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狭間06エピソード集 私立探偵部の日常

エピソード『白い夢』


目次


エピソード『白い夢』

登場人物

佐藤火星
最近女の子になった義腕の怪人。
リュドミラ・新間
小石を食べるケイ素生命体。

私立探偵部

火星
(リュドミラと小石拾いした後、園芸部の冬期活動準備までは手伝いはないので日向の当たる窓際で硬い腕を枕にして机に突っ伏してお昼寝)
リュドミラ
(部室の隅で石選別
火星
「しろいいしがいっぱい……おみやげ…おみやげ…」 (寝言を言いながら、ふにゃふにゃと笑う
リュドミラ
(きょろきょろ)「寝言でしたか」

[arca] #白い石探した

夢の中で

[utako] #白い地平線の続く世界

火星
「化石みたいだけど、こういうのもリューちゃん……食べるのかなぁ」

[arca] #化石ならよろこんで食べる。普通の骨は普通
[utako] #入り口は10mはありそうな大穴の手前で、壊れた岩の破片のようなものを拾って、しげしげと観察。

火星
「……それにしても暑いなぁ」

[utako] #高く上っている太陽を見上げ

火星
「あれ……、いま秋だったような…」

[utako] #夢うつつな気分で日差しに手を翳し

火星
「ま…いっか。」

[utako] #うっすらと部室でお昼寝していた記憶が浮かび、これは多分夢なのだと、なんとく思う。
[utako] #なんとなく

火星
「穴の底は何だろう……、動物の居そうな感じはしないし…、ちょっと下りようかなぁ」

[utako] #崩れた竪穴を器用に下りていくが……
[utako] #穴の底にたどり着くと底には瓦礫しかなく、横穴の形跡はあったがふさがってしまっていた。

火星
「落盤…、て言うよりは埋めたのかな」

[utako] #横穴の周囲は崩れた様には見えず、特にめぼしい物が見つけられなかったので若干の落胆を感じつつ、戻ろうとする。
[utako] #中ほどまで戻った所で、横穴をふさいでいた土砂がざらざらと崩れ始め、中から大きな鋏が生えてきた。

火星
「……」(気をつけながら振り向き、生えてきたその鋏を見やり…
火星
(さぁ…と顔が青くなる)

[utako] #鋏が一度引っ込み、空いた穴がひゅうひゅうと不気味な音を立てていると、短く地鳴りを感じ―――横穴から、土砂を押し退けて勢いよく白い、巨大な大蟹が姿を現した。

火星
「う、うわ、あ、あわわわッ―――!?」

[utako] #溜まらず叫んだが、大蟹は勢いを殺すことなく斜面を登り、火星を轢き飛ばして地上まで登っていく。

火星
(激しい衝撃を全身に感じながら、宙を舞う)

[utako] #一瞬が長く感じるように、視界には白い地平線が続く世界、黒い点、白い大蟹、慣性に流されて揺れる自分の手足が見え、どしゃりと地面に落ちる。

火星
(背中に鈍い痛みを感じたが、咄嗟に硬化した体には目立つ傷は残らなかった) 「……、凄い」

[utako] #そんな事よりも100kg近い自分の身体を浮かせた大蟹に視線を向ける。
[utako] #シオマネキに似た外見だが、大きさは普通乗用車並に大きい。

火星
「(大きい、普通の生き物じゃない。何、これ…何だろう…蟹?)」

[utako] #瞬きしながら、初めての物を見た興奮を感じて痛みを忘れて立ち上がるが、一歩脚を踏み出した所で動きが止まる。
[utako] #蟹が、火星の方を見た。

火星
「(逃げ、た方が……良いのかな、これは…蟹って何食べるんだろう…、……そういえば前に)」
『(NHK見ながら) 蟹って海老とか捕まえても食べるのかな。硬い鋏があれば硬い殻もバリバリ砕けるよね。お兄ちゃんって海老みたいだから中身美味しいのかもね(笑)』 (ハンマー持ち出して
火星
「(あの時は怖かったなぁ……、たまに冗談じゃないみたいな事言うんだよなぁ…)」
(火星の方にじりじりと寄っていく)
火星
(蟹のほうから歩み寄って来てくれた、と思ったが……蟹の視線に妹と同じものを感じてならない)

[utako] #振り返って、ダッシュで走り始めた。
[utako] #蟹は横歩きで高速移動して追いかけてくる。大きな鋏が捕獲姿勢に入ったのがちらりと見えた。

火星
「海老じゃないもん!食べても美味しくないから来ないでよぉ!!」

[utako] #後ろから迫ってくる蟹の気配に半泣きになりながら、身を守らなければと身体を硬化させてしまい、固まってずっこける。
[utako] #すかさず、蟹に掬われるように捕まった。

