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狭間06エピソード集

エピソード『少し将来の話』


目次


エピソード『少し将来の話』

登場人物

カウラアード・シルフィ・ルートスペード
ローザと近衛の娘。時々色々と突拍子もない。
御堂ロザリンデ花梨
カウラの母。来年正式に結婚する。

本文

ローザ
「近衛さんのお茶碗が欠けた……何か悪い事でも起きてないと良いんですけど」

[TK-Leana] # 近衛は白い世界に行ってるっぽいのでローザ動かしてもアレか

カウラ
「今頃、またどこかの暴漢に襲われて路地で倒れてるんじゃないかしら」
ローザ
「あり得ますわ……」

[TK-Leana] # ちょっとそわそわ

カウラ
「大丈夫よ。そんな事になってたら以前みたいに私や影お姉様が気づくわよ」
カウラ
(冗談よ、笑って)
ローザ
「そういうつながりは少し羨ましく感じますわ」
カウラ
「早めにお父様を使い魔にしておけば良かったのよ。相互交信って結構便利だもの」
ローザ
「わたくしは魔術師ではありませんから、カウラさんのようにはいきませんわ」

[TK-Leana] # 眷族にはできるが、そうすると吸血鬼になっちゃうし

カウラ
「逆に、ローザが使い魔の契約をしたら良かったのかしら…程度が低ければ主従なんてない様なものだけれど。そうなると……ちょっとやらしいわね。何か」
ローザ
「それも、少々わたくしの立場を考えると難しい話でしたね」(苦笑
カウラ
「自由を許されてても、一国の姫ね」
ローザ
「一度背負った看板は、そう簡単に降ろせるものではありませんわ。カウラさんも真祖として身を立てるつもりなら憶えておきなさい」
カウラ
「私に合ってる位置を探してみるわ。箔と自由が両立する所を」
ローザ
「真祖として生きるだけなら時間はたっぷりあるんですから。急がずゆっくり考えなさい」
カウラ
「たっぷり…と生きるかどうか、最近は少し考えるわね」
ローザ
「人としてあくせく生きることの楽しみを知りましたか?」
カウラ
「人としてと言うよりは限りある楽しみ、という所かしら」
ローザ
「学生時代は短いですものね。そういった意味では、生まれた時既にある程度成熟してるカウラさんたちは、少しもったいないと思いますわ」
カウラ
「新鮮に感じる事の方が多いわよ。成熟と言うには経験も知識も無い様なものだもの」
ローザ
「と言っても、小学一年生から始めるわけにはいかないでしょう。一から色々な事を学ぶと言うのも、貴重な機会ですから」
カウラ
「1年生は……流石に遠慮したいところね。後半の4年生ぐらいからなら考えもするのだけれど」
ローザ
「わたくしも、学生生活があと一年もないと思うと色々感慨深いですわ」
カウラ
「そう言えば高校を卒業した後はどうするのよ」
ローザ
「え、それは近衛さんの妻として家庭に入るつもりですが」
カウラ
「そうじゃなくて、家庭に入るだけで何もしないわけには行かないでしょ。まだ若いんだから」
ローザ
「団地妻って憧れません?」
カウラ
「中学生が憧れるものではないと思うわよ…」
ローザ
「将来の夢はお嫁さんっていう人もいると思いますけど」
カウラ
「ニュアンスが違うわよ、ニュアンスが」
ローザ
「まあ、それ以外となると今はメイドたちに半分任せきりの仕事に本格的に手を出していくつもりですが」
カウラ
「その辺が妥当だとは思うのだけれど、大学に行くつもりはないの?ローザの学力なら大抵行けるでしょ?」
ローザ
「それは、その……子供が出来たら子育てに集中できるようにしておきたいじゃないですか」
カウラ
「…そんな早速子作りに専念しなくても良いんじゃないかしら」
ローザ
「好きな人の子供が欲しいと思うのは当然でしょう」
カウラ
「それは解るのだけれど、新居買うんでしょ?ちゃんとそこに慣れて、ご近所付き合いをして、ローザの仕事が落ち着いて、お父様もゆっくり出来る時になってから考えれば良いでしょ」

[utako] #くどくどと姑の様に

ローザ
「それはそうかもしれませんけど、近衛さんが自重するかどうか……」
ローザ
「もう隔意があるわけではありませんが……わたくしだけ気をつけて居る間に、ニーナさんや乱さんに先を越されるのも複雑です」
カウラ
「単純に、子供が出来る可能性は同種の方が高いわよね」
ローザ
「スタート地点で既にハンディキャップを背負ってるんですから」
ローザ
「カウラさんだって阿光くんが別の子と子供作ったら嫌でしょう!」
カウラ
「私は妾なんて許すつもりないから、一緒にしないで頂戴」
ローザ
「う……まあ、確かに少し論点がずれていたかもしれませんね」
カウラ
「ただ、私だって子供を作るなら人間体で宿すつもりでは居るのだけれど……何て言うのかしら、体力的に大丈夫か心配だわ」
ローザ
「カウラさん、筋肉がつきにくいと言うレベルの話じゃありませんものね……」
カウラ
「……少しはまた考え直そうかしら、その辺は」

