたが王の視線で黙って任務を続けた
コンクリートの王:「何だってんだ?その全権より重いって奴は…わ…分からん…」
ナレーション:軽く王が混乱状態に陥りだしたその時であった
コンクリート・デンの斥候:「ボス!敵が動き出しやした」
ナレーション:やり取りの最中、突如入りだした斥候からの報告
コンクリート・デンの斥候:「敵は一斉に街の対岸に戦力を集中させている模様。決着をつける日が来たようです」
ナレーション:コンクリートの王に全権より重いものは分からなかった模様
エリカ:「悠長に話してる場合ではなくなりましたね。仕方がありません。答え合わせは後ほどでよろしいですか?コンクリートの王様の望むものであるのは間違いがありませんから、お楽しみに」
コンクリートの王:「はっ!ありがたく受け取っておく。よし、お前ら!出陣だ!派手におっぱじめるぜ!」
ナレーション:交渉が上手くまとまった。決戦に突入することとなった…
エリカ(PL発言):果たして全権より重いものとは一体!?

次回・決戦に続く

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