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ペルセウス腕開拓史エピソード集

エピソード『アッティラの車窓から』




目次





エピソード『アッティラの車窓から』


登場人物



八曾業平

元鉄道警察隊の大将。鉄道唱歌にも唄われる、伝説による不死者。


本文



SE

カタンカタン……カタンカタン……

業平

(zzz……)

車掌

「……コホン」

車掌

(とんとん)

業平

「んあっ……」

車掌

「切符を拝見……」

業平

「ああ、ごめんごめん。眠っていたよ」



[TK-Leana] # 寝ぼけ眼でごそごそと懐を探る



業平

「はい」



[TK-Leana] # くしゃくしゃの券を渡す



車掌

「これは……鉄道警察隊の名誉優待券ですか?」

車掌

(まじまじと見つめる)

業平

「ええ……あの、たしか、期限はなかったと思うんですが」

車掌

「あ、はい。いえ、私も車掌になって長いですが、初めて見るもので。失礼しました」(軽く姿勢を正して敬礼する)

業平

「いやいや、僕も引退して長いんで、そういうのは止してください」(ひらひら)



[TK-Leana] # 曖昧な笑みで手を振る



車掌

「しかし、名誉優待券というと、勲二等動輪章以上の授与と一緒に渡されるという話じゃありませんか。大戦中はさぞご活躍されたのでは」

業平

(ぽりぽり)「やけに詳しいね、君」

車掌

「先の大戦では鉄道警察隊の機動部隊に所属しておりました」

業平

「なるほど、そりゃベテランだ……いまどき、大概の人は首をかしげて改札鋏を通すくらいで済ましてくれるんだけどなあ」(顔をベレー帽で隠し)

車掌

「それは、気遣いが足らず、失礼しました」



[TK-Leana] # 少し慌ててぺこりと頭を下げる



業平

「いやいや……それにしても、レトロな車両ですね。内層だけならまだしも、わざわざ走行音まで再生して……合成音ですよね、これ」

車掌

「はい、なんでも200年くらい前のリバイバルだとかで、稼働し出した当初は銀河中から鉄道ファンの方々が集まってえらい混雑になったものです。今でも、カメラを構えてバックパックを背負ったその筋のお客様が時々いらっしゃいますよ」

業平

「いやあ、懐かしいなあ。合成音とは言え動輪式車両の走行音を聞けるとは思わなかった」

車掌

「地上に動輪式車両がある星となると、観光惑星のご出身で?」

業平

「いや、ははは。観光というか、最早史跡というか、まあ似たようなもんですな」

車掌

「こちらへはお仕事で?」

業平

「いえ、学術調査です。先日アッティラ系の第二小惑星帯に衝突した彗星から、機動兵器の残骸と思しきものが発見されたって、話題になったでしょう?」

車掌

「ああ、すると退役されてからは学者先生に?」

業平

「まあ、暇にあかせた半分素人の趣味みたいなもんですがね」

車掌

「なるほど……おっと、少し話し込んでしまいましたな。それでは、良い旅を」



[TK-Leana] # 再び軽く敬礼して、切符を切る作業に戻って行く



業平

(見送って)「機動兵器、地球黎明期の遺産、か……」


時系列


2150年ごろ

解説


素人歴史家の八曾業平、漂着した古い機動兵器の見物に向かう。

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月影れあな

ログ切り人。IRCでのNickはTK-Leana。 思いつきでキャラメイクしては一発ネタで終わることが多いため、参加者ページのキャラクターリストは出オチキャラの墓場になっている。
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