ど素人から職業クリエーターまで、TRPGと創作で架空世界を楽しむコミュニティ。TRPG+PBW+キャラチャ+創作。


狭間06エピソード集

エピソード『お風呂上りに』




目次





エピソード『お風呂上りに』


登場人物



無戸室近衛

パパ。最近、シャンプとリンスが大変らしい。

影蜥蜴

娘。お風呂の後の保湿クリームが手放せません。


本文



[utako] #フィネストラ吹利403号室。夜



近衛

(床に座ってソファーに寄りかかり、膝に置いたノートパソコンを操作する。風呂上りに何となく始めた作業チェックだったが、気づけば髪が乾くまでやっていた)

影蜥蜴

「もう春になったとは言え、まだ夜は冷えますよ。近衛」(順番の回ってきたお風呂を終えてリビングにやってくる)

近衛

「ん……」(首にかけていたタオルで頭を軽く拭こうとするが、乾いている事に気づき

近衛

「おっと……、いけねぇな。(ぽりぽりと頭を掻き、時間を確認して) 影もあんまり、遅くまでは起きてんなよ」

影蜥蜴

「影も後で原稿をチェックしたら寝ます。」

近衛

「竜のトレーニングに付き合ったり、漫画イラスト部の活動やったりで大変だな」

影蜥蜴

(棚からクリームを取ってソファーに座り)「どちらも影のやりたい事です。それに影も最近鈍っていましたから、竜は丁度良い相手ですよ」

近衛

「デビル八極拳は使える様になったのか、竜は」

影蜥蜴

「まだまだ」(艶に笑って後ろからそっと、肩車して貰うように近衛の肩に脚を乗せて、器用につま先でノートパソコンを閉じる)

近衛

「ガキん頃に俺がドラゴンってのは最強の生き物なんだ、兎に角凄ぇ、とか考えてたのが残っちまったのかねぇ。確かに全部出せりゃただただ強くて、それこそ漠然で通るぐれぇ『凄ぇ生き物』だったのかもしれねぇが……ガキの想像を越えられる程に、俺には創造力がなかったのは、あいつには悪ぃ事をした気分になるさな」

影蜥蜴

「きっと持て余すだけだと影は思います。それに竜はあれで芯が折れない所は『凄い』ですよ」

近衛

「強さの形の違いかねぇ」

影蜥蜴

「ただ考えが足りないだけなのかもしれませんが……」

近衛

(ノートパソコンを少し開いて保存して閉じ)「色々、考える事が出来てくりゃぁ考えるようになるさ。今だって、強くなるために、ってな考えてんだろう。門音や影とは違うアプローチをしてて、中々面白ぇさな」

影蜥蜴

(屈んでクリームをそっと差し出し)「門姉のトレーニング、瞑想法は影も学びましたがあれは一種、最終的な調整でした。実際に行った修行段階は影は知りませんが」

近衛

2013032807
(少しソファーから身体を離して振り返り、クリームを手に取って、少しだけ掬い取り手に馴染ませる)「俺もそれは知らねぇさな。時々……よりは色々と出払ってた時期があるからな」

影蜥蜴

「竜が一番、まともに学ぶ者となるでしょうか」

近衛

「それだけ馴染んでくれりゃ良いな」

影蜥蜴

(脚にクリームを塗ってやりながら、将来、竜が胴着を着たり、どこかのジムでトレーナーなんかやってる所を想像して、少しだけ嬉しくなる)



[utako] #訂正



近衛

(脚にクリームを塗ってやりながら、将来、竜が胴着を着たり、どこかのジムでトレーナーなんかやってる所を想像して、少しだけ嬉しくなる)

影蜥蜴

「……」(さりげなく艶っぽい仕草したりアピールしたりするが、目の前の男は何やら息子の将来にワクテカしている様子で、全く観ちゃいない)

近衛

「応援……、いやこっちは横臥の剣道の試合の応援の方が早ぇか。そもそも応援するような試合が竜にあるかどうか考えもんだが……横断幕なんか、一回は作ってみてぇさなぁ……」

影蜥蜴

(どすっとつま先で鎖骨の間を突く)

近衛

「うげぷ」

影蜥蜴

「近衛もトレーニング必要ではないでしょうか。周りをもっと観るような、観察力が足りないと思います」

近衛

「うげ、げほっ……周りは見てるさな、ちゃんと……、何を気にしてんだ……」(涙目になりながら首元を抑えて

影蜥蜴

「何をって……ほら、どうですか。影の脚や、このお腹、それに可愛いインナー、ちゃんと色々と気にしてください。近衛が」

近衛

「……言うかどうか迷ったが、何かはみ出してんぞ」

影蜥蜴

「え!? ……い、いや、これは、ただの糸くずです!! 糸くず!! はみ出してません! はみ出すはずがありません!」

近衛

「そうだな……、あぁ、おう、……糸くずな。糸くず」

影蜥蜴

(赤くなってむくれ、近衛の髪をぐしゃぐしゃにする)

近衛

「俺が悪かった。やめてくれ……髪絡んだら面倒さなぁ」

影蜥蜴

「びっくりしました。ただでは許しません……」(ぽんぽんと自分の隣を叩き

近衛

(ぼさぼさにされたまま隣に座る)「……なんでしょうか、影さん」

影蜥蜴

(腰を浮かせて膝の上にちょこんと腰掛けて寄りかかる)「たまに影の頭を撫でて貰う事で手を打ちます」

近衛

「はいはい……、仰せのままに」(お腹が冷えないように手を回して、ゆったり座ったまま、乾きかけの髪を撫でる

影蜥蜴

(満足している様子でむふぅ、と微笑み)

近衛

「(体温高ぇさな。あったけぇ)」



[utako] #ぬくぬくしつつ駄弁っている間に、そのまま揃ってうとうとと眠り始めた……
[utako] #夜中に二人が寝ているところを発見したハイディが、寒いだろうと糸をかけて繭を形成したため、次の日の朝には大騒ぎになったとか。


時系列


2013年3月

解説


仲の良い親子

The following two tabs change content below.
アバター画像
とにかく、元気いっぱい!ぶらりんぱわーではぴはぴ! 常識的な子は少ないけど、それでもあまり修正しないところがはぴはぴ!Paとジト目担はこちらです
コメント一覧

コメントはありません。

この記事にコメント

*

*

トラックバックURL