火星
「あわわわわわ―――!?」

[utako] #コマンドを連打するように、手を握りこんで硬化し続ける。
[utako] #胴体をがっちりと捕まったが、鋏は深くは食い込んでこない。

火星
「や、やった!!けど、どどど、どうしよぉ…」

[utako] #腕だけでも自由にして蟹に攻撃を加えて、とイメージするが……蟹のどこを叩けば急所なのか、混乱して思いつかなかった。
[utako] #無駄に鋏を広げようとするが完全に力負けし、蟹ももう一方の鋏で動きを止めるように殴り懸かってくる。

火星
「ひっ…、まっ――!」

[utako] #両腕を交差させて防御するが、重い衝撃に上半身が仰け反りそうになる。

火星
「(硬化させてる、せいで…、威力が殺せない…)」

[utako] #焦りが顔に浮かび、蟹はそれ見逃さずに二度、三度と殴りかかると硬化が解け始めた。
[utako] #鋏が身体に強く食い込んでくる。

火星
「か、ふっ……ぅ…… (まずい、まずいまずい……すっごく、拙い…)」

[utako] #助けを求めようにも、周囲に人は見えず。いくつも浮かぶ友達の顔と共に、死を連想する。
[matuya] #このままではまあこさんがしんでしまう

火星
「―――、あ…」

[utako] #か細い声が漏れ一瞬脱力するが、殴り懸かってくる鋏も、身体を挟んでくる鋏も、景色も全てスローに感じて――光を見る。
[utako] #蟹の眼と眼が合い、その瞳の奥に干渉した。
[utako] #精神感応と強制認識変換。
[utako] #鋏は火星の頬を掠り、蟹の視線はあらぬ方向を向く。身体を挟んでいた鋏は外れ、また何かを追うように出てきた穴のほうへと戻り始めた。

火星
(着地して、潰れかけた胴の守るように腹部に手を当て、眼を見開いて、逃げる自分を想像する)

[utako] #蟹はその軌跡を追う様に疾走したが、火星は穴の手前でイメージを止めた。
[utako] #突如消えた獲物を探すように右往左往する蟹に向かって、すかさず走る。

火星
(空を撫でるように手を広げ、髪と脚から電光が漏れたかと思うと、紫電が駆け抜けた)

[utako] #ドロップキック。技術はなく、破裂した空気と電光は羽の様に広がり、蹴りは蟹の背甲を砕いた。
[utako] #すぐさま蟹が痙攣したように見えたが、勢いは残り、まとめて1人と1匹は穴の底に戻る。
[utako] #地上からまた何もいなくなり、暫くして火星が穴から這い出て来るが、顔に髪がかかり、表情は見えなかった。
[utako] #砂埃を飛ばす風が吹くと、大きな少女の姿も消えていた。

私立探偵部・続

火星
(バチィッ、と髪から電気を走らせ、ガタン、と立ち上がった)
リュドミラ
(びく
火星
「―――!?」 (眼を丸く見開いて、ドッと汗かいてる
リュドミラ
「大丈夫ですか?」(積んでいた石がバラバラと崩れてオロオロしていたが、火星の方へよっていった
火星
(瞳の虹彩に妙な光を宿らせていたが、リュドミラのほうにゆっくりと視線を向けて数回瞬きすると元に戻り、止めていた息を再開させ大きく深呼吸してから、リュドミラに会えて嬉しかった様にギュッとハグする)
リュドミラ
「悪い夢でも見たのですか?」(ハグし返す
火星
(小さく震えていたが、リュドミラの存在をしっかりと感じて呼吸と一緒に穏やかになっていく) 「……凄く、怖い夢を見た気がする」
リュドミラ
「安心してください。もう夢の中ではありません」(もふもふ
火星
「うん……、ふぅ~…」

[utako] #情けない声出しながらもふもふされる

リュドミラ
「落ち着いてきましたね」(胸の谷間の間から火星の顔を見上げつつ
火星
「…………ありがとう、リューちゃん」
リュドミラ
「お役に立てれば幸いです」(火星の背中をくすぐる
火星
「わ、っひゃ!?ちょ、ちょっと、リューちゃん、やめ……あははは!」 (びくっとして思わず手を上げると、その手からゴトンと何かの欠片が床に落ちた
リュドミラ
「リセットです……これはなんですか?」
火星
「はぁ…はぁ……、え?」

[utako] #床に落ちたのは掌に収まる程度の大きさの白い何かの欠片のようなもの。

火星
「今、どこかに手ぶつけちゃったのかな…、な、何か壊したのかな」
リュドミラ
(ひろう)「マータンの卵ですか?」
火星
「僕は卵産まないよ…」 (苦笑して
リュドミラ
(キュイキュイスキャン

[utako] #構成素材は不明、もしくはエラーの文字が走る。

リュドミラ
「物質構成がライブラリにありません」

[utako] #ただ年数は新しく、今しがたどこかから欠け落ちた様子

リュドミラ
(きょろきょろ)「部室の調度は破損していませんね……どこからでてきたのでしょうか」
火星
(きょろきょろした後に、自分の手を見て、眼を点にする)