[utako] #体力作り

カウラ
「って、もう……そんなのまだ何年も先の話じゃない。今から心配する事じゃないわ」
ローザ
「カウラさんもあと二年もすれば結婚できる歳ですよ」
カウラ
「歳だけならそうなのだけれど、私は高校も大学も行くつもりだから、結婚するなんて10年も先の話だわ」
ローザ
「そういえばカウラさんはどの大学に行こうかとか決めているんですか?」
カウラ
「今の所は吹利大学かしら」
ローザ
「学部は?」
カウラ
「経済学部が第一進路ね。一応、それなりに勉強しておかないと組織経営も出来そうにないもの」
ローザ
「中学生でそこまでしっかり見据えてるのも頼りがいがあるような危なっかしいような」
カウラ
「しっかり、とは考えてないかしら。裏に進むにしろ、表で活動するにしろ、はっきり見据えてくるのは高校に入ってからかしら。その時点の実力を考えて選択肢が多い所へ進むでしょうし」
ローザ
「カウラさんは生真面目ですね」
カウラ
「…鏡君が何だかちょっとふわふわしてるから、もしかして養う事になるかも、と思うと…少し考えるわよ」

[utako] #以前は屋台やるのも、と言ってた彼

ローザ
「ああ、確かに少し夢に生きてそうな所ありますわね、彼」

[TK-Leana] # 中学生ならそんなもんと言う気もするが

カウラ
「何て言うのかしら、そう言う所も可愛いのだけれど…その可愛さもその内大人になってしまうのも勿体無い気がしたり、そのまま大人になってしまうのも考えものだったり……悩ましいわ」
ローザ
「男の人はいつまでたっても子供みたいなところがあると、お母様は言ってましたわ」
カウラ
「子供のまま大人になる事はないでしょうけれど、……ハードボイルドらしく、渋みの中にたまに童心が見えるぐらい、に成長するのがちょっと楽しみね」

[utako] #ちょっと想像してみつつ、少し嬉しそう

ローザ
「楽しそうですわね、カウラさん」(くすくす
カウラ
「有限の楽しみよ、これも」
ローザ
「それにしても、しっかり10年後も一緒にいるつもりなんですね」
カウラ
「まぁ、一応ね」 (ちょっと赤くなりつつ
ローザ
「あ、でも子供はダメですよ。しっかり結婚して責任を取れるようになってからでないと」
カウラ
「解ってるわよ!」 (真っ赤になりながらバンバンと机を叩いて
ローザ
(くすくす)「冗談です」
カウラ
「全くもう……、あ、でも…いないわけでは、ないかしら」
ローザ
「何がですか?」
カウラ
「子供」
ローザ
「……え」
カウラ
「…もうあの子達も良い大人かしら。そろそろママに彼女を紹介してくれても良いのだけれど」
ローザ
「結婚する前に孫が」
カウラ
「もう居るじゃない。弥斗お姉様の所に」
ローザ
「そうでした……でもそんな、いつの間に子供を?」
カウラ
「去年の7月ぐらいだったかしら」
カウラ
「台風の中、鏡君が拾って来たのよ」
ローザ
「あ、ああ。ペットか何かですか」
カウラ
「猫よ。あの頃はまだ生まれて間もない子猫だったのだったのだけれど、私の母乳をあげて、鏡君がお世話をして、今では立派な大人ね」
ローザ
「……母乳!?」
カウラ
「市販のミルクでも良かったのだけれど、免疫をつける上ではやっぱり母乳の方が優れてるわよね」
ローザ
「そんな気軽に言われても……普通はそれくらいで出ない母乳を無理に出したりしませんよ」
カウラ
「死んだら嫌じゃない。ちょっと出が良すぎる時は困ったのだけれど……中々、良い体験だったわよ」
ローザ
「なんというか、複雑な気分ですわその告白……それであの頃胸が膨らんでましたのね」
カウラ
「パットじゃなかったのよ、地乳よ地乳」

[utako] #寄せてあげて見るが、服の皺の方が盛り上がる

ローザ
「そ、そうだったんですかー」

[TK-Leana] # 愛想笑い

カウラ
「何故か腹が立つわね…、もう1年以上前の話よ」
ローザ
「(また胸を大きくしたいから子供を産もうとか言いださないと良いですけど……)」

[utako] #そんなまさか
[TK-Leana] # カウラなら言いそうだなあと思うローザだった
[utako] #子供を産むためにそれはないが、子猫をまた拾って来たりしたら在り得る
[utako] #母乳は色々大変だったので、もう少し楽な方でまたパットを…
[TK-Leana] # あはは
[TK-Leana] # カウラ自重

時系列

2012年11月

解説

近衛がWhiteLineに居た頃、ローザとカウラ。
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月影れあな

月影れあな

ログ切り人。IRCでのNickはTK-Leana。 思いつきでキャラメイクしては一発ネタで終わることが多いため、参加者ページのキャラクターリストは出オチキャラの墓場になっている。
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