[utako] #石灰でも触ったのか白くなってる

リュドミラ
「やはりマータンの卵…」

[utako] #そのままリュドミラにも抱きついたので背中とかベタベタついてる

火星
「ぼ、僕の卵じゃないって。何だろう……、寝ぼけて何か掴んだのかなぁ」
リュドミラ
「てにもついているのですか?石灰に似ていますが、やはり成分はわかりません」
火星
「何か……汚いし洗ってこよ…、ごめん、リューちゃん、背中にちょっと…じゃなくて沢山つけちゃったみたい…」
リュドミラ
「気にしないでください」(にこ

[arca] #上着を脱いでぺっぺと叩く
[utako] #簡単に落ちていく

火星
(白い欠片も拾って) 「……捨てとく?」
リュドミラ
「……食べて見ても良いですか?」

[arca] #捨てるなんてもったいないみたいな表情

火星
「…お腹壊さない?」

[utako] #良く解らないものっぽいし、とちょっと不安そう

リュドミラ
「わかりません」

[arca] #自信たっぷりに言う

火星
「不味かったり、変な味がしたらすぐ、ペッてするんだよ?」
リュドミラ
「わかりました」(うなずく

[arca] #欠片を手に取り、口に運ぶ

火星
(ゴミ箱持ってきて、手が汚れないように紙に包んでリュドミラに渡す
リュドミラ
「いただきます」

[arca] #ぽりぽり
[utako] #塩辛く、酷く磯臭い味

リュドミラ
「…………。海辺の石のような味がします」
リュドミラ
「あまりおいしくありません」
火星
「ペッ、てする?」

[arca] #ぽりぽり
[arca] #まずいまずい言いながら食べきった

リュドミラ
「お水を下さい」
火星
「…はい。」(この、何でも食べてしまうのはどうにかするべきかどうか本気で考え始めた
リュドミラ
(ごくごく)「砕いて他の石と一緒に食べれば調味料の替わりになりそうです」
火星
「へ、へぇ……」 (苦笑して、いそいそと手を洗いに行って戻ってくる
リュドミラ
(くすずれた石を積み直している
リュドミラ
「食べてみても成分はわかりませんでしたが」
火星
「何だったんだろうね…、あれ」
リュドミラ
「わかりませんが、メイトの一部となることは確実です」
リュドミラ
「マータンの卵説が最も有力です」
火星
「僕の卵説は押さないで、何か怖いから…」
リュドミラ
「冗談はこれくらいにしましょう。マータンは物質生成などの能力を持っているのですか?」
火星
「そ、そう言う超能力?はないよ。僕が出来るのは……透明になったり、色変えたりするぐらいだから…」
リュドミラ
「そうですか……。関係ありそうなことと言えば直近の悪夢ですが、何かおぼえていないのですか?」
火星
「う、うぅん……、起きてすぐは、覚えてたような気が…するんだけど、もう忘れちゃった」
リュドミラ
「悪夢のせいで何らかの能力に目覚めたと考えるのが自然ですが。自覚がない以上はどうしようもありませんね」
リュドミラ
「試しに何かでないかやってみては?」
火星
「ど、どうやったら良いんだろ…」
リュドミラ
「わかりません」(とりあえず踏ん張ったり不思議な踊りしたりしてみる
火星
「よっ!……、はっ!……、せやっ!……」 (何か出そうなポーズを取って気合入れてみたが何もでなかった
リュドミラ
(ほわーっ°Д°
火星
(ふおーっ>д<

[utako] #スカ

リュドミラ
「出ませんね。卵」
火星
「卵出られても困るけど…、あの欠片っぽいの出てこないね…」
リュドミラ
「事象を再現するにはもう一度夢を見るしかないようですね」
火星
「きょ、今日はもう何かお昼寝する気分には……なれないかも」
リュドミラ
「そうですね。メイトも夢を見た事はありませんが、怖い思いはしたくありません」
リュドミラ
「それに、夢の中まではマータンを守りにいけませんから……」
火星
「これでもやるときはやるんだから、心配しないで。多分、陽にあたり過ぎて暑くなって変な夢みちゃったんだよ、きっと」
リュドミラ
「はい」(心配そうに頷いた
火星
(多分にきっとで自信もないが、とりあえず夢見が悪かった、というぐらいの認識にした)
リュドミラ
「(脳波リンクを使えばあるいは…しかし調整は難しそうです)」
リュドミラ
「熱いのなら冷やしましょう」(手を冷たくして火星の首筋を触る
火星
「ひやっこい」

[utako] #汗が冷えてちょうどよくなってきていたが、にへっと笑いながら

リュドミラ
「お役に立てれば幸いです」(ふかふか
火星
「(怖い夢、確かに見てた気がするんだけど……、なんであんなにびっくりしてたんだっけ…)」

[arca] #謎の悪夢

時系列

2012年10月

解説

午睡。白い世界の夢を見る火星。
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utako
とにかく、元気いっぱい!ぶらりんぱわーではぴはぴ! 常識的な子は少ないけど、それでもあまり修正しないところがはぴはぴ!Paとジト目担はこちらです
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